偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

目次(本)

≪あ行≫

相沢沙呼
『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』
『Invert 城塚翡翠倒叙集』

葵遼太
『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』

青山文平
『半席』

朝井リョウ
『世にも奇妙な君物語』

芦沢央
『今だけのあの子』

飛鳥部勝則
『堕天使拷問刑』

阿津川辰海
『紅蓮館の殺人』
『蒼海館の殺人』

綾辻行人
『十角館の殺人』
『深泥丘奇談・続々』
『Another エピソードS』

伊坂幸太郎
『火星に住むつもりかい?』
『AX』
『ホワイトラビット』

石持浅海
『相互確証破壊』

井上ひさし
『十二人の手紙』

井上悠宇
『誰も死なないミステリーを君に』

井上夢人
『ダレカガナカニイル』

今村昌弘
『屍人荘の殺人』

上田早夕里
『魚舟・獣舟』

歌野晶午
『ずっとあなたが好きでした』
『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』

海猫沢めろん
『愛についての感じ』

浦賀和宏
《安藤直樹シリーズ》
1.『記憶の果て』
2.『時の鳥籠』
3.『頭蓋骨の中の楽園』
4.『とらわれびと』
5.『記号を喰う魔女』
6.『学園祭の悪魔』
7.『透明人間』
『透明人間』(再読)
8.『HEAVEN 萩原重化学工業連続殺人事件』
9.『HELL 女王暗殺』
10.???
《八木剛士・松浦純菜シリーズ》
1.『松浦純菜の静かな世界』
2.『火事と密室と雨男のものがたり』
3.『上手なミステリの書き方教えます』
4.『八木剛士 史上最大の事件』
5.『さよなら純菜 そして不死の怪物』
6.『世界でいちばん醜い子供』
7.『堕ちた天使と金色の悪魔』
8.『地球人類最後の事件』
9.『生まれ来る子供たちのために』
《桑原銀次郎シリーズ》
1.『彼女の血が溶けてゆく』
2.『彼女のため生まれた』
3.『彼女の倖せを祈れない』
4.『彼女が灰になる日まで』
《メタモルフォーゼの女シリーズ》
1.『Mの女』
2.『十五年目の復讐』
《ノンシリーズ》
『こわれもの』
『ファントムの夜明け』
『姫君よ、殺戮の海を渡れ』
『究極の純愛小説を、君に』
『緋い猫』
『ハーフウェイハウスの殺人』

大槻ケンヂ
『くるぐる使い』

大山誠一郎
『赤い博物館』
『アリバイ崩し承ります』

小川勝己
『彼岸の奴隷』
『まどろむベイビーキッス』
『撓田村事件』
『ぼくらはみんな閉じている』
『あなたまにあ』
『ロマンティスト狂い咲き』
『イヴの夜』

尾崎世界観
『祐介』


≪か行≫

甲斐田紫乃
『超能力者とは言えないので、アリバイを証明できません』

梶龍雄
『鎌倉XYZの悲劇』

カツセマサヒコ
『夜行秘密』

加門七海
『蠱』

木々高太郎
『木々高太郎集』

北大路公子
『石の裏にも三年』

楠田匡介
『いつ殺される』

倉狩聡
『かにみそ』

倉野憲比古
『スノウブラインド』
『墓地裏の家』
「双子」

甲賀三郎
『蟇屋敷の殺人』

小林泰三
『忌憶』
『殺人鬼にまつわる備忘録』

小松左京
『霧が晴れた時』


≪さ行≫

坂木司
『和菓子のアン』
『アンと青春』
『先生と僕』
『何が困るかって』

桜木紫乃
『ホテルローヤル』

沢村浩輔
『夜の床屋』

島田荘司
『夏、19歳の肖像』
『幻肢』

下村敦史
『闇に香る嘘』

朱川湊人
『都市伝説セピア』
『いっぺんさん』

白井智之
『少女を殺す100の方法』

住野よる
『君の膵臓をたべたい』

蘇部健一
『木乃伊男』



≪た行≫

高木彬光
『妖婦の宿』

太宰治
『人間失格』
『走れメロス』
『きりぎりす』
『ヴィヨンの妻』

多島斗志之
『マリアごろし異人館の字謎』
『クリスマス黙示録』
『不思議島』
『神話獣』
『少年たちのおだやかな日々』
『白楼夢』
『私たちの退屈な日々』
『症例A』
『追憶列車』
『感傷コンパス』
『黒百合』

谷崎潤一郎
『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』

千澤のり子
『シンフォニック・ロスト』

辻真先
『郷愁という名の密室』(牧薩次名義)

辻村深月
『かがみの孤城』

積木鏡介
『誰かの見た悪夢』

友成純一
『ホラー映画ベスト10殺人事件』



≪な行≫

中西鼎
『東京湾の向こうにある世界は、すべて造り物だと思う』
『放課後の宇宙ラテ』

夏目漱石
『こころ』

七河迦南
『アルバトロスは羽ばたかない』

二階堂奥歯
『八本脚の蝶』

西澤保彦
《タック&タカチシリーズ》
『黒の貴婦人』
《チョーモンインシリーズ》
『夢幻巡礼』
『転・送・密・室』
『人形幻戯』
『生贄を抱く夜』
『ソフトタッチ・オペレーション』
《腕貫探偵シリーズ》
『腕貫探偵』
『腕貫探偵、残業中』
森奈津子シリーズ》
『小説家 森奈津子の華麗なる事件簿』
『小説家 森奈津子の妖艶なる事件簿 両性具有迷宮』
《城田理会シリーズ》
『殺す』
《ノンシリーズ》
『殺意の集う夜』
『瞬間移動死体』
『死者は黄泉が得る』
『黄金色の祈り』
『夏の夜会』
『パズラー 謎と論理のエンタテインメント』
『笑う怪獣』
『いつか、ふたりは二匹』
『からくりがたり』
『春の魔法のおすそわけ』
『収穫祭』

貫井徳郎
『修羅の終わり』※全編ネタバレのみ)

野崎まど
『【映】アムリタ』

法月綸太郎
『頼子のために』
『一の悲劇』
『ふたたび赤い悪夢』
『パズル崩壊』
『犯罪ホロスコープ Ⅰ』
『怪盗グリフィン、絶体絶命』



≪は行≫

深緑野分
『オーブランの少女』

深水黎一郎
『大癋見警部の事件簿』

藤野恵美
『わたしの恋人』『ぼくの嘘』
『ふたりの文化祭』
『おなじ世界のどこかで』

穂村弘
『もしもし、運命の人ですか。』
『鳥肌が』



≪ま行≫

柾木政宗
『NO推理、NO探偵?』
『ネタバレ厳禁症候群』

又吉直樹
『火花』

松井玲奈
『カモフラージュ』

松浦理英子
『ナチュラルウーマン』
『親指Pの修業時代』

麻耶雄嵩
『友達以上探偵未満』

三田誠広
『永遠の放課後』
『いちご同盟』

道尾秀介
『向日葵の咲かない夏』
『月と蟹』
『カササギたちの四季』
『水の柩』
『光』
『笑うハーレキン』
『鏡の花』
『透明カメレオン』

三津田信三
《刀城言耶シリーズ》
『碆霊の如き祀るもの』
《死相学探偵シリーズ》
『九孔の罠』
『死相学探偵最後の事件』
《幽霊屋敷シリーズ》
『どこの家にも怖いものはいる』
『わざと忌み家を建てて棲む』
《家シリーズ》
『魔邸』

三山喬
『ホームレス歌人のいた冬』

武者小路実篤
『友情』

村上春樹
『夜のくもざる』
『レキシントンの幽霊』

燃え殻
『ボクたちはみんな大人になれなかった』

望月拓海
『毎年、記憶を失う彼女の救い方』

本谷有希子
『異類婚姻譚』

森下雨村
『白骨の処女』

森見登美彦
『ペンギン・ハイウェイ』



≪や行≫

山田風太郎
忍法帖
『伊賀忍法帖』
『忍法八犬伝』

山田正紀
『ブラックスワン』
『人喰いの時代』

米澤穂信
『真実の10メートル手前』
『巴里マカロンの謎』
『いまさら翼といわれても』



≪ら行≫

連城三紀彦
『明日という過去に』
『白光』
『小さな異邦人』



≪わ行≫

綿矢りさ
『蹴りたい背中』
『憤死』
『勝手にふるえてろ』
『かわいそうだね?』


≪海外作家≫

アレン・エスケンス
『償いの雪が降る』
『たとえ天が墜ちようとも』

エラリー・クイーン
『エラリー・クイーンの新冒険』

トマス・H・クック
『死の記憶』
『夏草の記憶』
『緋色の記憶』
『心の砕ける音』
『蜘蛛の巣のなかへ』
『緋色の迷宮』

アゴタ・クリストフ
『悪童日記』

ジャック・ケッチャム
『隣の家の少女』

メアリー・シェリ
『フランケンシュタイン』

ピーター・スワンソン
『そしてミランダを殺す』

陳浩基
『13・67』

アレックス・パヴェージ
『第八の探偵』

トマス・フラナガン
『アデスタを吹く冷たい風』

マーガレット・ミラー
『まるで天使のような』

陸秋槎
『文学少女対数学少女』


≪アンソロジー

角川ホラー文庫「現代ホラー傑作選」
2.魔法の水
3.十の物語

猟奇文学館
2.『人獣怪婚』

異形コレクション
LI.『秘密』

『謎の館へようこそ 黒』

『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』







≪ミステリ10選シリーズ≫

作中作ミステリ10選
切断ミステリ10選
恋愛ミステリ10選
青春ミステリ10選
見立てミステリ10選





《読書履歴書》

私の読書履歴書 その1
私の読書履歴書 その2
私の読書履歴書 その3




≪小説年間ベスト≫

2017年に読んだ小説ベスト20
2018年に読んだ小説ベスト10
2019年に読んだ小説ベスト10(ミステリ編)
2019年に読んだ小説ベスト10(非ミステリ編)
2020年に読んだ本ベスト10

目次(音楽・漫画・その他)


〈音楽関連〉

indigo la End

mini『あの街レコード』
1st 『幸せが溢れたら』
2nd 『藍色ミュージック』
3rd 『Crying End Roll』
4th 『PULSATE』
5th 『濡れゆく私小説』
6th『夜行秘密』前編/後編


スピッツ

〈アルバム〉
1st『スピッツ』
2nd『名前をつけてやる』
8th『フェイクファー』
9th『ハヤブサ』
10th『三日月ロック』
13th『とげまる』
14th『小さな生き物』
15th『醒めない』
16th『見っけ』

〈曲〉
「エンドロールには早すぎる」
「子グマ!子グマ!」

サカナクション

『834.194』感想 -東京version-
『834.194』感想 -札幌version-


アルバム年間ベスト

2017年、私的アルバムランキング!
2018年、私的アルバムランキング!!
2019年、私的アルバムランキング!!!
2020年、私的アルバムランキング!!


Replay
Replay2020


その他まとめとか

夏メロ



〈漫画関連〉

大柴健
『君が死ぬ夏に』(全7巻)

押見修造
『スイートプールサイド』
『デビルエクスタシー』(全4巻)
『ユウタイノヴァ』(全2巻)

駕籠真太郎
『殺殺草紙 大江戸無惨十三苦』
『ブレインダメージ』
『都市とインフラストラクチャー』

加藤元浩
Q.E.D 証明終了』全巻読破計画
① 1巻〜10巻
② 11巻〜20巻
③ 21巻〜30巻
④ 31巻〜40巻
『C.M.B 森羅博物館の事件目録』全巻読破計画
① 1巻〜10巻
② 11巻〜20巻

さくらももこ
『ちびしかくちゃん』(全2巻)

城平京水野英多
『天賀井さんは案外ふつう』(全4巻)

高橋留美子
『人魚の森』

田島列島
『子供はわかってあげない』(上下巻)

吉富昭仁
『地球の放課後』(全6巻)

アンソロジー
怪談マンガアンソロジー『コミック幽』



〈お笑い関連〉

シソンヌ
シソンヌライブ[une]
シソンヌライブ[deux]
シソンヌライブ[trois]
シソンヌライブ[quatre]
シソンヌライブ[cinq]
シソンヌライブ[six]
シソンヌライブ[sept]
シソンヌライブ[huit]
シソンヌライブ[neuf]

ラーメンズ
特別公演『零の箱式』
第8回公演『椿』
第11回公演『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』
第12回公演『ATOM』
第13回公演『CLASSIC』
第14回公演『Study』

小林賢太郎プロデュース公演
#004『LENS』

空気階段
『anna』


《日記》


恋バナ
話す
考える
思い出が
日記 11/3
日記 11/25
植田界隈ケーキ屋巡りの旅
梅坪界隈ケーキ屋巡りの旅

目次(映画)

〈あ行〉
アバウト・タイム 愛おしい時間について
アリス・スウィート・アリス
アンダー・ザ・シルバー・レイク
イエスタデイ(2019)
イディオッツ
イット・フォローズ
1917 命をかけた伝令
エターナルサンシャイン
エンジェル、見えない恋人
オリーブの林をぬけて



〈か行〉
ルトガー・ハウアー/危険な愛
奇跡の海
キートンの探偵学入門
きみに読む物語
きみに読む物語その2
キングスマン
キングスマン : ゴールデン・サークル
狂い咲きサンダーロード
軽蔑
(500)日のサマー



〈さ行〉
サスペリア
サスペリア(ルカ・グァダニーノ版)
三月のライオン
シェイプ・オブ・ウォーター
シャークネード・シリーズ(1〜5)
シャークネード6 ラストチェーンソー
ジョーカー
ジョジョ・ラビット
スウィート17モンスター
スプリット
そして人生はつづく
ゾンゲリア



〈た行〉
タイタニック
ダンケルク
チェイシング・エイミー
ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌
チャイルド・マスター
天気の子
ドッグヴィル
ドグラ・マグラ
友達のうちはどこ?
トラフィック
トリプルヘッド・ジョーズ
ドント・ブリーズ



〈な行〉




〈は行〉
ハイテンション
HOUSE
花束みたいな恋をした
バッファロー'66
パラドクス
バリー・リンドン
フォレスト・ガンプ/一期一会
フォロウィング
冬の怪談 〜ぼくとワタシとおばあちゃんの物語〜
ザ・フライ
ブルーバレンタイン
ベイビー・ドライバー
ボヘミアン・ラプソディ



〈ま行〉
マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり
マンダレイ
ミッドサマー
ムーンライズ・キングダム



〈や行〉



〈ら行〉
ラースと、その彼女
ルチオ・フルチの新デモンズ
ルビー・スパークス



〈わ行〉
若者のすべて
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド




〈ドラマ〉
仮面ライダークウガ



〈映画特集記事〉

失恋の傷口に塩を塗る恋愛映画7選
【閲覧注意】極私的、ランク別どんでん返し映画紹介
好きなゾンビコメディ15選
My Favoriteホラー映画10選のリスト〜〜。





〈今月のふぇいばりっと映画〉
2018/9
ジャンゴ 繋がれざるもの/レディプレイヤー1/P.S.アイラブユー/禁断の惑星/巨大クモ軍団vs GoGoダンサーズ

2018/10
サタデー・ナイト・フィーバー/ニュー・シネマ・パラダイス/カビリアの夜/プールサイド・デイズ

2018/11
エンドレス・ポエトリー/君の名前で僕を呼んで/マルホランド・ドライブ/ストレイト・ストーリー/早春 (DEEP END)

2018/12
柔らかい殻/普通の人々/フィールド・オブ・ドリームス/メッセージ/時計仕掛けのオレンジ/ブロンド少女は過激に美しく/ドライヴ/エド・ウッド

2019/1
お熱いのがお好き/リバディ・バランスを射った男/ストレンジャー・ザン・パラダイス/ソナチネ

2019/2
アクアマン/新婚道中記/道

2019/3
夜の大捜査線/ヤコペッティの大残酷/タワーリング・インフェルノ

2019/4
暗殺のオペラ/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/地球に落ちてきた男/地上より永遠に

2019/5
search サーチ/怪怪怪怪物!/クーリンチェ少年殺人事件/ヘレディタリー 継承

2019/6
ブルー・ベルベット/パターソン/ライフ/11:46/カランコエの花

2019/7
トゥルーマン・ショー/スリザー/ラストベガス/セブン/メリーに首ったけ/愛と青春の旅立ち/ネクロノミカン

2019/8
ベンジャミン・バトン 数奇な人生/とらわれて夏/孤独なふりした世界で/メイクアップ 狂気の3P/世界一キライなあなたに/トイストーリー4/チャイルドプレイ(2019)

2019/9
アス/イングロリアス・バスターズ/サスペリアpart2

2019/10〜11
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで
/ふたりの5つの分かれ路/ことの終わり/ワンダーランド駅で/マローボーン家の掟/映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

2019/12
ハッピー・デス・デイ/ハッピー・デス・デイ2U/スクリーム4

2020/1
死霊の罠/死霊の罠2 ヒデキ/ミスト/悪魔のいけにえ/要塞警察/サマー・オブ・84

2020/2
ウォールフラワー/undo/来る/グエムル 漢江の怪物

2020/3
ウィッカーマン(1973)/アメリカン・サイコ/DAGON/処刑山2 ナチゾンビvsソビエトゾンビ/桐島、部活やめるってよ

2020/4
ビルとテッドの大冒険/スラムドッグ・ミリオネア/捜索者

2020/5
スターマン/未来世紀ブラジル/インビジブル/ブラックブック

2020/6 ①
グレート・ウォリアーズ 欲望の剣/スターシップ・トゥルーパーズ/ショーガール/トリック

2020/6 ②
ブラックシープ/ロスト・イン・トランスレーション/UFO少年アブドラジャン/ネクロマンティック/ネクロマンティック2

相沢沙呼『Invert 城塚翡翠倒叙集』感想

ミステリランキング五冠とかゆって話題になった『medium』の続編。本作の方もすでに超話題作となっていて、最初は文庫待つつもりだったけど周りが全員読んでるので読んでしまいました。


さて、本作ですが、前作『medium』の結末が前提の、もはや存在が前作のネタバレみたいな続編なので、前作を読んでいない方はまず前作を読んでいただきたいと思います。

そのため感想を書くのも難しくなってきますが、まずは前作のネタバレも今作のネタバレも無しで少しだけ。


本作はタイトル通り倒叙をテーマとした連作中編集となっています。
そして、著者は倒叙の面白さをなんとか世に広めよう!という使命感を持っているらしく、「犯人が最初から分かってるのに何が面白いの?」と思っちゃう読者にも分かりやすいように、「読者への挑戦」が各話で挟まれます。
これがあることによって、犯人は分かっている、じゃあ後は何を推理すれば良いのか?という面白さの要が見えやすくなって、犯人が分かってても面白いミステリは作れるんだということを教えてくれます。
また、各話の犯人特定のロジックも、(解けなかった私が言うことじゃないけど)あまり難しすぎず、読者もじっくり考えれば解けそうなレベルに設定されていて、解決編の前にちょっと立ち止まって考える楽しみ。それが当たってて喜んだり外れてて悔しがったりする、"推理"小説らしい楽しみ方をもう一度我々に提示してくれます。

一方で、ときおり著者が主人公に憑依して急に読者への暴言を吐き始めるあたりも面白く、著者にとって初の殺人が起こるミステリであり、出世作でもある本シリーズが良いガス抜きになってそうで微笑ましく思います(笑)。

また、各編はクロースアップマジックのように地味ながらシンプルにミステリの醍醐味を楽しめるものでありつつ、最後まで読むとイリュージョンに変わってしまうあたりも、たしかに「全てが、反転」のコピーに恥じない作品に仕上がってます。

また、翡翠ちゃんの可愛さもパワーアップ!
前作で彼女に夢中になった我々は、本作でもまたその魅力にバチコンとやられちゃうわけですね......。

って感じで、前作と比べてどうこうみたいなのは出てきちゃうとは思いますが、前作が楽しめた人なら今作もかなり楽しめるんじゃないかと思います。


それでは、ここからは前作のネタバレだけ有り、本作のネタバレは無しの感想コーナーに移ります。
前作未読の方はご注意を......。


































































































というわけで、前作のネタバレありコーナーですが、とりあえずここまで我慢してたので一言叫ばせてください。

すぅ〜っ......

翡翠ぶん殴りてえぇぇぇぇ!!!!!


ふぅ......。
そうなんすよね。前作では翡翠ちゃんの「可愛いは作れる!」自体が最大のどんでん返しだったからギリギリバレない程度のあざとさで済んでたんですけど、今作に至ってはもう著者も開き直ってあざといを通り越してただウザいだけのいっそギャグみたいなクソ女として描いてくれているので、読みながらガチでイライラしちゃって全然読み進められませんでした。なんだよ「はわわわ」って!やりすぎです!
そんな振り切ったぶりっ子の翡翠ちゃんを犯人の立場から見ることになるわけですが、その犯人の方も第1話は絵に描いたような童貞なのが第2話以降はだんだんとレベルアップしていき、ぶりっ子を見破ったりもして、丁々発止のバトルを繰り広げるのも本書の楽しみの一つかと思います。
特に第2話の犯人にはかなりなところ同情できる部分があるので、翡翠ちゃんがめちゃくちゃ憎たらしく感じます。それだけに、戦いの後、2人が腹を割って話す場面は印象的でした。

そして、本書の半分ほどを占めるメインコンテンツの第3話では、翡翠ちゃんが元刑事の職業探偵という強敵と対峙するわけですが、これまたネタバレなしにはなかなか何も言えないので、以下では本書『Invert』のネタバレも込みでの感想を書いていきます。















































































というわけで、いんばーとネタバレ感想です。
とはいえ既にここまでで一番言いたいこと(=翡翠ちゃんうぜえ)は言ったのでもうあまり書くことも残ってないですが。

とりあえず、今作も前作とほぼ同じ、ナメてた翡翠ちゃんが実はヤバいやつだった系トリックなわけですが、そこに半叙述トリックでもある入れ替わりトリックが絡まることで簡単に騙されてしまうのはまさにイリュージョン。
雲野パートが三人称雲野視点なので微妙にずるい気もしてしまうものの、こっちで視点人物による誤認を描き、真パートで読者だけを誤認させる真実を描くことのズレで騙すってのは上手いとしか言えないです。
やはり手法はシンプルながら見せ方で騙す、奇術師らしい大どんでん返し。

作中で言及されるマジックの繰り返し(てか酉乃先生やないか!?)をそのまま使った、連作としての繰り返し、そしてシリーズとしての繰り返しを踏まえた大技!
読み始めた当初は、中編集だし正直シリーズ的にはオマケみたいなものなのかもと思っていたのですが、なんのなんのガッツリ続編だしガッツリ反転したし、楽しかったです。

翡翠ちゃんシリーズの長編もいずれは出そうで楽しみですが、それとは別に酉乃さんらしき人が本作に出てきたということはあっちのシリーズも......なんて期待もしてしまいますね。

空気階段『anna』感想

空気階段、テレビでたまに見ると毎回面白くて結構気になってはいたんですが、この度友達から貸していただいたので初めてライブを観てみました。


収録内容
noriko/27歳/SD/メガトンパンチマンカフェ/コインランドリー/銀次郎24/Q/anna


めちゃくちゃ良かったです!
めちゃくちゃ面白かったというのはもちろん、こんなにエモかったのか!?っていうのはテレビでは分からない、単独ライブ一本を一つの作品として通しで観たからこそ味わえた感動!
なんせ、作中でオープニングのYMO「東風」を含む3つの楽曲が流れるのですが、どれも好きなバンドの好きな曲で、特に挿入曲は私にとってアンセムでしかないので、イントロが流れた瞬間鳥肌が立ちました。もちろん、使い方の上手さも込みで。

さらに、最終話では、とあるミステリ的な仕掛けまで施されています。しかもそれがただ観客をあっと言わせようというだけのものではなく、それがあることによって物語の感動を増すものであり、私が今年読んだミステリの中で本作が暫定1位と言っても過言ではありません。

音楽とミステリという私の2大好きなものがバチコンとハマる形で入ってて、もはや私のために作られた作品なのではないかとすら錯覚してしまいます。

さらには、作中に出てくる登場人物はやばい人ばかり(もぐらさんはもちろんかたまりの演じるキャラも含めて)なんですが、その描き方に日陰者への優しい視線を感じるあたりは、同じく大好きなコント屋さんのシソンヌにも通じるところがあり、それも好きな要因の一つだと思われます。

そんな感じで、それなりに期待はしていたものの、こういう運命を感じるようなハマり方をするとは予想外でしばらく余韻に浸ってしまいそうです。

以下各話の感想を少しずつだけ。



「noriko」

イントロダクションのような位置付けの短めのお話。
初めてライブ映像を見る芸人の1本目って、これほんとに面白いんだろうな......大丈夫かな......という不安をかなり強く抱いてしまいます。映画とかだとそんなことないんだけど、お笑いって笑うために見てるのに笑えないとめちゃくちゃ気まずい空気になっちゃうので。
それでドキドキしてると、思いの外バカバカしいアレがきてめちゃくちゃ笑っちゃいました。
1本目のネタへの笑いだけは、安堵と疑ってごめんと次以降への期待とが入り混じった特別な笑いなんですよね。


「27歳」

私が今年ちょうど27歳なのもあって、笑いつつも身につまされてしまうお話でした。
シリアスな空気で溜めて溜めてからの一言ってのがほんと好きで。そこで一発決めてからはもうギャグのオンパレードなんだけど、しかし人名の使い方がズルすぎますでしょ。人の名前が出てくるたびにうひゃひゃって変な声出ちゃいました。
しかしかたまりはミュージシャンの役やるとほんと川谷絵音に見えますね。


「SD」

ミステリのトリックもお笑いも意外なもの同士が繋がることによる快感が肝......ってのは私の憧れる書評サイト『黄金の羊毛亭』氏の言葉ですが、このシチュエーションからアレが出てくる意外さと説得力なんかはそれこそミステリのカタルシスにも近いものだと思います。
もぐらさんがつっこみ(?)の立ち位置なのも新鮮で良かったです。


「メガトンパンチマンカフェ」

ミュージシャンの苦悩、サイバーテロリストと、題材的にはシリアスな話が続きましたが、これはもうタイトル通り最初からアホみたいな話です。
もぐらさんの外見含むキャラの作り込み方と、かたまりの素みたいな喋り方とのギャップが良かったです。あとアイホープが最高でした!


「コインランドリー」

もぐらさんのヤバいキャラがめちゃくちゃ堂に入ってるというか本人にしか見えないくらい似合ってるのに対し、かたまりのヤバいキャラはなんか作ってる感じがするけど、普段地味なオタクが文化祭で頑張っちゃったみたいな可愛さがあって良いと思います。
でもランドリーマン、こんな風なのにちゃんと仕事してて凄いと思う。


「銀次郎24」

ここまでモロにガチな下ネタもやるんだ!と驚いてしまうくらいの下ネタ。
着想そのもののアホくささと、始まりからは予測できない展開が素晴らしいっす。
あのいかにもありそうなVTRに子供の頃を思い出して懐かしくなりました。授業でああいうの見るの結構好きだったんですよね......。


「Q」

最後のネタの前のインタルード的なやつ。
ここまでかなりしっかりしたストーリーのあるお話ばっかだったところにこのシュール系のが来るのが新鮮で良いっすね。
まぁ正直無理やりわけわかんないことやろうとしてる感じがしてあんまり笑えなかったし、オチもすげえざっくりしてるように感じてしまったのですが、最終話の前に奇妙な空気感を出すのには成功してると思います。


「anna」

あー、もう、好き。最高。惚れました。
私自身はラジオにそんなにめちゃくちゃハマってたわけではないんですけど、それでもお年頃の時分にはラジオで初めて知ったミュージシャンのファンになったり、夜中の下ネタ満載の番組をドキドキしながら聴いたりした経験はあるんで、ラジオという題材とその愛ある描き方だけでもかなりグッときちゃいました。
その上、ラジオが発端の淡い青春の恋模様を描いていたかと思えばどんどんドラマティックな展開になっていきながらミステリ要素もぶっ込まれつつ大好きな曲が流れつつ余韻しか残らねえラストと、素晴らしい映画を一本観たような満足感があってもう最高っすよね。
これまでも「空気階段結構好きかも〜」とか思ってましたが、これを観てもう完全に大好きになりました。
(ネタバレ→)これまでのネタに出てきた色んな人が本人たちも知らない間に少しずつ繋がっているという伊坂幸太郎みたいな伏線回収が、気持ちいいだけではなく彼らの存在が肯定されるような優しさにも繋がっている気がします。
そして、あの叙述トリックも身構えていれば見破れそうなシンプルなものではあるのですが不意打ちだったので完全にやられたし、あれがあることで、それまでもぐらさん視点で見ていたのが一気にかたまり視点も見えてきて、物語の枠が広がるような爽快感と感動があるんすよね。
泣ける。

もうほんとハマっちゃったので、とりあえずYouTubeに過去のライブのがいくつか上がってるみたいだから見てみます。貸してくれた本多さんありがとう。

ラーメンズ第8回公演『椿』

まだまだ見てますラーメンズ
漢字1文字のタイトル3部作の1つめ!


収録内容
時間電話/心理テスト/ドラマチックカウント/インタビュー/心の中の男/高橋/斜めの日/日本語学校アメリカン/悪魔が来たりてなんかいう


はい。もはや完全にハマってしまってるので敢えて書くこともないんですが、全体の感想としては、ストーリーもの、勢いで攻めるネタ、実験的な構成のやつとがバランス良く入っていつつ、「時間電話」と「斜めの日」の印象が強いのでなんとなく奇妙な味のSFっぽい余韻が残ってます。

以下各話の感想。


「時間電話」

奇妙な時間と空間の中に閉じ込められてしまう2人を描いた星新一的なSFショートストーリー。
SF感が強すぎて爆笑はできないんですけど、ところどころふふっと笑えつつ、不思議さや不気味さは常に漂い、オチも非常に星新一っぽい、もはやなんかしら星新一の作品を原案にしてるんじゃないかと思うようなお話でした。


「心理テスト」

一転、アホな感じのシュールさのお話。
わけがわからないままにテンポ良く話が進んでいって見せられてしまうのがすごい。
ただ、個人的にはこういうのはちょっとまとまりがなく感じられてしまって、かといって日本語学校のやつほどの勢いはないので本作の中ではちょっと落ちるかな......。


「ドラマチックカウント」

何が起こるかを先に予告し、見るからに伏線らしい描写を積み重ねた上でそれをすごい速さで回収していくタイプの作品。
最初に例題を2問出してからの最後のあれは凄かったです。
ハナから狙っていて、それを隠そうともせずに白々しいまでにやり切ってしまうあたり、トリック重視で心理描写とかは眼中にないタイプの本格ミステリを彷彿とさせて嫌いになれません。


「インタビュー」

小林さんがそもそもかなりキャラ濃いのに片桐さんが狂気すぎてまともなツッコミ役に回らされてしまっているのがめちゃくちゃ面白いです。
ところどころ小林さんが素で笑って片桐さんが悪ノリしてるようなところも、どこまでが計算ずくなのか分からないけど好きです。
最後のオチだけはちょっとわざとらしくて蛇足な気がしちゃいますが、どうですかね......?


「心の中の男」

小林さんが本体、片桐さんが心の声を演じるというなかなか凝った設定のお話。
こういう捻りの効いた設定はそれだけで大好きなので面白かったです。脚!のリズム感が最高。
これもオチはちょっとわざとらしい気もするけど、これ以外にやりようがない気もします。


「高橋」

これも奇妙な設定はめちゃくちゃ好きなんですけど、高橋以外のが出てきた時に、個人的にはなんか一気に作り物っぽく感じられてしまってちょっと冷めちゃいました。
説明は難しいんだけど、そもそもがあり得ない設定なところから、変に縛りが緩められてあり得そう感が出ると逆にリアリティが失われてしまうように思うんですよね。
こういう変なこだわりの強さは私の良いところだと思うので大事にしたいです。なんの話や。


「斜めの日」

これはすごく好きです。
片桐さんのやはり狂気に取り憑かれたヤバいキャラだけでインパクト抜群でそれがメインの話かと思ってたところで急にもう一つの設定が訪れるのがイカすよね。
その設定が別にそんなに本筋に絡んでくるわけでもないという天邪鬼な距離感もこれに関しては好きです。


日本語学校アメリカン」

『零の箱式』にフランス編が収録されていましたがこっちはアメリカ編。
もはや人種差別的とすら言えるようなステロタイプアメリカ観がめちゃくちゃ面白くて、連想ゲームのように意味は分かんないけど流れるような言葉の奔流がアメリカンなノリと勢いでさらに加速されて、なんかもうロックバンドのライブみたいなカタルシスがありました。ヘドバンしたくなるタイプのコント。


「悪魔が来りてなんかいう」

これ、好き。
悪魔が来りてなんか言うところが既に面白いんだけど、その後のエモい展開には不覚にもちょっと青春時代を思い出して泣きそうにもなってしまったし、切なくも爽やかな余韻を残して終わるあたりもめちゃくちゃ青春文学で最高!青春大好きマンとしては本公演の一番の偏愛枠はこれですね。
「椿」というタイトルは『悪魔が来たりて笛を吹く』の登場人物名からの引用だと思いますが、ちょっと細かすぎて伝わらない感じはします......。

山田風太郎『忍法八犬伝』感想

風忍法帖、時々無性に読みたくなりますよね!!


というわけで読んでみました!


南総里見八犬伝』から遥か後の江戸時代、里見家に代々伝わる「忠孝悌仁義礼智信」の珠は、8人の伊賀の女忍者によって「淫戯乱盗狂惑悦弄」にすり替えられた。
甲賀での忍術修行を抜け出して好き勝手に生きていた若き八犬士の末裔8人は、主君のため......ではなく、その奥方の村雨姫のために珠を取り返そうと奮闘するが......。


そもそも滝沢馬琴氏によるフィクションであるところの『南総里見八犬伝』を史実とした上で、実際の史実と混淆する、山田風太郎らしい虚実入り乱れる忍法絵巻......であるらしいです。
残念ながら日本史も知らなければ原典の八犬伝の内容もろくすっぽ知らない私はその辺の妙味は全く味わえませんでしたが、それでもめちゃくちゃ面白かったです!


まず、忍法バトルが実際に始まるまでの前置きがやたらめったら長くって、なんせ里見家での出来事から始まり珠のすり替えや主人公たちの父親たちの奮闘などなど、そこからさらに江戸で各々好き勝手に生きている若き八犬士たちそれぞれのキャラ紹介パートなんかがもう200ページくらい続いて、一向にバトルが始まんないんすよ。
でも、その辺の前置きパートがもうすでにべらぼうに面白いっていうね。
バカ殿のバカっぷりも笑えるし、お堅い老八犬士のカッコ良さと奔放な若き八犬士のカッコ良さのギャップも良いっす。
そして何より村雨姫たそが可愛すぎるんですよね。彼女が少林サッカーみたいにやる気のない仲間たちの元を回って「サッカーしようぜ!」って説得していく流れが楽しい。純情可憐なのに天然で男を破滅させてしまう魔性が堪らんっす......。

そんな感じの長い導入が終わるといよいよ忍法バトルが開幕するわけですが、正直本作は忍法バトル部分だけで見るとそんなに派手さはないですね。
もちろん蝋燭の忍法みたいにやべえ技も出てきてかなり笑えるんですけど、女側がそんなに変な忍法を使わないから出てくる忍法の数自体が少ないし、基本1vs1の戦いなので中盤まではそんなに戦略云々もありません。
しかし、物語が佳境に差し掛かってくると、軍学者の犬村を中心に政治的な面まで含めた戦略バトルに変わっていき、さらには元々強く団結してはいないだけに仲間同士でもそれぞれに思惑があって......という複雑な話になってきて、ミステリ的な面白さも一気に増していきます。
それと同時に、だんだんとオタサーの姫こと村雨姫を中心とするラブコメ要素も色濃くなっていって、ジャンプのバトル漫画かと思ってたらジャンプのお色気漫画になるみたいな感じで大変面白いです。

なんだけど、ラストは切なく美しい余韻が残る......というのは忍法帖のお約束ですが、本作では(ネタバレ→)珍しく生存者が1人いるんだけど、それをこういう切なさで描くというのがやっぱ凄いと思います。

という感じで、バトル部分よりは人間ドラマ要素が強いですが、そっちの面ではめちゃくちゃ面白い傑作でした。