偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

熊谷はるか『JK、インドで常識ぶっ壊される』

タイトル通り、親の転勤のためJK時代をインドで暮らすことになった著者によるエッセイ的な一冊。


2019年、高校入学を目前にした中学3年生のある日、著者はインドに引っ越すことになります。
インドといえば......カレー、カースト、汚い......くらいのイメージしか持っていなかった著者ですが、インドで暮らすうちに"インクレディブル・インディア"なんて言われるインドの凄えところを良い面も悪い面も見せつけられていく......という内容。

著者がインドへ行くことになったけど友達になかなか言い出せず......みたいなところから始まり、あくまでJKである著者の体験した範囲でのインドが描かれていくので読み心地は小説に近かったです。ガチでインドという国について知りたい人には勧めないですが、単純に読み物として面白かったので、私みたいにタイトルで気になったという人は読むと良いと思います。

全体に「JK」感を出そうとして無理くり「タピオカ」とか「クレープ」とか言おうとしてる感じがちょっとわざとらしいけどそれも微笑ましく、しかし子供と大人の間にいる「JK」だからこそ感じたことを、「インドに行ったら人生変わった!」みたいなノリではなく真摯に伝えようとしているのが素敵でした。