偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

加藤元浩『Q.E.D 証明終了』全巻読破計画① 1巻〜10巻

Q.E.D 証明終了』、今までも気になりつつ全50巻+姉妹編シリーズやシーズン2まであって、全部合わせるとあまりの巻数の多さに読むのを尻込みしていました。しかし先日フォロワーさんになぜかいきなり23巻を貸していただき読んでみたらまぁ面白いこと!その勢いでB××K・××Fへ時速120kmで車を走らせ大人買いしました。

この作品、稀に日本三大ミステリ漫画と呼ばれますが、残りの二つ『名探偵コナン』『金田一少年の事件簿』に比べると知名度の差は歴然。ちょうど日本三大名探偵における神津恭介的立ち位置の作品ではあるのですが......。
しかし内容は劣らず、むしろミステリとしては最高では。

この作品の特徴として、単行本各巻にきっかり2話の完結したお話が入っていること、そんな短い話ながら意外性や巧みな伏線など、毎話必ずミステリとしての大きな見所があることが挙げられます。その分、多彩なキャラクターやヤバい組織との対決やお色気やストーリーのおどろおどろしさではコナン&金田一には敵いませんが、ことミステリー面だけ見ればこれだけハイペースでハイクオリティの作品を出し続けている作家が他にいますかっていねーか、はは。
今更私などが言うまでもありませんが傑作ミステリ漫画です。あと、キャラもメインキャラの人数が少ないってだけでみんないい奴ですちゃんと。

というわけで、そんな『Q.E.D 証明終了』をこれから読んで行くわけなので私的読了メモとしてこの日記を残します。


ちなみに、各話タイトル横に★で採点していますが、点数はだいたいこんな感じ。

★1 →→→→→いまいち
★★2 →→→→まあまあ
★★★3 →→→普通に面白い
★★★★4 →→とても面白い
★★★★★5 →めっちゃんこ面白い

では始めます。




1巻


ミネルヴァの梟」★★2

ゲーム会社"アークス"の社長が殺害された。事件の発生した階には犯行当時6人の社員しかいなかったことが監視カメラの映像から明らかになった。果たして犯人は6人のうちの誰なのか?


記念すべき第1話ですが、設定など特に凝った漫画でもないのでキャラ紹介もあんまり手間をかけずさらっと始まります。
キャラ紹介にページ数を取られない割には話はいまいち面白みに欠ける気がします。トリックは使い方は綺麗に決まっているものの、まぁありがちだし、何より魅力的に見えたダイイング・メッセージの真相があれでは......。



「銀の瞳」★★★★★5
人形師の七沢克美が逝去した。彼女は生前自らの人形を展示する「七沢人形館」の設立を計画していた。彼女の人形を狙う悪徳コレクターの阿久津は金の力で人形館を乗っ取ろうと画策するが、その矢先、阿久津はオープン間近の人形館でペースメーカーの異常により事故死した。しかし、事故当時人形館に居合わせた七沢の娘とその恋人、そして商人の3人の証言はそれぞれ全く食い違っていた。嘘をついているのは誰なのか?そしてこれは殺人事件なのか......?


で、第1話がイマイチと思いきや第2話で急に傑作!物凄く綺麗にまとまった端正なミステリですね。
関係者各自の証言が食い違うという「藪の中」的な展開は胸熱ですが、実のところその食い違いの真相自体は分かりやすいです。でも、そこで「へへん見破ったもんね」と得意になっていたら、そこからのサプライズがお見事!やられました。ラストは意外性と情念が共にじんわり沁みてきて強く印象に残ります。




2巻


「六部の宝」★★★3

燈馬たちはMITの考古学の教授から依頼を受け、六部伝説の残る山奥の村の琴平家に古文書の調査をしに行く。しかし、村では同じく古文書を調べていた学生が"六部の宝"である仏像に見立てて殺される。犯人は誰か?そして、六部の宝はどこにあるのか......?


村、六部伝説、財宝、美人当主と、田舎系ミステリに求める外連味に満ちたお話で、それだけでわくわくして楽しく読めました。
内容についてはゴテゴテした舞台設定のわりにはもう1つインパクトが弱い感じはしちゃいました。ただ、さらりと膨大な量の伏線を張って一気に回収する推理パートはなかなか力入ってて「あっ、そうか」といちいち納得させられちゃいましたけどね。



「ロスト・ロワイヤル」★★2

天才技術者が作った世界に6台しかない高級車ブガッティ・ロワイヤル。可奈の後輩の祖父・岩崎氏は、その幻の7台目を見つけたが富沢という男に奪われたという。しかし富沢の所有する建物のいずれにもそれらしいものは見当たらず......。果たして幻の7台目は存在するのか?あるならば富沢はそれをどこに隠したのか......?


とある伏線の隠し方はうまいですけど、正直うまく隠れすぎてて「誰もそこまで見ないよ〜」という気分にも。
また、真相はちょっとしたクイズ程度のトリックが一発だけ。とはいえ2巻は前半の「六部の宝」が長く、この話は短いので、さらっと読める箸休めとしてはなかなか楽しめました。
あと可奈ちゃん物凄くあっけらかんと重めの犯罪を犯してて笑います。




3巻


「ブレイク・スルー」★★★3

クリスマス直前の12月、燈馬たちの高校にMIT時代の友人ロキとエバが訪れる。可奈は彼らから、燈馬が何者かに論文を破棄され大学を去ることになった経緯を知る。当時、犯人はロキだと噂されたが果たしてその真相は......?


燈馬の謎めいた過去に触れるエピソードです。
ミステリーとしてはクイズの出し合いと過去の事件の真相の二本立てですね。
クイズの方はまぁ他愛ないものですけど、数学パズル的な木の問題はなるほどなと感心したし話の種になりそうですね。で、クライマックスやオチにまでこのクイズの出し合いが活かされてきてて、たかがクイズといえどここまで粋に使われちゃ楽しいですよねそりゃ。
で、そんなクイズ三昧で油断していると燈馬の論文事件の真相にも驚かされ、それぞれの思いに切ない気持ちになります。ここの伏線も粋ですね。
ええ、会話といい伏線といいアイデアの使い方といい、何から何まで今までになく粋な一編になっています。



「褪せた星図」★★★3

天文学者の月島福太郎が私財を投じて設立した雪山の上の天文台。月島が失踪して7年が経ち、月島は法的に死亡扱いに。相続の相談のため関係者が天文台に集まるが、望遠鏡を開けるとそこには黒焦げの死体が横たわっていた。さらに、関係者の1人が縊死。二つの事件には関連があるのか......?


この話には◯る巨大望遠鏡が登場します。古今東西、◯る施設には仕掛けがあるのが常で、この望遠鏡にも仕掛けはあります。しかし、この話の眼目はむしろもう1つの地味なトリックが望遠鏡のトリックへ繋がっていく推理の流れだと思います。
そして、その果てにある悲しい真相も印象的です。著者の言葉にある通り、1、2巻よりも人間模様を丁寧に描いてる感じがして好感が持てます......ってゆーかミステリーとしてもアベレージ高くて叙情性まで備えてしまったら最強でわ。




4巻


「1st,April,1999」★★★★4

世界規模の嘘つき大会"エイプリルフールクラブ"で吐くウソのネタに悩む燈馬は、アメリカ時代の友人バウムに出会う。
発展途上国・クラビウス王国で外務次官の職に就くバウムは、世界中の科学者が未だ見つけられていない物質"モノポール"を持って日本企業の資金援助を得ようと画策する。


国際ビジネスのカッチリした話と嘘つき大会というふざけた話がどう繋がっているのかという、何が起きているのか?何が起こるのか?というホワットダニット的な謎が魅力的です。
とある伏線がクリティカルに仕掛けに繋がっているので気付いたら気付いちゃいますが、それにしても話の転がし方の巧さには舌を巻きます。これで気付かなければ満点評価でもよかったくらい。
また、ミステリとしてのネタの量もさることながらスパイアクション的な要素まで盛り込まれていて、エンタメとしての圧がヤバいです。マンガ本一冊の半分という短さでよくここまで......。
これを読んでいよいよこのシリーズにハマることを確信しました。



ヤコブの階段」★★2

東京中の信号が一斉に青になり交通が大混乱する事件が発生。CIAはその原因をMITの人工生命研究室が作った人工生命「クラン」によるものだとし、研究室の主任......エバの身柄を拘束する。エバに助けを求められたロキは燈馬らと共に騒動について調査を始める。


私が文系だからかもしれないし、この作品1999年に書かれているので今読むとコンピュータに関する描写など学校で習う程度の当たり前のものに感じられてしまうという時代的なものもあり、そんなに......という印象です。
それでも最先端のコンピュータと旧約聖書との見事な融合によって現代の聖書という雰囲気を出しちゃってるあたりのストーリーの上手さは凄いです。




5巻

「歪んだ旋律」★★★3

天才チェリストの平井玲二は、楽団への資金援助を打ち切ろうとしたスポンサー企業の社長を殺害。遺体を隠し、遊びに来る約束だった高校生グループを家に上げることでアリバイを成立させる。しかし、後日、事件の日に遊びに来た燈馬というしつこい高校生に事件のことを追及され......。


↑あらすじでここまで書いちゃってる通り倒叙ものです。
犯人が最初からわかっているというシンプルな設定を、シンプルな矛盾とシンプルなトリックで彩ったシンプルなお話。ゆえにインパクトも今ひとつになりそうなところを、犯人の狂ったキャラと末路で、なんだかんだなんとも言えない余韻を残します。やっぱ1話完結の話のストーリーテリングがとても上手いなと思いますね。



「光の残像」★★★3

フリマでライカのカメラを買った燈馬と可奈。カメラには前の持ち主のフィルムが残されていて、2人はそれを返すためカメラの持ち主探しを始める。やがて2人はフィルムに写っていた蔵を見つける。鍵を壊して蔵に入ってみると、壁の中から白骨死体が見つかる。しかも死体は一つしかないはずの蔵の鍵をポケットに入れていて......。


遺体の謎、密室の謎、超能力少女の謎、写真の謎......村の独特の雰囲気の中で大量の謎が提示され、一気に引き込まれます。
それぞれの謎の答えはいずれも小ネタという感じでそこまでインパクトが強くなかったですが、量がすごいからなんだかんだ面白かったです。




6巻

Q.E.D.証明終了(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

「ワタシノキオク」★★2

燈馬の妹・優が日本にやって来た。燈馬と可奈は彼女の観光案内をするが、優が一時単独行動をした際に万引きグループにぶつかられて転倒、気絶し、その時の記憶を失ってしまう。状況から優に着せられた万引きの濡れ衣を晴らすため、燈馬は優がかすかに覚えていた「昼の始まりで夜の終わり」「あとロバがいれば音楽が出来る」という思考の欠片から彼女のアリバイを証明しようとする。


燈馬の妹初登場ということで、兄妹の会話に対して可奈ちゃんと一緒に「うわー燈馬くんの妹だー!」という風に楽しみました。ただ謎解きの方は「◯◯なものなーんだ?」レベルのクイズでありながら答えがやたら知識を問われるもので、教養が普通レベルの読者には少なくとも両方は分からないでしょう。それはそれで解説見るぶんには面白いんですが、やはり自分でも考えれば解ける問題のが好きですね。というわけで兄妹愛の物語として読むのがいいお話でした。



「青の密室」★★★★4

スカイダイビング体験にやって来た可奈と付き添いの燈馬は、世界選手権の日本代表グループによるスカイダイブを見学する。しかし、そのうち1人が空中で失神したかのように着地姿勢を取らないまま降りて来た。彼のパラシュートを外すと、背中にはナイフが刺さっていて......。


これは良いですね。じっくり考えれば分かりそうではありますが、漫画のスピード感もあってじっくり考える間もなく明かされるシンプルなトリックに驚かされました。(ネタバレ→)最初にトリックを使った場面の一部始終全部書いてあったってのが好きです。また燈馬くんによる解決シーンも鮮やかです。


7巻

「Serial John Doe」★★★★4

燈馬たちの同期のMIT卒遺伝子工学博士が極寒の森に置き去りにされ殺された。更に航空工学の分野でトップだった同期も海から腐敗死体で発見される。事件がMIT卒業生を狙った連続殺人ならば、数理分野のトップだった燈馬にも危険が......?


異色作ですね。サイコスリラーの要素が濃いお話で、上記の点数もミステリとしてではなく話の面白さによるものです。
というのも、この話、ミステリとしては見立て+ミッシングリンクという豪華なものにはなっているのですが、作中で可奈ちゃんが「宇宙人の会話だよ」と言っているように高校数学ほぼ毎回赤点ギリギリマンにとっては全て「へぇ、そうなんだ」というレベルの難しさ。それでも解説が分かりやすいのでなんとなーく出てくる数学用語が分かった気になれるのは凄いですが......(こんな数学の先生いたらなぁ......)。ただ、謎解きのカタルシスとなると知らなきゃ驚けないやといったところで。
ただ、サイコスリラーとしてはもう最高ですよね。自分の中にある"美しい規則"に従って動く犯人の異様さがいつになくシリアスな雰囲気を出していますし、なによりラストシーンが眼に焼きつきました。後味悪い系映画っぽさもありつつこのインパクトは漫画ならではですね。素晴らしい。



「憂鬱な午後」★★★3

道端に咲いていた花がアヤメかカキツバタかで言い争いになった燈馬と可奈は(かわいい)、近所の花屋に確認しに行くことに。すると、折しも花屋で店の資金の100万円......のうち5万円だけが紛失する事件が起きていて......。


前の話が強烈だっただけに、町の花屋でたった5万円の盗難という事件の規模の落差に実際以上にしょぼく見えてしまうのは事実......ですが......。さらっと忍ばせた巧妙な伏線によって「なるほど!」と手を打てる、意外な快作でした。(ネタバレ→)人のクセを利用したトリックというのは泡坂妻夫センサーが反応しちゃいますね......なんて言うと大袈裟かもしれませんが。




8巻

Q.E.D.証明終了(8) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(8) (講談社コミックス月刊マガジン)

フォーリング・ダウン」★1

山奥の村へバンジージャンプに来た燈馬たちだったが、先日その渓谷で消防学校の教官が転落死した事故が起こったためにバンジーは休止されていた。


これは酷くないですか......。まずトリックの(ネタバレ→)結局そこまで細工するのが高所恐怖症じゃ無理じゃね?というところはまぁ百歩譲ってなんとかなったとして......。
......燈馬くんのスタンスがメチャクチャでは......。あんな解決をしたらああなることは当然予想されることで、赤の他人の事件に意味もなく首を突っ込んで掻き回す倫理観のない探偵にしか見えず......。しかもその解決の根拠も状況証拠程度にすぎず......。もうちょいその辺なんとかならないものですか......。



「学園祭狂騒曲」★★★3

学園祭前日、お化け屋敷、軽音部、落研、そして可奈の所属する剣道部は孤立した区画で準備に勤しんでいた。ところが夕食休憩として生徒たちが一時区画を離れた間に全グループのブースが荒らされてしまい......。さらに動機の成立するグループ同士ではなぜかアリバイも成立してしまい......。


可奈ちゃんのメイド服姿というマニア垂涎の衝撃的な幕開けですが、内容もなかなか凝ってます。事件の構図自体は分かりやすいですが、こうでこうでこう、と着実に手順を踏んだ上でそれを見せられてはやはり感心してしまいます。こういう細かい伏線の張り方にセンスを感じます。ます。
さらに今回なんか燈馬くんと可奈ちゃんの関係性がいい感じで、にやにやしつつ青春しやがって爆発しやがれという理不尽な怒りも湧きました。
尚、こんだけ人が死んでる漫画なんだから軽音部のクソ野郎を真っ先に殺してほしかったですね。それが今回に限って人が死なないミステリ......。




9巻

ゲームの規則」★★★3

燈馬たちはひょんなことから世界でもトップクラスの大富豪であるソロモン氏のゲームに参加することになる。敗者には「沈黙の掟」が課されるというこのゲームに燈馬は勝てるのか......?


ほとんどゲームの内容だけの話ですが、これがなかなかややこしくてパズルとして面白いです。こういうの自分で考えるのは苦手だけど解説読むのは楽しいんですよね〜。そして、そのパズルの裏にもうひとつ仕掛けてくるのも良いですね。



「凍てつく鉄槌」★★★★★5

30年間開かれたことのない勝鬨橋の中から死体が発見された。しかし、死体は橋が閉じた後に隠されたことが判明。見物に来た燈馬たちの前に、事件は自分の仕業だと豪語する謎の老人が現れる......。


これは凄い!
「閉じられた橋の中に死体を隠す」というかなり大規模な不可能犯罪なので、まずはそのトリックに感心しました。シンプルにして盲点、そして大胆。
しかし凄いのはこの大トリックがミステリとしての主眼ではないところ。こんな良いトリック惜しげもなく使った上に更に事件の裏の人間模様で重く遣る瀬無い気分にさせられ、そこからの意外な動機で再び驚かせてくれます。
トリックと動機のそれぞれ片方だけでもこの短さの漫画にするにはもったいないのに、こともあろうに両方ぶち込むという蛮行に及んでいやがります。そんなもん傑作と呼ぶしかないでしょう。
余談ですが、大トリックといい社会派なテーマ性といい勝鬨橋といい、島田荘司感があると思います。




10巻

Q.E.D.証明終了(10) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(10) (講談社コミックス月刊マガジン)

「魔女の手の中に」★★★★4

5年前、燈馬がMITに入学したばかりの頃。
大富豪のオズボーン氏が殺害される事件が起こる。事件当時、邸宅には妻のセアラしかおらず、彼女は宗教団体に入って多額の寄進をしていることが分かった。新人検事のアニーは、セアラの犯行と確信して彼女を殺人罪に問う。
一方、研究に行き詰まった友達を助けたいと考える燈馬はアニーに出会い......。


シリーズ中唯一の1冊丸ごと1エピソードの長編作品です。
内容は、燈馬の過去編としてシリーズにおいて重要な一編で、"魔女裁判"をモチーフにした法廷ミステリでもあります。
まずアニーのパートは、キャピキャピした美人検事アニーvs冴えない顔して実はやり手の弁護士の裁判パートが面白いです。丁々発止とまでは言いませんが、互いに相手の矛盾を突こうと様々な視点を持ち出してくるのは楽しいですね。
一方、燈馬パートでは10歳の燈馬が後に本作の探偵役を務めるに至るきっかけが描かれていて、シリーズとしての重要度も高い青春ストーリーになってます。
そしてその両者が出会う時、ミステリとしての見事な反転と物語としての怒涛のクライマックスが訪れます。(ネタバレ→)結局最初から怪しかった奥さんが真犯人でありながら、事件への見方を一点変えるだけで今までの伏線が別の意味に転換されてしっかり驚けるので凄いです。
ラストも意味深な感じで良いですね......。これって、(ネタバレ→)絵葉書の送り主はセアラということでいいんですよね?このエピソードは今後出てくるんでしょうか......?単体で読むとちょっともやもやが残りつつも、今後に繋がるのならば非常に楽しみです。









というわけで1〜10巻の感想メモでした。合わせて19話分読んだことになりますが、いまいちな話はほとんどなくどの話も何か一つ、ものによっては二つ三つ四つと唸らされる部分があり、このまま一気に読んでしまいたい気持ちともったいないから少しずつ読みたい気持ちが半々であります。というわけで、まぁ一日1話か2話ずつ読んでこうと思います。次がいつになるか分かりませんがまた11巻〜20巻の感想でお会いしましょう。それでは、Quot......あれ、Quod??Era......、、、あっあっわかんな、、、きゅーいーでぃー!