偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! File-2 震える幽霊

工藤D、市川AD、カメラマン田代の『コワすぎ!』制作チームの元に送られてきたのは、廃墟に肝試しに入った4人の若者が撮った"震える幽霊"の映像だった。後日、若者たちのうち1人の女性が行方不明になり......。戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-02 震える幽霊大迫…

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! File-1 口裂け女捕獲作戦(2012)

視聴者からの投稿映像を調査・検証する『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』というDVDシリーズを作る映像制作会社。 ディレクターの工藤とアシスタントの市川、カメラマンの田代は、投稿映像を元に口裂け女の捕獲を企てるが......。戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-0…

川澄浩平『探偵は友人ではない』感想

前作『探偵は教室にいない』が良かったのですぐさま本屋さんへ走って続編である本書を買っちゃいました。探偵は友人ではない (創元推理文庫)作者:川澄 浩平東京創元社Amazonシリーズ第2弾ということで、今回は真史のファン(?)の後輩女子・彩香ちゃんという…

川澄浩平『探偵は教室にいない』感想

第28回鮎川哲也賞受賞の連作短編集。探偵は教室にいない 真史と歩シリーズ (創元推理文庫)作者:川澄 浩平東京創元社Amazon ある日、中学2年生の少女・海砂真史の机に入っていた差出人不明のラブレター。校内の友達には相談しづらいその「謎」を、幼稚園の頃…

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956)

第二次大戦中、ドイツ軍の刑務所に囚われたフランス人のフォンテーヌ中尉は隣人や囚人仲間の助けを得て脱獄を企てるが......。抵抗 ロベール・ブレッソン 2Kレストア版 Blu-rayフランソワ・ルテリエAmazon ロベール・ブレッソン監督によるシリアスな脱獄映画…

ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦(2003)

トリアーが尊敬する映画監督ヨルゲン・レスに、レス自身の短編「完全な人間」をリメイクさせる。ただし、リメイクは5本撮らなければならず、毎回違った厳しい条件が課される......。 タイトルからトリアーさんが挑戦するのかと思ってたら、挑戦させる側だっ…

ミツバチのささやき(1973)

1940年、スペインの小さな村に『フランケンシュタイン』の上映がやってくる。映画を観に行った少女アナは、姉のイザベルから「怪物はこの村の外れに隠れている」と教えられるが......。ミツバチのささやき (字幕版)アナ・トレントAmazon スペインの独裁政…

ブロークバック・マウンテン(2005)

1963年、ブロークバック・マウンテンで羊の管理の仕事に就いたカウボーイのイニスとジャック。2人きりの山中で一線を越えた彼ら。山での仕事が終わり、それぞれが女性と結婚してからも年に数度の逢瀬を繰り返していたが......。ブロークバック・マウンテン (…

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997)

脳腫瘍のマーチンと末期癌のルディ。余命短い2人は、海を見に行くために病院の駐車場で車を盗み脱走する。しかし、車はギャングのもので......。ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア [Blu-ray]ティル・シュヴァイガーAmazon なんじゃろうなぁ......これは100%俺…

ダークナイト(2008)

『ブロークバックマウンテン』を観たのでこちらを数年ぶりに見返しましたがやっぱ面白かった! 犯罪都市ゴッサムシティで犯罪者と戦う"ダークナイト"ことバットマンの前に、最狂の敵ジョーカーが現れる!銀行強盗グループに紛れ込み、仲間を皆殺しにして逃げ…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007)

20世紀初頭のカリフォルニア。とある青年から故郷の村に油田が眠っているという情報を得たダニエルは、幼い息子のH・Wを連れてそこで石油を掘り当てる。莫大な金を手に入れたダニエルだったが、村の牧師の青年と対立するようになり、さらに採掘場で大事故が…

哭声/コクソン(2016)

とある田舎の村で、村人たちが自分の家族を皆殺しにする事件が多発。下手人は皆、話が通じなくなり身体中に謎の発疹が出る。警官のジョングは、この謎めいた事件に、山奥に住む不気味な日本人が関わっていると踏んで捜査を進めるが......。哭声/コクソン(…

インサイド・ヘッド(2015)

少女ライリーの頭の中の司令部に住む5つの感情、ヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、イカリ、ビビリ。 11歳になったライリーは故郷のミネソタからサンフランシスコに引っ越すことになるが、慣れない場所で不安定になったライリーの頭の中で、ヨロコビとカナシミ…

雨を告げる漂流団地(2022)

同級生の航祐と夏芽はきょうだいのように育ったが、航祐の祖父が亡くなったのをきっかけにギクシャクした関係になってしまう。 そんな夏のある日、航祐はかつて夏芽と共に暮らしていたが取り壊しの決まった「おばけ団地」に友人たちと忍び込む。そこで夏芽と…

レベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』感想

様々な分野で多数の著書を持つ著者による、「マンスプレイニング」という言葉が生まれるきっかけにもなった性差別・性暴力に関するエッセイ。説教したがる男たち作者:レベッカ・ソルニット,ハーン小路恭子左右社*Amazonかつて好きだったミュージシャンのこと…

高橋源一郎『お釈迦さま以外はみんなバカ』感想

高橋源一郎による本の紹介コラムを一冊にまとめた本。お釈迦さま以外はみんなバカ (インターナショナル新書)作者:高橋 源一郎集英社インターナショナルAmazon基本的に紹介する本の内容の引用が多いので高橋源一郎節は控えめなんですが、とにかく紹介されてい…

押井守『誰も語らなかったジブリを語ろう』感想

押井守監督によるタイトル通りジブリを語る1冊。誰も語らなかったジブリを語ろう 増補版作者:押井 守東京ニュース通信社Amazon厳密にはジブリ以前の『風の谷のナウシカ』から『思い出のマーニー』までの映画21作品を監督別(宮崎駿、高畑勲、第3の監督たち)に…

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』感想

僕らはゆっくりと忘れていく とても小さく 少しずつ崩れる塔を眺めるように (ヨルシカ『アルジャーノン』より) アルジャーノンに花束を〔新版〕作者:ダニエル キイス早川書房Amazon 32歳だが幼児並みの知能しか持たないチャーリーは、通っている障害者センタ…

グリム童話集『ブレーメンの音楽師』

精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世に無いぜ 明日は何しようか 暇なら笑い合おうぜ (ヨルシカ『ブレーメン』より) 今さらながらヨルシカの新作『幻燈』からヨルシカにハマってしまいました。 このアルバムではほぼ全曲が有名な文学作品をモチーフに…

三津田信三『そこに無い家に呼ばれる』感想

『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて住む』に続く幽霊屋敷シリーズ第3作。そこに無い家に呼ばれる (中公文庫)作者:三津田信三中央公論新社Amazonお馴染みの三間坂さんが今回持ち込むのは、幽霊屋敷は幽霊屋敷でも幽霊の住む屋敷ではなく「…

松田青子『おばちゃんたちのいるところ』感想

本棚探偵さんに勧められて読みました。 落語や歌舞伎や怪談をモチーフにしつつ、現代の感覚にアップデートした17編の掌編集。おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are (中公文庫)作者:松田青子中央公論新社Amazon 昔のお話で、女がやたらと酷…

九段理江『schoolgirl』感想

芥川賞候補になった表題作に、文學界新人賞を受賞したデビュー作を加えた2編の中編集。Schoolgirl (文春e-book)作者:九段 理江文藝春秋Amazon読み終わって慌てて著者のWikipediaを調べたらまだこの一冊しか出ていなくて悲しくなったくらい面白かったです! …

ずっと真夜中でいいのに。『沈香学』(2023)

フォロワーのバブルさんが推していたのに加えて、後述しますがとある曲をたまたまふと耳にして「ずとまよこんな感じなんか、ええやん」と思ったことがきっかけで昨年末くらいからじわじわとハマっていったずっと真夜中でいいのに。。本作はそんなずとまよが2…

ファンタスティック・プラネット(1973)

青い肌に赤い目の巨人ドラーグ族が支配するとある惑星。人間は彼らに虫のように扱われていた。ドラーグ族の知事の娘ディバは、人間の赤子をテールと名付けて飼うことにするが、テールはドラーグ族の知識を身につけていき......。ファンタスティック・プラネ…

ファウスト(1994)

ヤン・シュヴァンクマイエル監督による実写+クレイアニメ。 秘密の地図みたいなのを貰った中年男が近所の半分廃墟みたいな建物に入っていってそこで戯曲の主人公・ファウストにされてしまい奇妙な世界に迷い込んでいく......みたいなお話。ヤン・シュヴァン…

ロバート・キャンベル『井上陽水英訳詞集』感想

日本文学者のロバート・キャンベルさんによる井上陽水の歌詞50曲の英訳書。井上陽水英訳詞集作者:ロバート キャンベル講談社Amazon英訳、とは言っても、実際の英訳が載ってるページ数は本書の最後の4分の1程度で、英訳の前には著者がどうして陽水の歌詞を英…

鈴木悦夫『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』感想

1989年に刊行された伝説のジュブナイルミステリの復刊......らしいのですが、全然知らなくてフォロワーのカワカミさんのブログで見たのと、同じくフォロワーの松井さんが解説を書いていらっしゃったので興味を持って読んでみました。幸せな家族-そしてその頃…

小川哲『君のクイズ』感想

あらすじを見て「なんじゃそりゃめちゃくちゃ面白そうやんけ!!」とびっくりして気になってた本です。 君のクイズ作者:小川 哲朝日新聞出版Amazon 生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』の決勝戦。クイズプレイヤーの三島と超人的な記憶力を誇るタレント・本…

夕木春央『十戒』感想

非常に話題になった前作『方舟』に連なる、聖書関連の二字熟語タイトルシリーズ第2弾。十戒作者:夕木春央講談社Amazon 亡くなった叔父が遺した枝内島をリゾート化する計画の下見として、父や不動産会社、建築業者などの関係者たちと共に島を訪れることになっ…

バーナデット ママは行方不明(2019)

かつて天才建築家として将来を嘱望されていたバーナデットだったが、ある事情で仕事を辞めて主婦になった。夫のエルジーは大手のIT企業に勤め、娘のビーとは友達のような関係を築いている彼女だったが、生来の人嫌いや南極への家族旅行の予定がストレスで鬱…