偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

西澤保彦『夏の夜会』読書感想文

最近西澤保彦にハマってます。 今年は私の中で西澤保彦読むYearなのです。 今回はノンシリーズ長編のこの作品。飲みながらディスカッションするといういつもの西澤ミステリに、人間の心の暗部を描いたいつもの西澤小説が合わさったファン垂涎のいつもの西澤…

トリプルヘッド・ジョーズ

まーたクソくだらねえサメ映画観なきゃいけないのかやれやれまったくカンベンしてほし......あれ、面白い......?トリプルヘッド・ジョーズ [DVD]アーティスト: カルーシェ・トラン出版社/メーカー: アルバトロス発売日: 2015/12/02メディア: DVDこの商品を…

楠田匡介『いつ殺される』読書感想文

河出文庫から最近出てるノスタルジック怪奇探偵幻想シリーズより。 河出さんはここんとこ泡坂妻夫や日影丈吉、それからこのノスタルジックシリーズといった国内ミステリの復刊に力を入れているようで非常に嬉しいところです。 今作は、知る人ぞ知るミステリ…

藤野恵美『わたしの恋人』『ぼくの嘘』読書感想文

『ハルさん』のプチブームでミステリ界隈にも名前の届いてきた作家さんですが、今回紹介する2冊はミステリではなく青春恋愛小説です。 私も『ハルさん』を読んでその面白さについついこの2冊を手に取りましたが、これがまた面白く、すっかりファンになってし…

連城三紀彦『小さな異邦人』800字レビュー

小さな異邦人 (文春文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/08/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る2013年に逝去した著者が遺した短編をまとめた遺作集のような短編集。 しかし、「遺された短編をただ纏めただけならそ…

朱川湊人『都市伝説セピア』800字レビュー

都市伝説セピア (文春文庫)作者: 朱川湊人出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 43回この商品を含むブログ (58件) を見る オール讀物推理小説新人賞を受賞した「フクロウ男」や、フジテレビ「世にも奇妙な物語」で…

飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』800字レビュー

HPを消しちゃったんで昔の感想とかこっちに移して行こうと思います。とりあえず2、3年前に某所に書いた800字レビューシリーズを......。実際は1000文字くらいあるけど......。 堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 飛鳥部勝則,PARADISE D出版社/…

夏目漱石『こころ』読書感想文

昨年は中学時代に読んだ太宰の『人間失格』を再読して「こんなに面白かったのか」と蒙が啓かれたので、続いて同じく中学時代に読んだこの作品を再読してみました。大正3年に書かれた小説で、作中の時代も明治から大正に移る頃です。平成も終わる今からしたら…

駕籠真太郎『ブレインダメージ』漫画感想文

ヴィレバンをふらふらしてたら見つけたやつです。駕籠真太郎の見たことない漫画があったらとりあえず買っちゃいますよねシリーズ。 ブレインダメージ (ガムコミックス)作者: 駕籠真太郎出版社/メーカー: ワニブックス発売日: 2017/11/25メディア: コミックこ…

シャークネード(1〜5)見たとき書いた感想まとめ

シャークネードというクソ映画シリーズを全作見たんですが、せっかくあそこまで時間を無駄にしたので感想をブログのネタにするくらいのことはしたいと思いつつ、でもブログ用に書くのも新たな時間の無駄なので見た時にFilmarksに載せた感想をそのままコピペ…

西澤保彦『いつか、ふたりは二匹』読書感想文

講談社ミステリーランドから刊行されたジュブナイル・ミステリです。 ジュブナイルと言っても、猫や犬が出てくるところや真相が分かりやすいところ以外は至って普通に普段の西澤作品でした。 いつか、ふたりは二匹 (講談社文庫)作者: 西澤保彦出版社/メーカ…

トラフィック

名古屋人です。 名古屋は車の国だの名古屋走りだのとよく言われ、実際名古屋を走っていると結構酷い運転をよく見かけるので名古屋はすごい街なんだと思っていました。この映画を見たらそれは勘違いだっと気づきました。フランスすげえ。スケールが違うよ....…

シェイプ・オブ・ウォーター

公開中のデルトロ最新作。正直デルトロ作品でそこまで好きなものがないので迷いましたが、やたら評判がいいので気になり、ジャスコの映画館のレイトショーで観に行きました。映画が終わる時間にはジャスコ本体は閉まっていて辺りは真っ暗。世界にこの映画館…

望月拓海『毎年、記憶を失う彼女の救い方』読書感想文

例によって読書会のために読みました。といっても、読書会がなくても読んでいたでしょう。なんせ、メフィスト賞にして記憶障害系ラブストーリーと聞けば、この私が読まないなんてことは許されませんもんね。 毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)…