偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ミスティック・フォレスト 〜"アレ"と"ソレ"がいる森〜(2019)

クリーチャーをフィーチャー!!!

というわけで、大須シネマさんの「サメとカニとアレと」で観てきました。

↑下のポスター、詐欺にもほどがあるやろ。



「監督脚本ジョン・ミリオーレ」で覚悟は決めていたつもりでしたが、甘かった。正真正銘のダメ映画でした......。

森の中にレザーフェイス・ファミリーを雑にオマージュした感じの人喰い一家が住んでるんですけど、それとは別に森には悪霊みたいなのがいて、主人公的なおっさん(演・監督)がそれに取り憑かれて(?)ガラモンとモリゾーを足したみたいな怪物になってしまうというお話。
どうせロクな脚本も書けないくせに、人喰いファミリーとそれに捕らわれる一般人たちとガラゾーの三つ巴の構図にしてるせいでマジで何やりたいのか分からんくなってる。登場人物全員何がしたいのか全く分からない(のになぜかちょいちょい新キャラが出てくる)の苦痛すぎるよ......。
アレとソレのどっちを描きたいのよ、どっちが怖いのよ、てかどっちも怖くねえよ!
ガラゾーはまぁモリゾーみたいなもんなので可愛いマスコットキャラにしか見えへんし、人喰いファミリーもなんか愉快で可愛げのある奴らで別に怖くないんだよな(その点、可愛いのに怖い元祖のレザーフェイスはガチで凄え)。
パチモンのレザーフェイスくんが「があがあ」しか言わないのにちゃっかりエッチな動画見てるのは笑ったし、パチーフェイスくん完全にただの反抗期の中学生なんだよなぁ。その相棒のネプチューンっていうかっこいい名前のハゲはパチフェのことバカにしつつ自分もバカという良い味出してくるキャラで良かった。

終盤なんか人喰いファミリーが「人殺せないからガラゾーに殺してもらおう」とか言い出して「いやもうお前ら人も殺せねえなら人喰い族失格だよシャバに戻れシャバに!」と突っ込まざるを得ないし、ガラゾーをIQを持ってれば誰でも破れるようなザルすぎるビリビリフェンスに閉じ込めるとことかもアホくさすぎる。てか武器がビリビリ棒なのがヤバい。チェーンソーくらい常備しとけや!!!てか檻を閉じるのに結束バンド使うなやチェーンやろそこはっっ!!!
......と、突っ込みが追いつかないというか、突っ込むこと自体の意味を見失ってしまった。
この際「若くて可愛い」なんて贅沢は言わないからせめて若い女の子でも出てればまだ良かったものを、そういうわけでもない平均年齢の高さで、マジでいい歳したおっさんおばさんがこんなもん作ってて恥ずかしくないんか!って思う(でもそんなアンタたちが好きだぜ俺は)。

しかしなんかもう、導入部のためだけに殺されたモテなそうな男2人組の恋愛模様とかを80分観せてくれた方がまだマシだったんじゃねえかと思う。
逆説的な言い方になりますが、こんなクソ映画に1400円も払わされて大須シネマの野郎金返せ!と思える体験ができたので金額分の価値はありました。ありがとう大須シネマ!