偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ハリー・ポッター全部観るぜの巻! 前編

タイトルの通りてす。
ハリポタシリーズ、3までは子供の頃にリアタイで映画館で観たし、大学四年生の時にも後輩の家で全部見たんですけど、前半がめちゃ好きなのに対して後半がほとんど覚えてないんですよね。
そんなある日、彼女がハリポタを1作も見ていないことが判明し、私ってば激おこ😡😡💢
ウチら世代のオタクでハリポタ観てないなんてあり得なくな〜〜い❓❓❓
ちゅーわけで、一緒に全作観ることにしたのでした。
今回は前編として、4作目の『炎のゴブレット』までを取り上げます。

改めて観ていって思ったんですが、ハリポタってミステリだったんすね。
少なくとも4作目までは毎回何かしらの意外な真相があり、魔法が使える世界ながら、設定がちゃんと説明されていたり伏線がしっかり張られていたりします。後出しの部分もあるにはあるんですが、それでも何かしらのヒントは必ず提示されていて、ミステリとしてのフェアネスにかなりこだわられているように思います。
J・K・ローリングってハリポタ関連以外の作品がかなり少なそうなのですが、がっつりミステリ書いたら面白いんちゃうかなと思います。

そんな感じで以下各作品の感想(Filmarksの転載ですが)。




1.賢者の石


5、6年ぶり、4、5回目。彼女がハリポタシリーズ観たことないって言うんでブチ切れて椅子に縛り付けてルドヴィコ療法みたいにして無理やり見せました。

やっぱり何度観ても楽しいっすね。
なんせ、これ小学1年生の頃とかに私が初めて映画館で見た映画でして、もはや一つの映画というよりは思い出です。

1作目ということもありキャラや世界観の紹介の回という感じで、一つのエピソードとしてはやや弱い気がしますが、でもめちゃくちゃ面白いです。
何回も見てるから知ってるものの、初めて見た時は出てくるもの全てが物珍しく、最高にワクワクしました。なんせ当時はまだスマホどころかケータイも持ってないような時代でしたからね。写真が動くやつも凄いと思ってた。今よりも魔法に感動できたものです。全ての場面に何かしら目新しいものが出てきて、9と1/4番線とか、ほとんど首無しとか、杖とか、鏡とか、それらがもうそれだけでめちゃくちゃ面白い!

そして今回は彼女と一緒に応援上映みたいな感じで見たので、「フォイフォイ!」とか「ハーマイオニー可愛い!」とか「ハグリッドが一番可愛い!」とか「スネイプクソ!」とか「スネイプ先生!」とかぶつぶつ言いながら観たのでテンションも上がって楽しかったです。
もう何回も見てるくせに、最後の意外な真相をすっかり忘れてて「え、そうだったの!?」と驚かされました。

親がなく親戚の家でいじめられながら過ごす少年がいきなり魔法界の生きる伝説として持て囃され......っていう古典的な筋立てなのも良いっすね。おとぎ話の世界。

これ、1時間半くらいのつもりでいたんだけど、2時間半もあるんですよね。面白すぎて体感時間半分くらいなんすよ。

1は設定障害の面が強くて単体のエピソードとしてはやや薄いですが、次作以降はストーリーも濃くなることでしょう。続きも楽しみです!(全部見たことあるけど)




2.秘密の部屋


1年目が終わって再びウザい親戚の家に返されたハリーちゃんですが、またホグワーツへの招待が!
お約束のハリーいびりに、毎回のお楽しみの闇の魔術に対する防衛術の先生(前作は影薄かったけど今回はキャラ濃い!)など、シリーズ恒例のお楽しみもばっちり出来上がってます。

そして今回は「秘密の部屋はどこにあるのか?」「誰がそれを開いたのか?」という明確な筋があり、ミステリとしても楽しめるお話になっています。
秘密の部屋の在り方という宝探し的な謎解きもさることながら、ミッシングリンクものとしての推理が面白かったです。『アズカバン』もそうですが、伏線の張り方が上手いっすよね。出てきた時には伏線と思わないけど印象的だから推理シーンで「ああ、そういえば!」ってなるやつ。
あと地味に暗号ミステリでお馴染みのアレとかも出てきてミステリファンとしては大興奮。

そして、シリーズとしての核心にも少しずつ迫っていく感じ。ハリーがグリフィンドールに入りたがるのは自らの中に潜むものへの抵抗なのか......?
そしてヒロインも登場!大人同士の政治的駆け引きもこの辺までは全然面白いっす(シリーズ終盤ではそこがややこしくなりすぎて面白みが薄れていくのが残念ですが)。
また優生思想への抵抗という社会的なテーマも潜んでいたり、盛りだくさんすぎる!
もちろん細かい変なモノも色々出てきて楽しい!(マンドラゴラ、ポリジュース、ナメクジ食らえ!など)。ドビーは悪い子!ドビーは悪い子!

「校則は破るためにある」派の校長先生、話が分かりすぎる!ダンブルドア万歳!

クライマックスのバトルシーンの舞台が前作と似ててやや二番煎じ感があったりもするけど、ダークファンタジーにアドベンチャーにミステリ要素まであり、前作で世界観が固まったからこそより濃度が増してる感じでめちゃくちゃ面白かったです!
そして次作は1番好きなアズカバン!楽しみよね!




3.アズカバンの囚人


やっぱアズカバンが最高だよね!
前作もミステリっぽさがありましたが、今回はよりミステリ感を増し、色んな点での伏線回収がバキバキで、とある時点から今までの物語に張り巡らされていた伏線を一気に巻き取りにかかるところはテンション上がらざるを得ません。
またテンション上がるといえば、今作は大人キャラたちの格好良さも異様。シリーズ全体を通して好きなキャラベスト3であるルーピン先生、シリウス、スネイプが揃い踏みするあたりもバチクソ上がります!!!
ルーピン先生はもう初登場シーンからかっこよすぎて無理。しゅき......///ってなっちゃいます。真似っこ妖怪のくだりは後の展開を知ってるから既に鳥肌が立ち泣きそうになったし、先生として有能すぎる!!前作でロックハートの無様な姿を観たから余計にかもしれませんが、良い先生すぎる。まさに恩師。
そしてシリウスもかっこいいしスネイプ先生もいいところ見せすぎでヤバい。こんなカッコいい大人たちに取り合いされてるハリーが羨ましい。
あとダンブルドアの全てを見通してる感じヤバい。この物語より一つ上の次元に立ってる感じ。強い。

本作から物語は一気に佳境に入りシリアスな展開になっていきますが、それはそれとして本作はコントっぽさも全体にあって面白かったです。ハリーが毎度毎度意識を失っちゃう繰り返しギャグとか、エクスペリアームスの応酬とか、志村後ろ後ろみたいなシーンの多用とか。
また螺旋階段とカラスの群れがぱっぱっと連続で出てくるヒッチコックオマージュから森のシーンのジブリ感まで、こういう大作ファンタジーシリーズに現実世界の他の映画のネタが入ってくる違和感も好きです。

あとは一作目から3年くらい経ってキャストの成長っぷりもめきめきと現れてきてます。ハーマイオニーの美しさはだんだん完成されていってるし、マルフォイがイケメンになりすぎてて役柄の小物感と顔が合わなくなってきてる感が。
ハリーも大人びてきてる中、ロンだけはあんま変わんないのも可愛いっすね。
あとハリーが両手広げて飛ぶシーン、数年後にハーマイオニーことエマ・ワトソンが『ウォールフラワー』でヒーローズ聴きながら両手を広げるところとオーバーラップしてエモくなりました。
あとロンとハーマイオニーが急接近してなんだよこいつら!ってなるし、ハリーが邪魔でしかない。お前空気読めねえなさっさと消えろよと何回思ったことか!てか気安くハーマイオニーに触るな。ハーマイオニー最高。

あとディメンター怖すぎる。さすがに大人になったので全然怖くなかったけど、子供の頃映画館でリアタイで見た時はかなりビビりました。でも家帰ってきて吸魂ごっこめっちゃしてました。パトロー茄子。

そんな感じで、やや要素が詰め込まれすぎな気はするものの、恐怖との対峙という明確なテーマを持ち、伏線回収も見事に決まっているので全てが綺麗に収まったような気がしてしまうシリーズ最高傑作。クライマックスがやや大人しめなのが物足りないといえなくもないけど最高なんですよアズカバン。ハーマイオニー最高。
というか3が1番面白い映画シリーズというのも珍しいのでは。

これ以降は右肩下がりという印象が強いですが、あんま覚えてないので続きも楽しみに見たいと思います。今見れば面白いかも??




4.炎のゴブレット


他の国の魔法学校との対抗試合を描いたシリーズ第四弾。

シリーズ前半は一作ごとにそれぞれ事件が起きてハリーたち少年探偵団がそれを解決していくオーソドックスなミステリの構成で、後半はだんだん史上最強のヴォルデモート軍団vs不死鳥の騎士団の政治的抗争を描く大人のお話になつていきますが、本作がその分水嶺......というより汽水域のような作品だと思います。

本作では3校対抗試合という一本の筋が通りつつ、そこに不穏な事件と何者かの陰謀が見え隠れする構成になっています。
対抗試合の方はカイジとかイカゲームみたいなノリで、それぞれの課題をどうクリアするかという連作短編集みたいな味わいになっております。
ただ、この対抗試合のパートは正直微妙で、なんつーか、わりと体力と運の勝負みたいな感じで知力も魔法力もそんなに関係ない......って感じなんすよね。

ただ、その辺の微妙さに油断していると思わぬところから意外な真相が立ち現れてびっくりします。
まぁ伏線は非常に単純なのですが、示し方と繋ぎ方が上手いので、分かってても感心させられます。

また、この辺から色恋絡みの描写も濃くなってきます。アズカバンから予兆があったロンとハーマイオニーのむずキュンラブコメハーマイオニーの美しさと色気が前面に押し出されるのも今作くらい。
主人公とその親友のくせにやたらと非モテムーブをぶちかますポッターとロンに共感しちゃいます!しかしポッターはあれだけのアドバンテージがありながら相手がいないのは雑魚すぎませんか。

と、そんな学園ラブコメ感を出しつつ、ラストははっきりとシリーズの転換点になるくらい重要な出来事も起こり、緩急のある展開になってもいて、改めて見るとめちゃくちゃ面白かったです。

あ、あとシリーズ中でもわりと推してるマッドアイの初登場回なのも個人的にはアツかったです。マッドアイくそかっけえすよね!





というわけで前編はここまで。
あと、ネタバレになるので書けなかったことを各作品以下に書いていきます。
以下ネタバレ注意👇





















































賢者の石

本作も実はミステリっぽい要素あったんですね。
スネイプが怪しいと見せかけて防衛術の先生だった、というネタは、知らずに見ても見え見えなものではありますが、クィディッチの試合中にハリーが呪いをかけられてた件が別の意味を持ってくるあたりとか、伏線の張り方や見せ方の上手さは既にありますよね。
あの防衛術の先生の影が薄すぎて、何回見ても「え、こいつ犯人なの!?」と思ってしまいます(見え見えとか言ってたくせに)。





秘密の部屋

ミステリとしてのネタの盛り込み具合で見るならこれが1番かも。
秘密の部屋がどこにあるのか......というのも、観客にフェアな謎解きとは言えないもののミステリーっぽい要素ではあります。
しかしそれより何より本作はミッシングリンクものなんですね。
石にされた生徒(と猫)たちの共通点とは何か?というのの伏線がサラッと提示されているのが見事。そして、分かってみると真相に辿り着きながらも犯人の魔手にかかってしまった早すぎた名探偵ハーマイオニーと、彼女の意志を継ぐ名探偵ハリー、という構図はミステリファン的にエモい!あとハリーがメガネかけたガキだから完全に江戸川コナンだった。
そして、トムリドル=ヴォルデモートという意外な一人二役も、日本人にはピンと来ないもののアナグラムというヒントがしっかりあってフェアプレイに徹しようとしているのが好感持てます。





アズカバンの囚人

序盤からハーマイオニーが分身してるみたいに色んな授業に現れたり、どこかから急に石が飛んできたりと、「知らないうちに何かが進行しているらしい」という感覚にさせられるホワットダニット趣向。
その真相としてタイムリープSFを持ち出すのが(ファンタジーのつもりで見ていたので微妙に異ジャンルなのもあり)意外。カメラを止めるなみたいな伏線回収の仕方もテンション上がります。ピポグリフ処刑阻止のシーンでダンブルドアの本名が長すぎて助かるのは笑いました。ダンブルの全てを見通して惚けてる感じかっこいい。
見終わってみればあからさまですが、ルーピン先生の前に現れるモノマネ妖怪が満月の姿をしているのも、不穏で不思議で好きです。
ハーマイオニーがオオカミの鳴き真似をするシーンは、双子が作った鳴き声キャンディみたいなやつを使ったのかと思いましたが、普通に人力でしたを
そして、シリウスという家族間出来たことで強力になるパトロー茄子がエモい。








炎のゴブレット

本作は、ミステリとしては「ポリジュース薬」という既出のアイテムを使った特殊設定ミステリのフーダニットになっているところが面白かったです。
マッドアイの初登場のシーンで、「あれ何飲んでるんだろう?」「かぼちゃジュースではないと思うよ」という小ボケを挟むことで、観客に「いや、酒やろ」と思わせて自らミスリードにハマらせるのが上手すぎます。
またマートルやスネイプがポリジュース薬に言及する場面も、それぞれ金の卵やエラ昆布が本題としてあるのでポリジュース薬がそこまで目立たないのも上手い。
また、後出しではありますが、偽マッドアイの動機がハリーを殺すことではなく「ハリーを勝たせること」なので、どう見ても見方にしか見えず意外な犯人になっているのも巧妙だと思います。