はい、ちょっと遅くなりましたが3月のふぇいばりっと。3月はこれ以外にキアロスタミのジグザグ道3部作も良かったのでそれはまた別でまとめて置いときます。とりあえずそれ以外で良かったのがこちら。
夜の大捜査線
ヤコペッティの大残酷
タワーリング・インフェルノ
夜の大捜査線
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2011/06/22
- メディア: DVD
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南部の田舎町で有力者が殺害される事件が起きる。町の巡査は駅にいた見慣れぬ黒人の男を捕らえるが、彼はフィラデルフィア市警に勤めるティッブス刑事だった。
町の警察署長は差別意識から屈辱を覚えつつもこの黒人刑事に捜査協力を頼み......。
『手錠のままの脱獄』に出てたシドニー・ポワチエが主演。とにかくカッコイイです。
黒人への差別が根強く残る時代・土地で主人公のティッブスも差別......というよりはもう暴言暴行にさらされます。しかし、どんな目にあってもキレたりせずにあくまで冷静で理知的な姿勢を貫くティッブスがかっこよすぎました。警察署の奴らにすらいろいろめちゃくちゃなことを言われますが、それらをばっさり切って捨てる「No!(断る)」という言葉の頼もしさよ!
そんな賢くてブレないティッブスの態度に、差別主義者である警察署長もほんのすこ〜しずつ彼を認めざるを得なくなっていくという2人の交流もアツいっすわ。
また、そうした社会派的な要素は抜きにしても、サスペンスとしての展開自体がめっちゃうまいです。
なんてことない事件に町の有力者の思惑が絡み、怪しい人物やひっかかる出来事が次々と出てきてそれぞれに動き出しつつ、最後にはそれらが一つの真相に収束していく綺麗なプロット!序盤の一見無駄に見えたシーンも伏線だったりするから堪らんですよね!
そして、ラストシーンは、事件の余韻とティッブスと署長の心の交流の余韻とが残りつつもさらっと潔く終わって爽快な気分にさせてくれます。
まさに最初から最後までチョコたっぷりな名作ですわな。
ヤコペッティの大残酷
- 出版社/メーカー: スティングレイ
- 発売日: 2014/04/25
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城に住むカンディードは、姫君と恋に落ちるが、そのことが国王にバレて死刑台に送られたと思いきや戦争どんぱち性欲マシマシクソビッチ甲冑大輪姦スペシャルなどなど時空を超えた大冒険の始まりだ!Yeeeeeah!人生!!
わけわかんない映画でした。
わけわかんない、んだけど、めちゃくちゃわかりみの深い映画でもあります。
ただ、わけわかんないから感想が書きにくい映画でもあります。
とりあえず、時空を超えてます。いろんな場所でエログロが繰り広げられます。甲冑中出し大乱行が脳裏に焼き付いて離れないです。めちゃくちゃです。でも、ここにはたしかに恋と人生の全てが詰まっています。恋は苦しく、美しい。そして人生は......。ラストシーン、泣かずにはいられません。なんでこんなわけわかんない映画に泣かされてるのかと忸怩たる思いを抱きながら泣きましょう。これが人生だ!
タワーリング・インフェルノ
- 発売日: 2015/03/15
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サンフランシスコに新築された138階建ての世界最大のビル。しかし、最上階で落成を祝う式典が行われる中、81階で火災が起き、やがて他の階にも燃え広がっていく。建築家のダグや消防署長のオハラハンらは人々を避難させるため奮闘するが......。
いわゆるパニック映画ブームの頃の作品らしいです。パニック映画ってちょっとおちゃらけたやつとガチなやつとありますけどこれはガチガチのガチ。ビル火災という実際に起こり得る悲劇に直面した人々をリアルに描いた群像劇です。
150分ほどと長めの映画ではあるのですが、この"群像劇"という部分のおかげで常に緊張感を持って見られました。
なんせ火災が起きているビルの中では、人々を避難させようと奮闘する主人公をはじめ、避難する人々にもそれぞれ事情があり、またはこういう映画にいがちな自己チュークソ野郎も出てきたりとあっちこっちでドラマが繰り広げられます。
さらに並行して消防側の救助作戦も、不謹慎な言い方にはなりますがスパイ映画のミッションみたいなアクションとしてのアツさもあり、手に汗握る臨場感と緊迫感!
で、それを演じるキャストもオールスターって感じで、ポール・ニューマンにスティーブ・マックイーン、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、さらにはわりと晩年に近いフレッド・アステアまで、観たことなくても名前は知ってる人ばかり!(というか実は個人的にはあんまり観たことない人ばかりでもありますが、ともあれ大スターたちですよ......)。
そんなスターたちだからこそ、それぞれのドラマにすんなりと感情移入しちゃってところどころで鳥肌が立ったり泣けてきたりする場面もあり......うん、もう、なんていうか感情を揺さぶる要素がてんこ盛りなんですよね。
特に、フレッド・アステアは主人公ではないけど一番愛着のわくキャラクターでした。カッコ良い。アステアのダンスのシーンが一瞬だけあるのも胸熱。
そして手を尽くした末、最後の大胆にして無謀な作戦に賭ける彼らの希望と諦念の入り混じった覚悟のようなものが印象的。私だったらあの状況絶対耐えられないわ......。うん、すごかった。