偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

レディバード(2017)

片田舎の町に住む高校3年生のクリスティンこと自称"レディバード"が都会の大学に進学する夢を抱きながら家族や親友や恋人と関わっていく様を描く青春ドラマ。


バービー観たんで同じくグレタ・ガーウィグ監督作品の本作も観てみましたが最高だったわ。

バービーがハチャメチャだったんでビビってたけど本作は地に足のついた青春映画。
主人公が、「レディバード」を自称するどちらかといえば陰キャ寄りのGirl。
彼女を通して、思春期特有の親とのぶつかり合いや陰キャ同士の友情と陽キャへの憧れ、恋とセックス、進路......つまりは高校生活の総てが描かれていきます。
わりと静かで淡々としつつ、下ネタやイタさも全開。嗚呼、この自分のことコードネーム(?)で呼ぶようなところが青春だ!という感じでムズムズしながらも懐かしさに微笑ましくなってしまいました。
そして恋愛要素よりも、後半の親友とのあれこれや、母親との愛情ゆえの軋轢などの女同士の関係性に重きが置かれていて、男子の青春時代とはまた違った味わいがあるのも良い。

なにより主演のレディバードことシアーシャ・ローナンが絶妙に自意識を拗らせた少女を演じていて、美しくも危なっかしくてヒヤヒヤさせられました。まぁ、どう考えてもシャラメはあかんやろ。
ドレスを着るシーンが何回かあるんだけど、そこが毎度美しすぎて鼻血出ました。

特に強烈にインパクト強くて印象に残る場面とかがない代わりに、親友と学校の床に寝そべってスナック菓子食ったりするような何気ない場面が不思議と印象に残る映画で、そういうところが心地よくて好きです。
バービーも面白かったけど、まぁ普通にこっちのが好きだわ。