偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

新・13日の金曜日(1985)


前作での出来事で精神を病んだトミーは、田舎の森の中にある治療施設に入る。ジェイソンの幻覚を見て怯えるトミーだったが、やがて施設や近隣で凄惨な殺人事件が起こるようになり......。



The Final Chapterと銘打った前作から1年でA New Beginningの本作が出ちゃうのに脱力しつつも、これまでにないミステリータッチの異色作になっていてなかなか楽しめました。

冒頭でジェイソンが復活する悪夢を見るトミー。この場面がめちゃ怖くて良かったです。

そして本編では治療施設を舞台に精神を病んだ若者たちの殺戮が繰り広げられていくのですが、最初の殺人は施設の入居者同士によるものだったり、その後もジェイソンの姿がなかなか映らないままに事件が起きていき、それとは別にトミーの幻覚のジェイソンも出てきたりして、一体ジェイソンは本当にいるのかどうなのか......みたいな話になっているのが常に白昼夢のような感覚にさせられて面白いです。

そんな捻くれた構成のわりに最終的に明かされる真相はまぁ、フツーなんですけど、クライマックスではしっかりジェイソンさんも大暴れしつつビジュアル的になかなかインパクトのあるラストを迎えるのが最高。ちょうどいいところにあんなもんがあるからB級ホラーって楽しいよね!
そして、観終わってみればジェイソンという概念が拡張されたような作品でもあり、確かにニュービギニングの名に恥じないな、と何故か納得させられてしまいました。
次作以降でもジェイソンは生きていたりNYに行ったりと大活躍してくれそうなので頑張って見ていこうと思います......。