偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

春のプレイリストを作りましたよ。

先日趣味で春のプレイリストを作りましたので紹介します。

↑私はApple MusicだけどSpotifyユーザーのが多そうなのでSpotifyでも作ったよ!みんな聴いてね!




さて、春という季節には新しいことが始まるワクワクと別れや散っていく花の儚さのふたつの側面がありますが、私は陰気な人間なのでどうしても春にはメランコリーを強く感じてしまいます。冬の絶望をまだちょっと引きずった感じというか(冬が一番嫌!)。
なのでこのプレイリストもわりとメランコリックな曲が多くなりましたが、終盤では芽吹きも感じさせるような曲順にしてみました。


1.春が嫌い/リーガルリリ


シンプルに大好きなリーガルリリーちゃんの新曲だから1曲目、というかまぁ、この曲が出たから春のプレイリストを作ろうと思ったわけですね。
あと、春のプレイリストの1曲目に春が嫌いというタイトルの曲を入れるようなちまちましたロック魂がある。
あと、プレイリストの最初の曲が歌始まりってのも掴みになるかな、と。

疾走感の中に切実さと切なさを詰め込んだシンプルな曲はリーガルらしさ満点で、卒業して離れ離れになる友達(または先輩後輩とか?)へのエールのような歌詞も押し付けがましくない応援ソングという感じで好きです。早くライブで聴きてえ!

2.桜の木の下には/おいしくるメロンパン

私と同い年なので贔屓にしてる、四季を歌い続けるバンドおいしくるメロンパンから、初期のこの曲を。
前の曲と全く同じこと書きますけど、疾走感の中に切実さと切なさを詰め込んだシンプルな曲。ベースが好きっすね。
歌詞は坂口安吾をモチーフにどこか幻想小説のような美しさでもういないあなたへのお別れを綴ったもので、

あなたが今年も春を染めていく

という最後のフレーズが好きすぎる。

3.桜色の暗転幕/空想委員会

ダメ押しのようにもう1曲、疾走感と切なさのギターロック!個人的にアルバムって3曲目まででワンブロックだと思ってるので、最初の3曲はあえて似たテイストの曲にしてみました。
空想委員会も高校生の頃にめちゃくちゃ聴いてて、なんつーか、こんなに(いい意味で)子供っぽいラブソングが世の中にあるのかって感動しまして。それまでラブソングってのは恋愛したことある前提の大人な感情を歌ったものしか聴いたことなかったので、恋愛下手による恥ずかしい片想いを切実に歌ってくれるこのバンドのことはすぐに大好きになりました。
とはいえ最近は聴いてなくて、ボーカルの三浦委員長が亡くなったことも後から知りました。今更ですがご冥福をお祈りします、そして青春をありがとうございました。

んで、この曲はもうイントロのギターのフレーズから大好きなやつでしかなく、間奏のギターソロもメロディアスで最高。このバンドの中でも特に王道のギターロックって感じで大好きな曲っす。
歌詞にはマフラーというワードも出てきて代表曲「マフラー少女」のその後を描いたようなシンプルな卒業とかお別れの歌です。ぜひ「マフラー少女」も聴いてみてください。

4.夜桜/SEKAI NO OWARI

疾走感のある3曲でちょっと疲れたところにしっとりとしたアコギの音色が美しい、ちょっとダークで幻想的なバラード。
シンプルでありつつウッドベースやハープが使われていてサビは特にドラマチック。
個人的にこの頃までセカオワそんなに好きじゃなかったけど、このアルバムでこういう曲もやるようになったんだと驚かされてから一気にハマりましたね。

貴方に出逢うまでは
もう少し強かった

という歌詞が好き。

5.春/DOES

たぶん世間一般では良くて銀魂バンドのイメージしかないであろうDOESですが、銀魂の曲はDOESの中では張り切ってる方で、普段はこういうアンニュイさが魅力のバンドなんです!ということを伝えたい。
なんせ声がめちゃくちゃ良いよね。この声でこの気怠げな歌い方されたら男でも惚れる。
せやねん、これは銀魂でお馴染みの3曲より少し後に出たアルバムの収録曲なので、歌の表現力もよりパワーアップしてて、アンニュイさの中から滲み出るエモーションがグッと来るんやで。DOES、もっと評価されてほしい......。

6.桜通り/メレ

元リーガルリリーのベースのはるぺんさんが今やってるバンドというよしみで聴いてみたんですがめっちゃ良い。特にこの曲が大好きなんです。
めっちゃリバーブ(?)のかかったほわんほわんした音空間で心臓を掴まれるようなグッとくるメロディと声に聴いてるとなんだか苦しくなってくる。強烈メランコリー。

春が好きだとあなたは言った
私はそうでもないと思った
優しくない人には優しくできない
それがわがままだと言うのなら
私はあなたと散歩はできない

優しいあなたへの憧れと仄かに厭う感じの断絶を描いた歌詞がまためちゃくちゃ良いんですよね......。このひねくれ方なんかめっちゃわかる......。

7.エイプリル/フジファブリック

志村くんの曲の中でもかなり内省の強い4月の歌。
イントロの切ないキーボードの音色と、ぼそぼそと心情を吐露するように歌うヴァースの志村くんの声だけでもう泣きそうになる。
そんでもサビに向けてめっちゃポップでもある、キャッチーさと内省のバランスがさすがで、抑揚のないサビのメロディの中で「泣きそうになってしまったよ〜」のとこだけぐいっと無理に上がる感じとかも切なすぎる。あとCメロで胸が締め付けられすぎて息が出来なくなる。

神様は親切だから僕らを出会わせて
神様は意地悪だから僕らの道を別々の方へ

振り返らずに歩いていった
その時僕は泣きそうになってしまったよ
それぞれ違う方に向かった
振り返らずに歩いていった

良い歌詞書くよなこの人、ほんとに......。

8.I'd Rather Dance With You/キングス・オブ・コンビニエンス

英語だから春の歌かどうかは知らないけど私の中では春に聴きたい曲。←いや英語くらい聞き取れよ......。なんつーか、午後の優しい明るさと気怠さを感じて、夏よりは柔らかい感じもあるので、春の歌だと勝手に思ってます。
キングスオブコンビニエンスはアコギで歌うフォークデュオなんですが、この曲は彼らの楽曲の中でもダンスミュージックに接近した曲で、静かなのに踊れる不思議な歌です。
ちなみにこれがこのバンドの片割れであるアーランド・オイエが後に結成するダンスロックバンドThe Whitest Boy Aliveに繋がるのかと思うと胸熱です。

9.スプリング・ストレンジャー/APOGEE

品がよくオシャレでありつつ親しみやすさと歌謡曲的な懐かしさも持ち合わせたダンスロックバンドAPOGEE。あと、ボーカルの永野さんのハイトーンボイスがちょっとスピッツにも通じるところがあってそれで好きなのもあります。
この曲が入った『夢幻タワー』というアルバムはAPOGEEの作品中でも子守唄のような穏やかな優しさがありつつその裏にどことなく狂気のようなものも感じさせる大好きなアルバムなのでぜひ聴いてみてほしいです。
この曲もまさにそんな、優しさと春の狂気や切なさとが同居した曲で、夜桜でも眺めながら聴きたいっすね。

そんで、本当はこの曲の後に米津玄師の春雷を入れてたんだけど、先日Twitterで話題になった礼賛アフパ騒動でめちゃくちゃイラついて正直しばらくヨネゲンの顔も見たくないし声も聴きたくないので削除しました。入ってた方が繋ぎはシームレスになるので入れたい人は追加しといてください。

10.花一匁/ずっと真夜中でいいのに。

てわけでいきなりテンションぶち上がっちゃいますがずとまよです。
夜っぽいスプリングストレンジャー(と春雷)からの深夜テンション!みたいな感じで、この曲がこのペレイリストのクライマックスとなります。

曲自体に関しては以前アルバム感想に書いたので割愛しますが、ルパン三世のテーマみたいなイントロからしてぶち上がって踊らされちゃう最強の一曲。
タイトルに花って付くから春の歌扱いにしちゃったけど合ってるかどうかは知らん。

11.Valdivia/アーランド・オイエ

深夜テンションの後は、目覚ましのアラームにもオススメの春の休日の目覚めを感じさせるインスト曲のこちら。
まぁ、プレイリストのクライマックスが終わって一旦幕間みたいな感じっすね。

12.ブレーメン/ヨルシカ

最終ブロック1曲目は去年めちゃくちゃハマったヨルシカからこの曲。
ここまでは春の切なさを前面に押し出した選曲でしたが、こっからは「ちょっとは春の暖かさも感じたいな......」という流れです。
リラックスしながら踊るようなリズムと、どこかちょっと投げやりな感じがかえって気楽に聴かせてくれる歌い方、そして死ぬほど思い詰めるくらいならのんびり生きようぜ、みたいな優しいメッセージの込められた歌詞が春に聴きたくなる1曲です。

13.抱擁/カネコアヤノ

私がカネコアヤノで初めて聴いた曲(というか初めて聴いたアルバムの1曲目)で、その時からずっと1番好きな曲でもある。
ドラムのフィルから入って暖かみのあるギターが鳴り響くイントロからしてほっとします。そんなサウンドと、力強くも優しい歌声はまさに抱擁。春の午後の日なたの窓みたいな曲だと感じます。
2021年、コロナ禍が一年以上続いていることの不安の中でリリースされたこともあって、この優しい音には随分救われたものです。
アルバム1曲目のイメージが強かったですが、こうして終盤に置いても良い味出してくれますね。

14.There She Goes/ラーズ

前の曲のイントロがこの曲のオマージュなのと、全体の雰囲気がどことなくスピッツっぽい(逆だけど)ので遊びでここに入れてみました。
美しいアルペジオギターのイントロがとにかく印象的で一回聴いたらもうこのフレーズが頭から離れない。ベースとドラムが入ってくるとその神々しいような美しさが少し和らいで晴れた春の日のような優しい暖かさも出てきて心地良すぎてずっと聴いていたくなります。ずっと聴いていたい曲なのに短いところも好き。
この曲は特別な友人に「スピッツっぽいから聴いて」と教えてもらった曲なので私の中でも特別な逆になっているんですが、それは抜きにしてもスピッツファンにはガチでオススメ。


15.ヘビーメロウ/スピッツ

というわけで、まぁスピッツ信者なので最後はスピッツで〆たくなってしまうんですよね。
そして、悪いスピッツ信者なので「スピッツの春の曲」を選ぶ時に絶っっっ対に「春の歌」や「チェリー」みたいなベタな選曲はしねえぞ、というひねくれ根性がある。
その中で、歌詞に春と入る曲もいろいろあるけどあえてそれは探さず、純粋に曲の雰囲気だけでこの曲を選んでみました。って言ってもよく考えたら歌い出しから「花は咲いたぜ」なので歌詞もめっちゃ春ですけどね......。

曲についてしっかり語り始めると長くなっちゃうのでそれはスピッツ全曲感想シリーズに取っておいて(てかそっちも進めなきゃ......)、今回は簡単に。
まぁ、名は体を表す曲っすよね。サウンドはヘビーながらも雰囲気はメロウという、対照的な二つの要素が共存するスピッツらしい1曲。歌詞にも「なんちゃってファンキーなリズム」とありますが、その通りのグルーヴ感ありつつオシャレすぎないベースとドラムが最高。そして歌えるギターソロも良いよね。
そしてメロディも歌詞も明るいようで陰のあるところもスピッツらしさ全開。
この曲はめざましテレビのタイアップだったと思うんだけど、このギリギリ朝の情報番組でもいけそうなくらいの仄かな暗さが堪らんよね。

この曲は歌終わりですが、最初の曲が歌始まりなのでループで聴いても良い曲順になっていて素晴らしいですね。

という感じで、自分で作ったプレイリストを自分で褒める記事でした〜。ぜひ聴いてね〜。
もうすぐ春ですね。みなさんも春のプレイリストを作ってみては?最高の春にしようぜ!