偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

樋口修吉『ラスト・ラブレター 最後の恋文』感想

トクマの特選から、『ジェームス山の李蘭』に次ぐ2作目の樋口修吉作品。 ラスト・ラブレター 最後の恋文 (徳間文庫)作者:樋口修吉徳間書店Amazon 過去の経験から女性と関係を持つのに消極的になっている家具職人の清雄と、彼のパトロン的な家具店主の阿見子…

スピッツ『空の飛び方』今更感想

スピッツ全曲感想シリーズ、今回はこちら。空の飛び方アーティスト:スピッツユニバーサルAmazon おそらく葛藤の最中にあって軽快な曲でさえも全体に何か暗さや苦しさのようなものを感じさせた前作『Crispy!』から一皮剥けて、軽やかだけど変な安っぽさはない…

永井玲衣『水中の哲学者たち』感想

1991年生まれの若き哲学研究者による、ゆるくも美しい哲学エッセイ。水中の哲学者たち作者:永井玲衣晶文社Amazon 著者の永井玲衣さんは哲学研究者にして、哲学対話のファシリテーターってのをやってる人です。 哲学対話というのは、学校など多人数のグループ…

荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』感想

フォロワーが読んでて気になったので読んでみました。まとまらない言葉を生きる作者:荒井 裕樹柏書房Amazon 障害者文化論を研究する文学者の著者。 速くて分かりやすい言葉が溢れる現代社会において「言葉が壊れてきている」と著者は言います。そして、1話ご…

笹沢左保『暗い傾斜』感想

トクマの特選笹沢左保100連発。有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)作者:笹沢左保徳間書店Amazon 経営危機を迎えた製作所の若き女社長・汐見ユカに2つの殺人事件の容疑がかけられた。 しかし、一つは四国高知、もう一つは東京で…

高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』感想

芥川賞受賞作で、ミーハーな私は気になってはいたんですが、フォロワーに本屋で無理やり買わされて珍しく単行本ですぐに読むことにしました。おいしいごはんが食べられますように作者:高瀬隼子講談社Amazon 職場でそこそこうまくやっている二谷と、 皆が守り…

辻村深月『傲慢と善良』感想

雪下まゆさんの表紙のインパクトで思わずジャケ買いしてしまっただけでそこまで期待してたわけでもないのですが、結果的には今年読んだ中でもトップクラスに良かったでした。 傲慢と善良 (朝日文庫)作者:辻村 深月朝日新聞出版Amazon 東京生まれで恋愛経験が…

歌野晶午『首切り島の一夜』感想

歌野晶午10年ぶりの書き下ろし長編。 といっても書き下ろしじゃないものはコンスタントに出てるので待望ってほどではないですが、しかしこの珍しく新本格ミステリど真ん中みたいなタイトルはさすがに気になって単行本で買ってしまいました。首切り島の一夜作…

貝を喰う会。

ラーメン「肉そば けんたろう」(仮) 店名忘れたので仮で書いとくけど美味かった。シャーチューが美味い。 カフェドリオンブルーのなんとかパフェ。りんごとキャラメルのお菓子の名前だったと思うけど忘れた。 転がってた猫 那古野の街。 店名忘れたどころか…

鵜林伸也『秘境駅のクローズドサークル』

『ネクスト・ギグ』で単行本デビューした著者の、アンソロジー所収のデビュー短編を含む第一短編集。秘境駅のクローズド・サークル (ミステリ・フロンティア)作者:鵜林 伸也東京創元社Amazon『ネクスト・ギグ』は人間ドラマの比重がかなり濃いめの本格ミステ…