偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

indigo la End『Crying End Roll』の感想だよ

夏が終わりかけている今日この頃、いかがお過ごしですか?私は特に夏らしいこともせず無為な毎日を過ごしています。

 

さて、今回は夏の始めに買ってまだしょっちゅう聴いているこのCDを紹介します。

 

 

 

 

2017年7月12日発売、indigo la Endの4枚目のフルアルバムです。

 

色々と騒動を起こして活動休止も挟みつつ、前作『藍色ミュージック』から1年ちょいというハイペースでのリリースなのはさすがですね。しかもその間ゲスのアルバムもDADARAYの曲作りもボカロユニットの活動もしてるから驚異の速筆ぶりです。
そんでもって、今作『Crying End Roll』も一曲一曲がハイクオリティだから凄いです。生き急ぎすぎてて心配になるほど。

 

......いや、正直なところ発売前は「2曲Remixで2曲が幕間みたいな感じなんでしょ?手抜きやん?」とか思ってましたけどね。ごめんなさい!
Remixや、幕間にあたる「End Roll I・II」含めてハズレ曲なし......どころか全曲大当たりの名盤でした。

 

普段知ってるアルバムを聴く時ってどうしても好きな曲ばっか聴いてそうでもないものは飛ばしちゃうんですけど、このアルバムはこの先も折に触れて全曲通して聴くだろうなと、それくらいアルバムとしての流れも込みで気に入ってしまいましたし、捨て曲がないです。

 

製作時には特にコンセプトなども定めず、出来た曲を録り溜めていたのをまとめたアルバムらしいです。そのため、様々な曲調の曲が点在するような贅沢なアルバムになってます。また、一貫したコンセプトがないからこそ、一周聴き終えても腹八分目くらいでもう一周聴きたくなっちゃうような飽きない美味しさにもなっているように思います。
一方で、曲順は凝ったものになっているような気がします。アルバム全体が「End Roll I・II」という幕間の2曲を挟んで3つのパートに分かれていて、それぞれ

 

第1部→別れの予感を湛えた恋愛ソング
第2部→『藍色ミュージック』からの流れの命の歌
第3部→第1部の続編のような、別れの後の恋愛ソング

 

という感じでざっくり曲の雰囲気が近いもの同士纏まっているので、強いコンセプトはなくてもアルバム通して聴きたくなっちゃうようになってます。また、後半にいくにつれて曲がマニアックになってる気もしますね。

 

持ち前のキャッチーさと、聴けば聴くほどスルメのように味の出る渋さの両方を備えた、何度でも聴ける名盤だと思います。

 

それでは以下簡単に各曲の感想を。

 

 

 


1.想いきり

 

indigo la End「想いきり」 - YouTube

 

CDを再生すると、お馴染みの美しいコーラスと焦燥感のある早めの演奏が流れてきて、一気にindigoの世界に引き込まれます。
1曲目らしくキャッチーな歌謡ギターロックですが、『藍色ミュージック』以降のシリアスさや演奏のオシャレ感もあって、「ああ、indigoの新譜を聴いてるんだな」という感慨が湧いてきます。つかみはおっけー。


演奏は全体にかなりシンプルですが、間奏からCメロで急に激しくなり、一瞬のブレイクの後で大サビに入るところが好き。めっちゃ気持ちいいです。

 

音やメロディと同じく歌詞もキャッチーめです。とは言っても川谷絵音の書く歌詞って結構説明が少なくて全部理解できたことがないんですよね。でも、だからこそ気になるし、気に入ったフレーズを作者の意図はガン無視で自分の心境にバシッと当てはめて聴いても切なくなれるので好きです。

 

嫌な部分の方がさ 口をついてたくさん出る でもそれだけ愛したい部分が増えるよ

 

好きな部分は少し 他は嫌いな方がさ 君のこと想いきれる気がした

 

本当は嫌な部分も含めて好きだったけど、嫌なところを考えることで想いきろうとしてるっていう失恋ソングですかね。ど初っ端からまぁ切ないですね。

 

ちなみにサビ前のベース、技法の名前は知りませんけどスピッツがよく使うやつですよね。この音好きです。

 

 

 

2.見せかけのラブソング

 

indigo la End「見せかけのラブソング」 - YouTube

 

気怠げだけどリズムは踊れる感じの、たらたらと体を揺らしながら聴いちゃう感じの、ふにゃっとした心地よさのある曲です。
歌詞もアンニュイで皮肉めいた感じ。というか、タイトルからして皮肉ですよね。女性目線で口先の言葉だけの男に愛想尽かしかけてるような歌で、もしかして主人公は「想いきり」で「私で何人目なの」と言った彼女かもしれません。
川谷絵音の歌い方として、サビでファルセットを多用するっていうイメージは一般にも強いと思いますが、この曲は珍しくAメロからファルセット全開で、細く高く歌っているのでそれもまた気怠げ。「さらば鳥達よ 鳴き声は止んだ」の後の「いえー」とか気持ち良すぎますよね。

 

 


3.猫にも愛を

 

今までありそうでなかったバラード曲です。バラードといってもミスチルみたいな壮大なやつではなく、小市民的な、日曜日の昼過ぎにアパートの部屋でごろごろしながら聴きたいような感じの歌です。
最近は車を運転しながら音楽を聴くことが多いのですが、これを聴くとつい心地よくてうとうとしてしまうのでいつも飛ばしてます←。でも、聴いた回数は少なくてもお気に入りの曲です。

というのも、この曲実は私の敬愛するスピッツの「猫になりたい」という曲のオマージュ(たぶん。違ったらごめんけど、この歌詞でスピッツを念頭に置いてないはずないよね......)なのです。
スピッツの「猫になりたい」のサビの歌詞が

 

猫になりたい 言葉ははかない

 

というものですが、「猫にも愛を」は、言葉をはかなんで猫になってしまった男の物語......という読み方の出来る、二次創作......じゃなくてなんて言うの?続編的?パスティーシュ?とにかくそういう歌です。

 

僕は猫 気持ちを言葉にできないから愛される 僕の特権さ

 

というサビですが、この後さらにこう続きます。

 

でも今日は伝えたくて 鳴いてみたけどニャーって響いただけだった

 

一見可愛らしい歌詞ですが、文字通りの猫の気持ちの歌ではなく、自分を猫に喩えた歌だと読みます。
すると、本心を言葉にしないことで愛されたけれど、そのせいで本当に伝えたいことも上手く言えないようになってしまった僕の姿が見えてきます。
その1回目のサビに続く歌詞が、

 

君と同じだったら 僕なんか愛されなかった
性格本当は悪いんだ でもそんなとこも知ってほしかったな、なんて

 

自分の言葉を持っている君への憧れと、本心を隠して、性格が悪いのも隠して、人に嫌われないように当たり障りなく生きている自分への冗談めかした自虐。「知ってほしかった」と過去形になっていることから、君との関係が終わっている、もしくは終わりを予感しているような感じもして切ないですね。

 

寓話的で物語性がありながら、歌詞の余白に色々な解釈が入る余地のある歌で、私の読み方もその一つに過ぎませんが、猫を被って借りてきた猫のように生きている私にはこのように聞こえて、音は心地よいけどちょっと鋭いものを突きつけられている気分にもなる曲です。

この歌の主人公、「見せかけのラブソング」で見せかけのI love youしか言えなかった彼と重なるところもある気がします。

 

ちなみに、最後のサビで、「気持ちを言葉にできないから許される ぁ、僕の特権さ」と、「ぁ、」で一拍置くところが気持ち良いです。

 

 

 

4.End Roll I

幕間のインスト
音楽的な教養が全くないため、技法的にどういうことをやっているのか全く分かりませんが、綺麗なピアノの旋律が段々とヘンテコに展開していくのが面白い曲です。

ストーリー性のある「猫にも愛を」の余韻を殺さないまま、アルバムのリード曲「鐘鳴く命」へと聴いてる私の気分を切り替えてくれます。

 

 


5.鐘泣く命

 

indigo la End「鐘泣く命」 - YouTube

 

ドラマ版「ぼくは麻理のなか」の主題歌になった、言ってみればこのアルバムのリード曲に位置付けられそうな曲です。
最近のindigoはベースの音がメインでギターは以前より一歩引いたところから絶妙に効いてくる感じがしますが、この曲はギターのフレーズがどかんと前面に打ち出されたイントロです。

完全に余談ですが、indigoのイントロのギターだと初期の「楽園」「X Day」が好きなんです!って言いたかっただけですすみません。

 

歌詞は、比較的分かりやすい恋愛ソングが続いた第1部とは打って変わり難解に。......というか、正直なんのことやらよく分かっていません。人の解釈を読むと引きずられちゃうのであまり読みたくないんですけど、この曲はもう分からなすぎて「鐘泣く命 歌詞 解釈」とかいって探してみたものの、誰も書いてないんですね。みんな分かんないのかなやっぱ。とはいえそもそも歌詞なんて受け手が勝手に楽しめばいいので「分かる/分からない」というの自体ナンセンスかもしんないですね。
分からなければ分からないなりに

 

蒼き花束を抱えた 君が夢を泳いだ
抱きしめようとした瞬間 溺れてしまった

 

とか綺麗な光景ですよね。謎だからこそ、不思議な言葉の並びに聴いてて心がざわつくような歌だと思います。

 

 


6.知らない血

 

轟音、と呼んでもよさそうなヘビーなサウンドで幕を開く曲で、どちらかと言えばアンニュイでそれこそ藍色っぽい印象の曲が多いこのアルバムの中で異彩を放っています。


たた歌詞はこれも難解ですね......。音楽的なことが分からないくせに歌詞まで投げてちゃしょうがないですけど、難しいです。
最初の

 

重い半生を繋いだ高名な血筋 それがないなら 軽くなくても世は軽んじる

 

までは、文字通り血筋の話かと思い、頭の中のマルフォイが「汚れた血め!」と騒ぎ出しました。でもその後はさーっぱり。何百年何千年とか幾度回転してもとかで、輪廻や世代の話かな......とも思いつつ、うん、分かりませんねぇ。でもなんとなく曲調と言葉遣いと歌い方でシリアス感は伝わってきます。こんな雑な感想でいいのか......。

 

 

 

7.ココロネ(Remix by Qrion)

 

ひとつ前のアルバム『藍色ミュージック』に収録された曲のリミックスです。
原曲はベースがぶいぶいしてて、ダフト・パンクの最新アルバムみたいな雰囲気のあるダンスミュージックでしたが(そういえばダフト・パンクって今何してるのかしら)、このリミックスはもっとこう、エレクトロ感?っていうの??......ジャンルとか分からないけど、無機質だけど繊細な美しさがあって、原曲と甲乙つけがたいですね。リミックスしてるQrionさん、私と同い年の1994生まれでこれはすごいです。

 

せっかくなので歌詞についても触れると、私はこの歌詞は子供を作ることについてだと思ってます。もちろん下ネタ的なエロい歌じゃなくてもっと真摯な。歌詞の中に一人称が出てこないのも、そうした重いテーマの普遍性を表現するためかな、とか。

とはいえこれも全部のフレーズに説明がつくほどには分かってませんが←、断片的に読むとそうも読めると言う感じで......。

 

詩のついたメロディー 与えあっても
死のついたメロディー 奏できるまで

多分途切れない悲しい連鎖が産声を上げたあの子を巻く

 

詩のついたメロディーは言葉、死のついたメロディーはいつか死ぬ人生と捉えました。言葉を与え合う=人と関わっても、人生を奏できる=死ぬまで、悲しいことが途切れることはない。そして、そんな宿命は生まれたばかりの子にも既に巻きついて離さない。

 

いつの間にかあの子たちも はしゃぐ雫が涙になってく

 

無邪気にはしゃいでた子供達もいつか人生が悲しみの連鎖だと気付く、ということですかね。そして、

 

誰しも感じるはずなのに何故か 終わらないんだね

 

そう、誰でもそのことに気づいているはずなのに、命は続いていくんです。思ったことありませんか?「誰が産んでくれって頼んだよ!」反抗期拗らせてますね。でも実際、頼んだわけでもないのに我々はこうしてこのつらい世界に生まれてきました。なんでなんでしょう?
この曲は最後こんな詞で終わります。

 

そして抱きしめ合えたら 救われる 先に意味を持たせなくても
安らぐ心があるだけで 他に何もいらないはずさ
ほら、雫が降ってきた

 

そういうことなのよね。

 

 

 

8.End Roll II

 

そして、幕間その2。こちらもIと似たような音ではありますが、完全なインスト曲だったIとは違い、ポエトリーディングのように呟かれる詞が付いています。
曲の最後で、

 

エンドロールが聴こえる 戻らなきゃ あの日に戻らなきゃ 君の元に

 

と言って「プレイバック」に続くのが粋ですね。

 

 

 

9.プレイバック

 

indigo la End「プレイバック」 - YouTube

 

「あの日に戻らなきゃ」から続いて流れ出すコーラスと焦燥感のある演奏は、1曲目「想いきり」にプレイバックしたかのよう。もちろん全然違う曲なんですけど、イントロにちょっと既聴感があることでこの曲の歌詞にある「繰り返す」というフレーズが暗示されているようにも思います。

演奏の展開が多い曲で、なおかつその展開が歌詞に描かれる気持ちの揺れを表しているような曲です。


このアルバム全曲好きで、どれが一番とかは選べないですけど、キャッチーさもあって一番よく聴くのはこの曲です。

 

まず、開口一言目の歌詞が

 

歩いては 歩道橋で折り返す 切なさを纏っては立ち止まって

 

indigoの曲でよくある手法ですが、最初の方で具台的な風景や出来事のディテールを一つ描いておくことで、全体には抽象的な歌詞を現実に繋ぎ止めてリスナーの共感を深めにきています。
余談ですが、こういう手法の歌詞では「夜明けの街でサヨナラを」の、「バイトのユニフォームのポケットから出てきた なんてことない手紙で あなたを好きになったんだ」も大好きです。この曲についてもそのうち書けたら............。

 

......そして、続く

 

振り返る 繰り返す 季節は変わった

 

のところの、「繰り返す」あたりで一瞬演奏が激しくなるのがカッコいいんです。お馴染みのスラップベースが過去を振り返る主人公の気持ちのざわめきを表しているような、演奏と歌詞が見事にリンクした一節ですね。
季節は変わった、というのも切ない。

 

時間を掴んで引き寄せれたら どんなに優しくなれるだろう

 

彼女に優しくできなかったことを後悔しているんでしょうか。私だって戻れるものならもっと優しくしてますよ。続くサビで、

 

プレイバック プレイバック
穏やかな気持ち二つ分

 

と、君と僕の二つ分の「穏やかな気持ち」をプレイバックしていることから、別れ際は穏やかじゃない、なにか酷い喧嘩別れのようになったのかなぁ、なんていう想像もしてしまいます。

 

この曲、言ってしまえば歩きながら別れた彼女への未練たらたらな物思いにふけっているだけの歌(だと思う)ですが、それがこんなにも綺麗に歌われてしまうというのは危ないですよね。

 

プレイバック プレイバック
美しい言葉に聞こえる
プレイバック プレイバック
進むから美しいはずなのに
もう一度だけ プレイバック

 

進まなきゃいけない、進むことが美しい、振り返っているのは女々しいってことくらい分かってる、だけど感傷に浸ってしまう。そんなダメな状況を綺麗に書いちゃった名曲です。

 

 

 

10.天使にキスを

 

無機質なリズム。不気味さすら感じるような、抑えていながら存在感の強いギター。演奏がめちゃくちゃ良い曲です。なんだか分からないけど自分は今ヤバいものを聴いてしまっている!!という危機感すら感じます。

歌詞は相変わらず理解しきれない謎かけみたいですが、なにか君との間の決定的な隔たりとか違いとかに気づいてしまったような感じですかね?内容はうまく把握できないまま、音も相俟ってイメージの切なさが襲ってきます。

 

天気を軽く掴んで 双六みたいに雪降らした

 

という表現が綺麗で好きです。

 

 

 

11.エーテル


「夢のあとから」を夜じゃなくて夕暮れにしたような静かなイントロ。切ないけど優しい感じの音で、歌詞の雰囲気を見事に表しています。

 

歌詞には出てこないタイトルの「エーテル」という単語、私世代だとFFでMP回復に使うアイテムのイメージしかありませんが、ウィキペディアで調べてみると神学、物理、化学の用語でもあるらしいです。ただ、その語源は「輝くもの」という意味らしく、このタイトルではその意味で使われています。

 

いつもよりズルくなって 何故かいつもより優しい そんなとこが愛おしかった

 

「愛おしかった」と過去形なのが切ないですね。

 

弾ける思いは海のよう 塩っぱくて顔が崩れてしまった

 

という歌詞がありますが、このアルバムでリミックスである次の曲を除けば最後の曲がこの歌詞なのはアルバムタイトル『Crying End Roll』を想起させます。

 

輝いてしまうよ 何年も何年もきっと

 

というのは、君との思い出のことでしょうか?最後の「眩しい」も、輝いてしまっている君との思い出を悲しむでもなく戻りたいというでもなく、ただ眩しがっているのだと思うと切ないです。

 

全体に、また会いたいとかまだ未練があるとかではなく、思い出を大事にするしかないという諦念が感じられ、もしかするとこれは死別の歌なのかな......?とも思いました。そこは想像次第ですが、そうも読めるような書き方だとは思いますね。

 

追記:最後の「眩しい」はゆらゆら帝国の「美しい」のオマージュなんですね。言われてみれば同じです。

 

 


12.夏夜のマジック(Remix by ちゃんMARI)

 

indigo la End「夏夜のマジック」 - YouTube

 

というわけで、シングル『悲しくなる前に』のカップリングでありながら、PVが作られ『藍色ミュージック』にも収録されと、シングルA面並みの扱いを受ける曲のリミックスです。やっぱメンバーもよっぽど気に入ってるんですかね。私もシングルで初めて聴いた時からindigoでも指折りの好きな曲です。
原曲は、indigoがはじめてがっつりブラックミュージック的なアプローチで作って曲調の幅を拡張するきっかけにもなった曲......って人の受け売りですけど、そんなブラック感が心地いい曲です。
今回リミックスを手がけたのはゲスの極み乙女。のキーボード担当、ちゃんMARI。ピアノがフィーチャーされつつ、ヘンテコなリズムも印象的です。原曲のような歌モノというよりは、歌も含めて演奏の一部みたいな、矛盾してますけど歌詞のあるインスト曲のような聴き心地のリミックスになっています。

過去を振り返っているような歌詞ですが、今夜だけのマジックが解けたら前に進めそうな、そんな予感もあって、切ないけれど前向きなような歌で、とにかくこの曲がアルバム全体を救っている気もします。
だから、「エーテル」の感想で「この曲がCrying End Rollである」というふうに書きましたが、じゃあこの「夏夜のマジック」はアルバムが終わった後のボーナストラックかと言われると、そうではないんですよね。

映画の喩えで言うなら、エンドロールが終わった後、劇場に明かりがついて席を立つまでの間の余韻......みたいな。映画の醍醐味の一つはその余韻だと思いますし、この曲も、(上に書いたインスト感も相俟って)余韻が音になって流れているような満足感を味わわせてくれます。

歌詞も全部好きですが書き出すと長くなるので一ヶ所好きなフレーズを。

祭りの音が聞こえ始める時間に 決まって鳴く野良猫の顔が嬉しそうだ
君の方が僕より夏が好きだったね

野良猫の声が掻き消されない程度に祭りの喧騒から遠いところで、夏が好きだった君のことを思い出してるこの感じ、好きです。完膚無きまでにどうでもいいですが、私の実体験の場合は「君の方が僕より冬が好きだったね」という感じでした。嫌いだった冬を少し好きになった時の気持ちが(季節こそ反対ですが)この曲を聴くと蘇ってきて泣きそうになるんです。でもぼくちゃん強い子だから泣かないもんねっ。

 

 

 

 

おわりに


というわけで、indigo la End 4th Album『Crying End Roll』感想でした。音楽の技術面が分からないままアルバムレビュー書くの大変でしたし深いこと言えず自己満になっちゃいますけど、誰も読んでないしまぁいいや。どうせこの世は諸行無常。こんだけハマったアルバムも他の好きなバンドの新譜が出たら聴く頻度減っちゃうから、今ハマってるうちと思って書きました。

ちなみに初回盤の付録のライブDVDもめっちゃ良かったです。楽園とか秘密の金魚とかのライブ見れるなんて......!