偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

耳をすませば

いやもうこれなんで今まで観てなかったんだよ俺!ってくらい大好きです。青春とは病気だね of the Year!Yeah!


本を読むのが大好きな少女・月島雫は、いつも図書館の貸出カードに自分より先に名前が書いてある「天沢聖司」という人物のことが気になっていた。
ある日、ベンチに置き忘れた本を取りに戻った時に嫌味な少年と出会い......。


作中のカレンダーに私の生まれた日が映ってるように、ちょうど自分が生まれた頃の日本が描かれているのでトトロとかに感じるノスタルジーとは違ったリアルに懐かしい空気があってそれだけで引き込まれてしまう。

2人の出会いのきっかけが図書館の貸出カードってのがもう憧れの恋すぎて反則レッドカード一発退場Fuck。スマホのない時代ならではのトキメキよね。てゆーかスマホがないおかげで主人公の雫ちゃんがめちゃくちゃ本読んでて羨ましい。お前も20年後にTwitterはじめたら集中力を失って本読めなくなるぞという呪いをかけたい。
あと図書館のバーコード管理化ってのも図書委員でやった覚えがあるから懐かしかったです。その過渡期。

一応本読みなので図書館の話だけで長くなってしまったけど、実を言うとこの映画が好きなのはただ単に雫ちゃんがタイプなだけなんです。
中学の時こんな子いたら絶対好きになってる!ぜってえだぜ!畜生!
なんかもう、元気で本読んで可愛い女の子って好きです。好きですね。とても。
最初はクラスの男子A目線で「あの子可愛いなぁ俺とは縁もないだろうけど......」と諦めながら(何をだ)観てたんだけど、お話が進むにつれて彼女のある種自分中心の恋の嵐に共感しまくってわかるわかるマンになってしまいました。いやでもフラれた子も可哀想すぎてそいつにもわかるわかるしてたら誰にでもわかるわかるするおじさんになってた。青春は眩しい。お前ら〜っ、くぅ〜っ......。ジーザス。
そうよ中学生の恋なんて自分たちだけが主人公よ。そこらへんにありそうな街のそこらへんにいそうな子たちのそこらへんにありそうな恋でも、お前らだけはお前らの恋の主人公だからな!←誰なんだ俺は

美しい。美しい映像がたくさんあったよ。アンティーク屋さんの時計とかね、みんなで合奏するとことかね、雫ちゃんの書いてる小説の中の映像とかもすごく綺麗だった。あれに比べたら『猫の恩返し』なんて......いやなんでもないです。
というかあの街そのものが美しい。海が見える電車。坂道や階段が多い住宅地。何の変哲もないその辺の住宅地を散歩するのが大好きなので本作の何の変哲もないその辺の住宅地の映像だけでご飯50杯食える(あくまでも例えの話)。そんな街並みの中を猫ちゃん追いかけて走ってくとかどんだけエモなんだよ。エモが致死量だよ。

終盤は夢すなわちヴィジョンを持たない自分への焦燥から身を削る思いでやりたいことに打ち込む雫ちゃんの姿に良い歳してNO futureな私はソンケーしかねぇ。てか原石おじいちゃんいい人過ぎるやろ。いい人しか出てこない。
ラストとかももう最高でしょ!中学生の恋愛ものの最後はもうあの一言で終わってほしい!っていう私の歪んだ願望が具現化されたような終わり方でした。
現実なんか知らないからこそのあの無敵感。
1番良いのは、この街のこの景色が『平成たぬき合戦ぽんぽこ』で人間がたぬきたちから奪い取ったものってとこですよね。エグい。

というわけで、個人的には今んとこジブリで1番好きだし、たぶんまだ観てないやつ全部観てもこれは超えないんじゃないかななぜならロマコメだいしゅきだから〜Yeah。