偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

私の読書履歴書 その4

承前。

かくして(名古屋では)誰もが(名前くらいは)知る(私の実力にしては)難関大学に合格した私でしたが、高校3年間のブランクは大きく、免許返上したみたいに全然出来ませんでした。友達が。

なんせ前回友達を作ったのは中学1年生の時。それから6年経ってますからね。人になんて話しかければ良いのか、みんなが知らない本をたくさん知ってる博学な私が下々の人たちと何を話せば良いのか!?と悩んでるうちに友達作る期間を過ぎてしまいました。

しかし今回は高校と違うことがあったのです。
そう、大学ではクラスとかも(週一のゼミしか)ないし1人でいてもそんなに浮かない!
ひゃっほーとばかりに、入学オリエンテーションの時間にはもう元気に『猿丸幻視行』を読んでました。

それでも友達いないの悲しいので部活に入ったよ。
高校までもやってた映研が大学にもあったので見に行ったら可愛い先輩がいたので入りました。
そして他所に友達がいないせいで部活にどんどん入り浸ってしまうのですが、それはまた別のお話。

読書に関していえば、これもやはり大学時代は楽園でしたね。
なんせ教室が広いから後ろの方で本読んでれるし、行き帰りも電車が長いので本読めるし、朝は遅いから夜更かしして本読めるし、といった具合。大学4年間は年間100〜150冊くらいは読んでたと思います。

そして、大きかったのがTwitterをはじめたことっすね。
高校時代から好きで読んでいた書評サイト「黄金の羊毛亭」のSAKATAMさんをフォローして、彼の主催するエアミス研に入ったら、当時はまだ少なかった会員の方々が続々とフォローしてくれて......。
スマホを持ち始めたばかりということもあり、オナニーを知った猿みたいにずっとTwitterをやり続けていました(今もやけど)。
それまでは身近にミステリ好きな知り合いがいなくて、少なくとも愛知県の10代では私が一番ミステリに詳しいんじゃないかと思っていましたが、まさに井の中の蛙
大人の方々はもちろん、同世代でも煮豆さんなど私なんか比較にならんくらい詳しい人たちがいっぱいいて、話が通じる楽しさと、自分がただの雑魚だと知ったつらさがないまぜになりつつどんどんのめり込んでいきました。

そして、今思えば浅はかですが、Twitterで少しでも通ぶりたいという気持ちもあり、なるべく変な作品、マニアックな作家を読もうとしていたこともありました。

飛鳥部勝則積木鏡介、門前典之に、飛鳥井士郎、園田修一郎、はたまたラノベ奇書と呼ばれるこんな作品群。

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また他方では、それまで信仰していた新本格より前のミステリにも面白いものがあるらしいってんで、泡坂妻夫連城三紀彦、さらに遡って横溝正史江戸川乱歩なども読んでいったり。

また、オフ会も暇な大学生のことで泊まりも含めて頻繁にやってて、その都度みんなから本をもらえたり買ったりして色々勧められて読む、という今に至る流れが出来上がって行ったのもこの時期ですね。


他にも時期によってテーマを決めて本を読むことも多く、「角川ホラー特集」や「メフィスト賞全制覇計画(ぜんぜん未完ですが)」などいろいろやりましたね。

4年生の時は「戦中の探偵小説」で卒論を書いていたこともあり、浜尾四郎小栗虫太郎甲賀三郎海野十三などの作家も結構読みました。特に海野十三の今読んでも斬新すぎる奇想と、浜尾四郎の今読んでもエモい恋愛描写にはかなりハマってましたね。

そんで、4年生の中頃に、大学生活の思い出作りのために失恋して、その時からようやくなんかちょっとだけ人間の心が分かったようなつもりになってミステリ以外の文学作品とかも読むようになるんだけど、それはどっちかというと働き始めてからのことなのでまた今度書きます。

大学はそんな感。それではばいちゃ!