偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アレックス・パヴェージ『第八の探偵』感想

かつて私家版の短篇集『ホワイトの殺人事件集』を刊行した作家グラント。 短篇集の復刊のために彼を訪ねた編集者のジュリアは、目が悪いというグラントのために収録作を一つずつ朗読しながら、その内容について議論を交わしていくが......。第八の探偵 (ハヤ…

ジャック・ケッチャム『隣の家の少女』感想

1965年にインディアナ州で起こった"シルヴィア・ライケンス殺害事件"を基に時代や場所を変えて描かれた、実話に基づく小説。隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)作者:ジャック ケッチャム発売日: 1998/07/01メディア: 文庫 1950年代、主人公のディヴィッドは12…

多島斗志之『神話獣』感想

神話獣作者:多島 斗志之発売日: 1993/03/01メディア: 単行本 第二次大戦中のドイツ。 ナチス親衛隊将校のシュミットは、ヒトラー総統に極秘の指令を受ける。 それは、総統が夢で幻視した「赤い顔の東洋人」を殺せというものだった。 一方、ベルリンに暮らす…

多島斗志之『マリアごろし異人館の字謎』感想

後に文庫で刊行される『追憶列車』と 「マリア観音」「虜囚の寺」「お蝶殺し」という3編が被っている短編集。 『追憶列車』を読んだので、あちらに未収録だった「異人館の花嫁」「井筒屋の字謎」の2編を読むために買いました。 マリアごろし異人館の字謎―多…

多島斗志之『症例A』感想

2000年刊行、7年かけて書き上げたという大作で力作の精神医学小説です。症例A (角川文庫)作者:多島 斗志之発売日: 2013/07/17メディア: Kindle版 精神科医の榊は転任してきた病院で17歳の美少女・亜左美を受け持つことになった。 分裂病か境界例かの判断に迷…