偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今月のふぇいばりっと映画〜(2020.5)

さて、今月はヴァーホーベン監督にややハマりまして、いくつか観ましたね。 他、SF色の強いセレクトになりました。普段あんまりSF映画観ないけど観れば観たでおもろいですね。 スターマン 未来世紀ブラジル インビジブル ブラック・ブック スターマン スター…

森下雨村『白骨の処女』読書感想文

初代『新青年』編集長であり、江戸川乱歩を世に送り出したことなどから「日本探偵小説の父」とも呼ばれる森下雨村。しかしその作品は、これまで論創社のでっかくてお高いハードカバーのやつくらいでしか読めませんでした。 それがここに来て、河出ノスタルジ…

浦賀和宏『透明人間』再読感想

先日、敬愛しつつ憎悪する浦賀先生が亡くなりました。 たまたま、私は今年の初めに浦賀作品の中でも特にドロドロした八木剛士シリーズを一気読みするという蛮行を達成したばかりだったので、驚きと喪失感が酷く、俺を残して死にやがってとちょっとムカついて…

西澤保彦『瞬間移動死体』読書感想文

妻の景子の稼ぎで暮らすヒモ夫の和義は、しかしとある理由で妻の殺害を決意する。 ロサンゼルスと日本を瞬間移動で往復するという完璧なアリバイトリックを引っ提げ、いざ計画を実行しようとするが、事態は思わぬ方向へ動き出して......。 新装版 瞬間移動死…

西澤保彦『春の魔法のおすそわけ』読書感想文

盛大に酔っ払い、昨夜の記憶を失くした作家の小夜子。ふと気付くと自分のバッグの代わりに見知らぬセミショルダーを抱えていて、その中身はなんと2000万円の札束! 酔いまかせにヤケクソになった彼女は、偶然見かけた美青年・優弥をその金で買うことにし....…

トマス・H・クック『死の記憶』読書感想文

スティーブが9歳の頃、母と兄、そして姉が銃殺された。犯人と目された父親は逃亡し、未だに行方が分からない。 そして今、自らも父親となり、妻と1人息子とともに暮らすスティーブの元に、ライターのレベッカが現れる。 父はなぜあんなことをしたのか? 彼女…

太宰治『きりぎりす』読書感想文

昭和12年から17年、太宰中期であり太平洋戦争前夜あたりの頃の作品を集めた短篇集。主に半随筆的な小説と、得意の女性独白体の小説が集められた一冊です。きりぎりす (新潮文庫)作者:治, 太宰発売日: 1974/10/02メディア: 文庫 太宰作品は好きなものの、不勉…

西澤保彦『ソフトタッチ・オペレーション』読書感想文

続いてチョーモンインシリーズ、現在のところ最後の作品となるこちら。ソフトタッチ・オペレーション (講談社文庫)作者:西澤 保彦発売日: 2010/01/15メディア: 文庫 やはりシリーズキャラはどんどん出なくなってきてるし、ミステリとしての質もどんどん落ち…

西澤保彦『生贄を抱く夜』読書感想文

チョーモンインシリーズ第7作。短編集。生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)作者:西澤保彦発売日: 2012/12/03メディア: Kindle版 前作『人形幻戯』に引き続きシリーズキャラの出番が少なく、夢幻巡礼や転送密室でシリーズ収束への伏線らしきも…

西澤保彦『人形幻戯』読書感想文

チョーモンインシリーズ第6作、短編集としては3冊目にあたる作品です。人形幻戯 (講談社文庫)作者:西澤 保彦発売日: 2005/08/12メディア: 文庫 このシリーズを読むのも久しぶりなのでこれまでどうだったかうろ覚えではあるものの、本書ではレギュラーキャラ…

西澤保彦『黄金色の祈り』

昔読んだやつ。黄金色の祈り 文春文庫作者:西澤 保彦発売日: 2003/11/08メディア: 文庫 主人公の経歴が西澤保彦本人と同じという自伝的私小説......なのか、あくまで全てフィクションであって自身をモデルにしているのもフェイクなのか......。いずれにせよ…

西澤保彦『殺す』

昔読んだやつ。殺す作者:西澤保彦発売日: 2013/07/05メディア: Kindle版 同じ学校に通う同じ学年のの女子高生たちが殺害され、靴下を持ち去られる連続殺人事件。捜査をする刑事たちは、すぐに同僚の異変に気付き......。ミステリとしては特に変わったところ…

西澤保彦『転・送・密・室』

昔読んだやつ。転・送・密・室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)作者:西澤 保彦メディア: 文庫 「現場有在証明」 キャラ紹介も兼ねているため、ミステリ部分はかなり駆け足な印象。超能力の設定の説明が終わったと思ったらもう解決という感じで、いまい…

西澤保彦『黒の貴婦人』

最近また西澤保彦を読み出したので、昔読んだやつの当時の感想をブログの方に移植しておきます。 黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)作者:西澤 保彦発売日: 2005/10/01メディア: 文庫 タックとタカチたちのシリーズの短編集。時系列はバラバラなので、よく言えばいろん…

西澤保彦『夢幻巡礼』読書感想文

刑事で殺人鬼の奈蔵の元へ、10年前の凄惨な事件の際に姿を消したリュウから「事件現場の山荘にいる」という電話が来る。 嵐の中2人の女性が惨殺されたあの事件の日、リュウは確かに自分が姿を消して10年後に戻ってくることを仄かしていた。 奈蔵は上司の能解…

私の読書履歴書 その3

承前。高校に入ってからは、友達が出来ませんでした。 一応部活には入っていたのでそこでは話す人がいたものの、クラスにはガチで1人も話せる相手がいない、いわゆるぼっちだったんすね。 でもうちの母校はかなり緩くて朗らかな雰囲気の学校だったので中学の…

君に捧げる「見立て」ミステリ10選

こんにちは。さて、毎週末、フォロワーのフミ様に捧げてきた10選シリーズですが、一身上の都合(ネタ切れ)により今回で最終回となります。 最後のテーマはずばり、見立て! ミステリにおけるガジェットの中でも密室や首斬りに並ぶ大人気のテーマですが、選ぼ…

日本探偵小説全集7『木々高太郎集』読書感想文

日本探偵小説全集。 大学の頃に結構読んでたんですけど、めちゃくちゃ久しぶりに未読の巻を読みました。日本探偵小説全集〈7〉木々高太郎集 (創元推理文庫)作者:木々 高太郎発売日: 1985/05/22メディア: 文庫 木々高太郎は元は大脳生理学者でもあり、本書に…

私の読書履歴書 その2

承前。中学校に入ると、いつの間にかスクールカーストというものが出来ていて、私はその下の方に位置付けられていました。 それでも一応友達はいたし、「なんかいつも本読んでて国語だけめっちゃ出来る奴」という立ち位置を確保してその一点に置いてだけ一目…

今月のふぇいばりっと映画〜(2020.4)

はい。4月は読書月間だったので少なめです。 しかし私はTSUTAYAプレミアムに入ったので、5月は配信でたくさん観るよ! ビルとテッドの大冒険 スラムドッグ・ミリオネア 捜索者 ビルとテッドの大冒険 ビルとテッドの大冒険 [Blu-ray]発売日: 2018/08/24メディ…