偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

シソンヌライブ[cinq]


どんどん見てます。5本目。


シソンヌライブ [cinq] [DVD]

シソンヌライブ [cinq] [DVD]

  • 発売日: 2017/04/05
  • メディア: DVD


やめられないお母さん/最新の勉強法/うちの息子、実は/ばばあの罠/てんぷら/家具屋/ヒーローインタビュー/止めてみたものの


前作はやや実験的というか、奇妙な味わいのお話が多かったですが、今回はそうした変な話もありつつ、従来のようにキャラの強いものやストーリー性の強いものなども入っていて、シソンヌの色んな面が1枚で味わえる作品になっています。
ただ、そんな中でも個人的にはやや当たり外れの大きい印象もあります。

「ばばあの罠」は、今まで観たシソンヌのコントの中でもベスト5には入るくらい好きです。

じろうちゃんが声を張り上げるとそれだけで笑えちゃうファンにとっては暴力的なまでにハマり得ますもんね、これ。「ばばあの罠だ!」はもちろん「長谷川!」でさえめちゃくちゃ面白いですもん。相方の名前呼ぶだけで爆笑させるなんて反則でしょ......。
凝ったストーリーのものもやる一方でこういう喋り方が面白いみたいなある種原始的なネタも面白いから凄いですね。あと演出はかなり凝っててそこも好き。こんなにくだらないのに大仕掛けっていう。

同じく原始的?な笑いとしては「てんぷら」も好きです。最初の数回のやり取りで何が起こるのかもう全部分かっちゃうんだけど、その中で分かってるからこその笑いと、ルールに則りながらもちょいちょい変化球を仕掛けてくるあたりが最高。潔い短さなのも良いですね。

あとは「家具屋」なんかもその系統かな。シチュエーションからドラマを展開していくのかと思いきや、まさかのじろうちゃんの声という飛び道具で爆笑させてきつつ結果それなりにドラマチックにもなってて好きですね。

「うちの息子、実は」は、先入観を裏切ることで笑いを作っていて、冒頭のやりとりから、とあるセリフで一気に爆笑ゾーンへ突入していくあたりが上手いと思います。


同じくストーリーものとしては最後の「止めてみたものの」も圧巻。2人のシリアスな演技によって緊迫感さえ出てきたところでの一言で、やはり一気に笑いの側へと引きずり込まれてしまいます。溜めと爆発の緩急。
笑いながらも、そこに友情も感じられてほっこりした気分で見れるのも良いですね。


と、その辺りが面白かった一方で、「やめられないお母さん」なんかは正直あんまり感想も思いつかないくらい、個人的にはいまいちハマれませんでした。母親という生き物の不思議さを描いている点では"らしい"けど、悲しみの色が薄いのは新鮮な気がします。

「ヒーローインタビュー」も、自分が野球とかに疎いせいもあるけどいまいちピンと来ませんでした。
声張り上げ系ではあるんだけど、ワンフレーズのが好きかなっていう。

「最新の勉強法」は、野村くんが出てくる時点で好きではあるけど、野村シリーズの中では一段落ちるかな、という印象。
長谷川さんがアレをするのには内輪ノリに近いですが爆笑しちゃいましたけど。



と、そんな感じでいくつかそんなにハマらなかったもの、それでも全体にしっかり面白く、色んな味を楽しめる5本目でした。
残るはあと4本。まだまだ見ていくよ!