偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

シャーケンシュタイン(2016)


1942年ドイツ。ヒトラー総統の命によりフランケンシュタインの怪物の脳と心臓が実験施設から盗み出された。
それから幾星霜......。
現代のビーチに、Sharkensteinは現れた。


いや〜、これはね、まぁ、クソみたいに面白かったです!つまりうんこ!
いやでも、マジで少なくともマーク・ポロニア監督作では面白い方!

冒頭の白黒でナチスが出てくるくだりは白黒になってる分だけ雰囲気があって良かったし、やっぱモノトーンの魔力ってすげえなと思った。ビーカーの中の脳味噌も可愛い🧠

しっかしまだしも雰囲気があったのはそこまでで、あとは学芸会の演技と切り絵の映像が続いてチープすぎて逆にめちゃくちゃ愛着が湧いた、か?と言うと、そうでもない。

ただ、肝心のサメはあまりにも切り絵すぎて大爆笑という名の失笑をぶちかましました。え、そのレベルでいいの?くらいな。
てゆーかなんでこのレベルの映画という名のゴミが遥か異国の日本でもアマプラで観れちゃうんだろう。ひどすぎて著作権とか発生しないからかな❓❓
サメのシーンが切り絵なのはしょうがないとして、入江に立ってる小屋が無駄に切り絵なのがシュールすぎてわろた。
そしてサメの安さのわりに脳味噌とか臓器の質感は案外グロかった。


あと、音楽がなんか昔の怪獣映画みたいな大仰なデデデーンみたいなのからちょいオシャレ風なジャズとかアコギ爪弾くみたいなのまで統一感がなくて笑った。

あとあと、ヒロインの露出への認知の階層が私とは一段違う感じ。
どういうことかというと、私の感覚では水着姿になった上で、それが脱げるか脱げないかくらいのところのハラハラってのがエロってもんだと思うんですけど、本作の場合はシャツを着た状態から水着になるかならないかで結局ならんのかーい!っていう、一段上のチラリズムが見られるんですね。でも、ちょっと地味な感じの眼鏡の女の子なんだけどシャツの上から見える体のラインはとても綺麗で抑圧された色気が堪らんですわね。


............で、いろいろ文句言いつつ観てたんですが、シャーケンシュタインの覚醒、あれにはシビれましたね。ビリビリ〜。

......いやでも、こんなクソだとわかりきった映画をひどいもの観たさでいちいち観てしまう我々人間の心が一番のサメなのじゃ......(いや、一番のサメってなんやねん)