偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

「天気の子」を観てきました。


観てきたので、感想というほどのものでもないけどちょっと書きました。流行ってるからせっかくやし転載。





「童貞」という言葉をウィキペディアで調べてみると、性交体験のない男性、およびその状態といった定義が書かれています。
しかし、私はそういう身体的の童貞とは別に、謂わば精神的の童貞性なるものがあると信ずるものなり。
そして、本作はそんな童貞性を持つ人間にかなり刺さる作品なのであろう、そう思う今日この頃の俺だ〜。


さて、みなさんは恋愛のトラウマ、つらい恋の思い出、成就しなかった恋を引きずる気持ち、そういったものをお持ちでしょうか?
私はお持ちです。

ああ、あの子と付き合えないならいっそ死んでしまおうか。いや、それよりも世界が滅びてしまえばいい。願わくば、そこに私と彼女の2人だけになれば、私たちにはお互いしかいなくなるんだ......なんて、そんなことを考えたりしながらRADWIMPSの歌を聴きながら夜に散歩して公園のベンチで泣いたあの季節(*この物語はフィクションです)。
この映画は、そんな瞬間のことです。



さて、何から書けばいいものか......。

とりあえず、曲めっちゃ良い!
いや、まぁ曲の使われ方という点ではオープニングテーマ的立ち位置の曲が2曲あったりして、男女それぞれの視点になってるとはいえちょっとクドい気はしましたね。テンション上がる感じのイントロが流れるやバーンとカメラが空を向いてダイジェスト映像が始まる......というアニメでよく見る演出も2回あるともういいよってなります。
私はラッド好きだから良かったですけどたぶん興味なかったらやや食傷しますよね。
ただ、終盤で使われるグランドエスケープって曲はもう最高でした。鳥肌ビンビンでしたよ。ビンビンだぜぇ!
あと、愛にできること結構ありましたね。愛、あんだけ出来るのかとびっくりしました。


あと、とりあえずこれは触れなきゃいけないと思うんで触れとくけど絵が綺麗ですね。アニメって初めて観たので詳しいことは分からんですけど、前作が田舎メインでそれに対比した美しい東京が描かれていたのに対し、本作はもうちょっと猥雑な東京像。
実在の企業名商品名がガンガン出てきたり、歓楽街みたいなとこが映ったり、リアルな(東京民じゃないから知らんけど、リアルだとと感じさせるような)東京が描かれてて、でも綺麗。


で、ストーリーね。難しいっすね。世間では、やれエロゲだのセカイ系だのと論じられておるわけでございますが、小生そちらの方面にはとんと疎いもんでごぜえますからして、みんなが何言ってんのか全くわかんないんすけど、まぁ自分なりに書いてみんとす。
あれですよね、主人公が恋のようなもののために全てを擲って他人に迷惑バラ撒き散らかしていくお話。
たぶん、これまでトントン拍子に恋愛を成就させては投げ成就させては投げてきた方々からすると「自分の恋愛のために人に迷惑かけるな🙅‍♂️」ということなのでしょうが、そうじゃねえよと。こういう、恋は盲目の極北のような恋をしてみたかったよ、と。ただそれだけの映画ですよ。
ただ、ずっこいのは、そんな主人公たちのことを2人の大人たちが俯瞰で見てたりもするところで、拗れた童貞をほどけないままに大人になってしまった僕らは彼らの視点にすんなりと自分の眼を置いて羨望と苛立ちの混ざった高みの見物をするわけです。
そんな中、クライマックスでの小栗のオッチャン(役名忘れた)のあのセリフが俺をあの日へと誘って空の上ーーー


それからのことはもう何も語るまい。
ただ、この詩を引用してこの感想を終わることにしましょう。

愛の歌も歌われ尽くした
幾多の映画で語られ尽くした
そんな荒野に生まれ落ちた僕、君、それでも































追記

夏美さんのおっぱい。
就活が出てくるんだけど、私にとって就活とは恋の季節すなわち学生時代の終わりを告げる赤紙でしたわけで、そのへんのエモも非常にエモいです。