偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

エレメント・オブ・クライム(1984)


ヨーロッパからエジプトのカイロに帰国した刑事のフィッシャーは、催眠療法を受けて、自身の異様な体験を思い出していく。それは、連続少女バラバラ殺人を捜査し、犯人と思われるハリー・グレイという人物を追ううち、やがてグレイの思考に同化していってしまい......。

エレメント・オブ・クライム

エレメント・オブ・クライム

  • マイケル・エルフィック
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ラース・フォン・トリアー監督の長編デビュー作。

セピアっぽいトーンに統一されて、ちょっとカッコつけすぎな気もするくらい凝った映像が、でもまぁやっぱカッコいい。たぶんセピア色のエフェクトとかではなくて照明とかで色合いを統一してるっぽくてそのこだわりが好き。
話の内容はまぁよく分からん。なんせミステリファンなので連続バラバラ殺人が起きていると聞いてついテンションがぶち上がってしまいそうになりますが、事件の内容は全く描かれず「事件が起きているらしい」ということしか分からんかったり、そのくせ謎の暗号みたいなのが出てきたりして、ちょっとでもミステリだと思って観ちゃうとアレですが、主人公の一人称でだんだんと深みにハマって犯人に同化していってしまう様を描いた文学的な映画と思えばなかなか面白かったです。けっこう眠なるけど。
ヒロインの身体がやたらとエロいところとか、変なところでギャグとしか思えない描写があったりとかして、話の内容はよく分からないままに妙に印象に残って離れない映像が多いのが良かったです。