偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章(2015)


工藤と市川が消え、巨人が空を覆う東京。1人残された田代の元に、江野祥平と名乗る男が現れる。江野は、四つのミッションをクリアすれば工藤たちをこの世に戻せると言い......。


シリーズ通算7作目で、第1シーズンの完結編となる本作は、白石監督本人が演じる田代カメラマンが主役の回=監督の自己満足回。

シリーズの醍醐味である工藤さんの暴走や市川のツッコミが鳴りをひそめ、他作品から唐突にゲストキャラが登場して昔のバラエティ番組みたいな品のない悪ノリみたいなことをし出すのは、まぁ単発作品なら別に良いんだけど好きだったこのシリーズでやられるとかなりガッカリしてしまいます。まぁ田代くんが頑張るのは応援したし笑いもしたけどさぁ、こういうコワすぎが観たいわけじゃないんだよなぁ。
そもそも私は『オカルト』の白石くんと江野くんに終始死んでほしいとしか思えなかったので、正直江野祥平の顔も見たくねえわけで......。

あと、工藤さんがめちゃくちゃクズいこと言うのにもがっかりした。これまでは暴力的だけど漢気のある野郎だと思ってたのに、ただのゲスに成り下がった工藤さんも見たくなかった......こんなことならいっそ死んでてくれたらよかった......。

でも『君の名は。』やコロナ禍を先取りした予見的な作品ですし(適当)、市川を演じる久保山さんの演技力の爆発を観られたし、前作以上にカオスな方向に振り切っているのはある種の潔さは感じるし、まぁなんだかんだそれなりには楽しみましたけどね。けどね......。