偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

リーガルリリー 『LIVE HOUSE TOUR2024』名古屋CLUB QUATTRO 2024.3.28

ツアー始まる直前にドラムのゆきやまさん脱退のニュースがあり衝撃を受けていたところからの脱退後初のライブということで、正直行くのが怖いってのもあったけど、行ったらまぁそりゃめちゃくちゃ良かったですわよ......ええ......。

ライブ前に行った荒畑駅のNatsumi les gateauxさん。ババ・オ・ラム、アプリコットのチーズケーキ、抹茶とパイナップルのケーキ。全体に甘さ控えめでシンプルながらも深みのあるお味で、ザクロジュースとかドリンクメニューも魅力的。小さいお店でケーキの種類もそんなになかったけど、また行きたい、というかあんま立ち寄らない場所だけどわざわざ通いたいレベルで好きなお店でした!



閑話休題
今回は妻と妻の職場の友達と3人で行きました。職場の友達は初対面で緊張したけど気さくで変な人で面白かったです。
その人は整理番号後ろの方だったので35番くらいだった私たちは「先行きますサーセン」って言いながらたかはし先生側の前から2列目に陣取ってたんですが、おかげでライブ映像で見てたたかはし先生が裸足なのを実際に観測できて「ほんとに裸足だったねー」と言い合いました。
衣装も先生は赤くてキラキラしたやつで、海さんは黒っぽい青のキラキラしたやつという対比しつつ統一感があってカッコよかった。

先に衣装のこと書いちゃったけど、開演の19時になると、SEのkurayamisakaの音量がグッと上がって、メンバーたちが静かにステージに登場。シンプルな始まり方の演出がかっこいいし、なんせkurayamisakaがかっこいい。ちゃんと聴かなきゃ。

それはさておき、予想では一曲目「春が嫌い」かなぁと思ってたんですが、実際にはまず「教室のドアの向こう」の抄(1番の弾き語りみたいなパートだけ)をやってからの「17」
ゆきやまロスで初っ端からノータイムで激しく盛り上がる気分ではなかったので、「教室の〜」でじんわりと高校生の頃に引き戻されてからの「17」という入りが最高すぎた。開演前は不安もあったけど、もうすでに今日来て良かったわ〜という気持ちになりました。
初めてライブで聴く新曲「17」は音源ではかなりポップさも強かったのがライブだと荒々しいロックサウンドが強調されてどちゃくそカッコよかったっす!

本日のライブは、17歳から10年やってますライブハウスツアーなので、セトリも初期の曲や初期っぽい衝動的な曲が中心で、たかはし先生の歌もどこかいつもより激しく感情的な気がして、歴の浅いファンではありますがとてもエモかった!

続く3、4曲目も初期の代表曲トランジスタラジオ」「スターノイズ」と激しめの曲で攻めてくるので、もう若くない私はすでに足腰首も痛いし耳もキンキンするしでつらかった......(最高)。
からの、「東京」「ハイキ」と近年のライブアンセム・代表曲が来ることで、同じノリのいい曲でも初期の縦ノリ全開なのと最近のちょっと横も入ってるのとの変化も感じられていい並びすぎる。しかし「東京」でメンバー紹介がないのはやっぱ寂しいな......。

そして、「GOLD TRAIN」「60W」という夜と星で繋いだアッパーチューン2曲。
どちらも初めて行った去年の今頃の「街の星」ツアーでもやってて印象的だった曲なので個人的にエモい気持ちになりつつ、あれからまだ1年しか経ってないのか......と、あれ以降のリーガルリリーの活躍っぷりと自分のさらなるハマりっぷりにも驚かされました。

冒頭の「教室のドア」を除けばここまでアップテンポな曲ばっかりで駆け抜けてきましたが、ここにきて「蛍狩り」
これも昨年の「街の星」ツアーのおかげで一気にハマった曲ですが、煌めくような夜の2曲の後での静寂の午前0時は侘び寂びがすごい。蛍の光のような弱い照明一つに照らし出されるたかはし先生の美しさよ。気のせいかもしれないけど、今回はいつもよりリーディングの部分がちょっとハキハキしてるっていうか力強いような気がしました。

そして、シリアスな余韻を壊さずにふわっと変えるような「猫のギター」。ライブでやんの珍しい気がしますが、めっちゃよかった......。音源で普段あんま聴かないのでちゃんと聴こう......と思った。「友達なんていらない」のところ、ライブで強めに歌われるとぐっとくる......。

そして、剣の刃を磨きすぎると自分の手も傷つくけど磨かなすぎても身を守れないですよねみたいなMCからの「春が嫌い」。ゆきやまさん脱退の報を聞く前から、春という季節にそれぞれの道へと別れ別れになっていく君へのエールで餞別のような歌詞だと思っていたのが、今ではなんかゆきやまさんのこととしか思えなくて、それを彼女のいないライブで歌うのに泣きそうになった。間奏とか、最後の声高いとことかもライブだと一段とエモくて、また生で聴きたい。

からの、キラーチューンである「たたかわないらいおん」。前の列にいた女性がこのイントロ聴いてめちゃテンション上がってたのを見て「な!いいよな!」と微笑ましく私もぶち上がってしまった!
そして歌終わりのらいおんから「1997」のこちらもブチ上がるイントロで毎度のことながらやられた。ぴょんぴょん跳ねるたかはし先生を見てるだけで、なんか生きててよかったと錯覚しそうになります。

そして、こんだけ盛り上げておいて終盤に「教室のしかく」「好きでよかった。」としっとりした曲を持ってくるセトリも珍しい気がするけど、この2曲も凄えよかった......。
なんか、この2曲のサウンドって私がそれこそ17歳の2010年前後の頃を思い出させられるんですよね。まぁ言ってしまえばチャットモンチーとかの雰囲気というか。
だから、なんか17がテーマのライブでこの2曲をやられると、私も高校生の頃からリーガルリリーを聴いていたかのような錯覚に陥ってしまってまたとてもエモい気持ちになったわ。でもほんと、色んなバンドを知っていって、無知ながらに1番音楽に純粋にのめり込んでいたのがあの時期だったと思うので、今リーガルリリーの音楽にこんだけピュアにハマれているので音楽そのものへのワクワクもなんとか持ち続けていられるんだなと、この素晴らしいバンドに出会えたことに感謝すると共にリーガルリリーを見つけたあの日の自分のアンテナを褒めたくなりました。

そして、本編最後が「魔女」リッケンバッカーという、デビュー作からのアンセム2曲。
「魔女」は私も妻も大好きな曲ですがまだライブで聴いたことがなかったので思わず「やったぜ!」という念を込めて顔を見合わせました。ネガティブな感情をそのまんまぶちまけるようなこの曲はある種若気の至りみたいなものではありますが(失礼)、それを今こうやって楽しくやってるのがエモいっすね......。
リッケンバッカー」はライブでは絶対やるような曲ではありつつ、今回のこの10周年で昔の曲多めのセトリの中で本編ラストに持ってこられるといつもとは違った感慨がありました。
しかしまだ終わるには早い感じがしてあと2曲くらいやるつもりでいたら挨拶もそこそこにさっさと捌けてしまったのでえっもう終わり〜⁉️😂ってなった。
後で確認したら狙ったものなのか本編がちょうど「17」曲だった。短いよ〜😂



アンコールの拍手の最中に倒れちゃった人がいたみたいで、たかはし先生からも倒れそうになったら70%くらいのところで教えてねみたいなよく分からない注意喚起を挟んで、ついに、たぶんみんな気になってたけど誰も触れられなかったサポートドラマーの紹介。
たかはし「平仮名でうららちゃん」海「それ本名でしょ。ローマ字でUraraちゃんです」という小ボケを挟んで紹介されたUraraさん。見た感じは華奢でリーガルリリーの中にいて違和感ないけど音はもうパワフルでダイナミックですごいカッコよかった!
MCでも結局喋らなかったのはサポートという立場の問題というよりたぶん元々クールなキャラなんじゃないかなって感じでしたけど、リーガルリリーの2人のゆるさにこの鋭利なクールさがピリリと効いてて、これはこれでいいなとも思ってしまいました。
もちろん、寂しさもめちゃあった。今までならここで海さんとゆきやまさんがゆる〜くトークとかグッズ紹介をしててたかはし先生はあんまりメインで喋らず口を挟む感じだったのが、今回はたかはし先生がガンガン喋ってたのがたかはし推しではありつつもつらかったし、MCでもゆきやまさんについて一言も触れなかったのも悲しくはあった。そもそもツアーも決まってるこのタイミングでの脱退なのでどうしてもなんかあったんかなと心配にもなるし......。
でもでもそんでも、残った2人が前に進むと決めたからにはここでゆきやまさんについて何か話すのも違うとも思うし。たかはし先生と海さんだって何も思うことがないはずはないので事情も知らないたかがいちファンの私にはこれからも新生リーガルリリーを応援するしか出来ることはねえよな。
などといろいろ考えてたけど、このタイミングで未発表の新曲やりますと言い出して全部吹っ飛んだのでまぁゲンキンなもんっすよ。

その新曲のタイトルは「キラキラの灰」
タイトル聞いて「スピッツっぽいな」と思っちゃったのはスピッツ信者なので許して欲しいですが、可愛らしくもかっこいい感じの曲で、一回聴いただけなのでもう完全に忘れたけど()リリースされたら好きになる予感しかしない。
(......と思ってたら、ダンジョン飯のタイアップが発表されてめちゃ嬉しくも、どこか「リーガルリリーが世間に見つかってしまう!」という気持ちにもなったのでファンってめんどくせえ。

んで、もしかしたら最後に「はしるこども」かなぁとも思ったけど、そんなこともなくラストはせかいのおわり。しかし一度終わってまたはじまる今のリーガルリリーに相応しい選曲!もう、今後ライブで「はしるこども」は封印してくれてもいい気さえするわ。
そして、急に決まったであろう今回のサポートを爆発的なエネルギーで叩き切ってくださったUraraさんが最後の最後のこの曲で出トチってて、持ってんなぁと思った。
そんで一旦ちょっと気が抜けたところからのテイク2はカチッとカッコよくる決めてくれて、最後の曲なのもあってめちゃくちゃ飛び跳ねてしまった。

6畳半から歌うよ

たかはし先生のMCにもみんなが持ち寄った小さい箱をライブハウスという大きい箱に入れるのがライブである、みたいな話がありましたが(あんま理解できてない)、観客それぞれ6畳半から音楽への愛を持ち寄ってのこのことライブハウスにやってきてバンドが6畳半で作った歌をそこで歌う......という、それぞれの6畳半内の個人的な体験を認め合うような場がライブだと思うと美しいなと思った。自分でも書きながら何言ってんのか分からんけど、そんな感じ。

帰りに一緒に来てた妻の職場の友達もめちゃ良かったって言ってくれて嬉しかったです。
今後どーなんのか、サポート入れて2人でやり続けるのか誰か加入するのか、まったく何にも分からんけど、とにかく2人がリーガルリリーを続けてくれたことにありがとうございますと言いたい。たかはし!海さん!見てるか!?ありがとう!!(見てないと思う)