承前。
中学校に入ると、いつの間にかスクールカーストというものが出来ていて、私はその下の方に位置付けられていました。
それでも一応友達はいたし、「なんかいつも本読んでて国語だけめっちゃ出来る奴」という立ち位置を確保してその一点に置いてだけ一目置かれていた気もします。
この頃から青い鳥文庫とかじゃない大人向けの本を読み始めるのですが、その最初がたしか、当時ドラマ化されてそれを見たことで原作も読もうと思ったこの本。
- 作者:圭吾, 東野
- 発売日: 2002/02/10
- メディア: 文庫
ただ、当時は、原作を読んでも柴咲コウ出てこないし、科学トリックも映像で見た方が鮮やかだし決めポーズもしないしで、全然面白くないやんと思った記憶があります。
そんな折、日曜日の昼間かなんかに、テレビでとある映画をやっていて、それをなんの気なしに観ていたらめちゃくちゃ面白くて、当時そういう映画を観たこと自体初めてだったから「これは神様が作った映画だ!」と思い込み、当時はスマホもないからパソコンで調べたら原作があるらしい!買いに行こう!と三洋堂書店までチャリンコで駆けていって買ったのがこの本。
- 作者:伊坂 幸太郎
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: 文庫
これがもう、べらぼうに面白くて、当時世間への鬱憤を溜め込んでいた私はこの痛快な世界に魅せられたんですね。
そこから、伊坂の本をちまちまと一つ一つ買いそろえては、毎度その趣向の凝らし方、伏線回収、爽快な結末に「俺はすげえ作家を見つけたぞ!」と興奮していました(もちろん当時すでに人気作家だったので私が見つけたわけじゃない)。
ちなみに同じ頃スピッツのアルバムもちまちま買ってて、伊坂とスピッツが私のアイデンティティだった(それは高校までそう)。
一方で、書店で伊坂の本が置いてあるあたり(=平積みの人気作コーナー)にある本で気になるのを読みあさり、道尾秀介、海堂尊、乙一、東野圭吾あたりはけっこう読んでましたね。
この頃から、広い意味のミステリー嗜好はやはりあったのでしょうが、ミステリにガチでハマるのはもうちょい先のお話。
そんなこんなで中学時代は学校指定カバンのポケットに毎日文庫本を入れて、憎い奴らを殺す計画を立てながらも初恋をして元気に過ごしていました。
結局、その時好きだった人とは中学を卒業してからもしばらくメールのやり取りをしてて、わざわざメール送ってくるなんて俺のこと好きなんじゃないかと思いながらも何事もなく、しかし彼女に勧められたこの小説だけが儚い恋の思い出となって残ったのでした......。
- 作者:森 絵都
- 発売日: 2007/09/10
- メディア: 文庫
今日はこの辺にしときます。
次回は高校編。ミステリと出会うよ!