偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011)

恋愛映画のおすすめで結構よく名前を見かける作品で気になってたんですがやっと観ました。


大学の卒業式の日である1989年7月15日、いいムードになりながらも恋人にならず友達のままでいることに決めたエマとデクスター。
それからも交流は続けながらももどかしい距離感を保つ2人を、23年間の「7月15日」という1日だけを連ねて描いた、凝った構成の作品です。


真面目なエマをアン・ハサウェイ、プレイボーイのデクスターをジム・スタージェスが演じます。
スタージェスは単純に顔がタイプやし、アン・ハサウェイはタイプではないけど序盤の芋っぽいところから後半の垢抜けていく様がさすが(プラダでもそんな役やったな)。

ただストーリーは正直そんなに好みではなく。
なんつーか、2人がさっさとくっつけばいいものを無駄に紆余曲折してその間に別の恋人を作って傷付けたりしてるのが身勝手に感じてあまりときめけなかったですね。
まぁそんでも2人が惹かれ合うことに説得力があればいいんだけど、特に印象的なエピソードもなく、嫌な言い方をすれば主人公同士だから無理やり結びつけられているようにしか見えなかったです。
というか、これはもしかして毎年とある1日だけを描くという構成のせいで、飛び飛びでしか彼らの人生を観れないから愛着が湧きづらいんだと思う。凝ればいいというものでもないなぁ。

また、最後の展開も正直急だし安易だし、まぁ人生や恋愛なんて急なもんだっていうメッセージなのは分かるけどそんでもこれだけ長い期間の物語を観せられた結果があれではちょっと「え〜〜......」て感じでテンション下がります。少なくとも2011年の作品にしてはあまりにベタでは。

デクスターの両親の話とかエマの当て馬彼氏とかはすごく良かったんだけど、そういう脇役の魅力をもっと主役2人に注ぎ込んでほしかった気がしちゃいます。