2017年刊行の穂村弘のエッセイ集。
穂村さんのエッセイを読むのもなんだかんだ久しぶりでしたが、本書は最近出た本だからか全体にちょっと若い頃より丸くなってる感じ(っても昔だってトキントキンに尖ってたわけじゃないけど)がします。
あと、歳をとって中高年あるあるみたいな話もちょいちょい出てきて、数年前からの浅いファンだけどなんか感慨深かった。
とはいえ言ってることはやっぱいつもと変わらず、自分のダメさをぼやきつつも、私たちが日常の中で確かに感じていながら見落としているサムシングを言葉にして思い出させてくれるような心地の良いエッセイ。
好きなエピソードとしては、「男の幻滅ポイント」と「水曜日を休みに」には笑った。
穂村さんのエッセイにはよくスピッツが出てくるけど、今回もスピッツ≒チューリップの話が面白かった。
あと、「めんどくさくて」「不審者に似た人」という2話続きのエピソードで書かれてることがまるっきりそのまんま私だったので共感とかを超えてなんでこんなに同じなんだろうと気持ち悪くなりました。
高校の部活の話は、穂村さんの通っていた高校がうちの母親と一緒(しかも2歳差だから1年間被ってるらしい)でうちの地元名古屋の高校なので、どこか親近感を覚えてよりエモかった。
この人のエッセイを読むと、なんか自分みたいなダメ人間でものほほんと生きててもいいんだなという気になれて癒されます。ありがとうございました。