偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ドン・ジョン(2013)

大嫌い(大好き)な『(500)日のサマー』の主演のジョセフ・ゴードン・レヴィットさんが監督・脚本・主演を務めた下ネタ満載ラブコメ

ドン・ジョン(字幕版)

ドン・ジョン(字幕版)

  • ジョセフ・ゴードン・レヴィット
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ナイトクラブで百発百中のお持ち帰り率を誇ることからドンファンに引っ掛けて「ドンジョン」と渾名される主人公のジョン。
しかしある夜、世界一の美女バーバラに出会う。難攻不落の彼女をなんとか落とし、真剣に付き合うことに決めたジョン。しかし、裏の趣味であるポルノ鑑賞がバレてしまい......。


もうね、なんでこんなん脚本書いて自分で監督してまで撮ったんやレヴィット!ってくらいしょーもない話なんだけど、嫌いじゃなかったです。

とりあえず、そのレヴィットくんが『(500)サマー』の時とは打って変わってマッチョでモテモテでヤリまくりの役でその落差に驚きました。
と言っても、サマーの内気なトムも、本作のイケイケなジョンも、恋や愛に対して不器用で迷っているところはむしろ似ていて、だからイメージ違いすぎることもなくすんなり受け入れられました(500サマー愛が強すぎてイメージ崩されたくないので......)。

まぁ内容は大半は男子が共感する系下ネタおバカ映画でありまして。
セックスもいいけどポルノはそれと別モノっていう考えのジョンがセックスがいかに思ったほど良くなくてポルノがいかに最高かを滔々と語っていくところに首がもげるくらい「わかるわかる〜」と頷いていたら妻に睨まれましたが......。
しかしそういうあけすけに性にまつわる身も蓋もない本音をぶちまけていく爽快さはこういうバカ映画でしか味わえなくて、普段真面目な映画ばっかり見てるので息抜きにちょうど良かったです。

構成は結構ミニマルで、主にクラブで女持ち帰ってセックスする、車で教会に通う、ジムに行く、実家に帰る、夜間学校に通う、ポルノを見る、という6つのシークエンスがぐるぐると繰り返され、その繰り返しの中に少しずつ変化があるって感じで面白かったです。

スカヨハ演じるバーバラが激エロだったのも良かったですが、彼女のキャラ造形があまりに雑なのはちょっとどうかと思わなくも......いやちゃうねん、そうやって真面目に考えてしまうとアカンねんこういうバカ映画は。まぁでももうちょいなんか良いところがあってもいいんじゃないか......と思っちゃいますけどね。
一方、ジュリアン・ムーア演じるエスターという謎の女は何者なのか分からんミステリアスな魅力があり、出始めの時と最後とで大きく印象が変わる良いキャラでした。
あと、ああなるとはわかってはいたけど妹が可愛すぎて死にました。

て感じでまぁレヴィットさんこんなバカ映画を監督してまで撮りたかったんか!?とは思っちゃうけどまぁ気楽に観れてそれなりに面白かったです。