偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ファイナル・デッドコースター(2006)


卒業パーティーで夜の遊園地で遊ぶ高校生たち。しかしジェットコースターに乗ろうとした時にウェンディは悲惨な事故の場面を幻視する。パニックを起こした彼女は数人の同級生らと共にコースターを降ろされるが、その直後に事故が現実のものとなってしまう。
事故で恋人を失ったウェンディだったが、その後さらに生存者たちが次々と不審な死を遂げていく。遊園地で撮影した写真に死のヒントがあることに気付いた彼女は、同じく恋人を失った同級生のケヴィンと共に死の連鎖を防ごうとするが......。

ファイナル・デッドコースター (字幕版)

ファイナル・デッドコースター (字幕版)

  • メリー・エリザベス・ウィンステッド
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シリーズ3作目ですが、なんとまだまだ面白い!
2作目が面白いことはあっても3作目まで面白いなんてのは非常に稀でありまして、本作はそんな希少な作品なわけですね。

なんせ本作、ここに来てストーリーの安定感がすごい。変に奇を衒ったりおふざけに走ったりせず、マンネリ化することもなく、ちゃんとB級映画やってんのが偉い!

とりあえず主人公たちはわりとまともだけど周りの奴らは結構アホばっかなのがアメリカの青春ホラーって感じですごく良いし、アホなりにキャラが立っていてすぐ死ぬキャラでも印象的だし愛着が湧くのが凄い。その点次作なんかはホントにただアホなだけで空っぽだから愛着もクソもないからね。

死に方も、まぁそもそもみんな危険な場所に行くので死ぬやろなぁという感じはしてしまいますが、その分死に方のバリエーションは豊か。中でも最初の死はシリーズ中でも最もインパクト強いと思います。もう、あそこに行った時点でこうなるのは分かってるんだけど、分かってても恐ろしい......。

そして、本作では「写真に死のヒントが写る」というこれまでになかった要素が追加されることでマンネリ化を防ぎつつ新たなサスペンスを生み出しています。
また、主人公のウェンディとバディ的な立ち位置のケヴィンとが互いに死んだ恋人の友達という微妙な関係性であることも独特の良さを出してます。

冒頭が遊園地なのに対してクライマックスはお祭りなのも最初から最後まで盛り上げ上手!ド派手なクライマックスはもちろん楽しいし、その後のオチもお約束って感じで、最後までしっかり面白かったです!