偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年、私的アルバムランキング!!!

はい、毎年恒例の今年のアルバムランキングのコーナーです!今年は個人的には今まで聴いてなかったあれやこれやを聴いた年でしたがそれがみんな元から人気あるバンド、アーティストばっかだからなんか客観的には目新しさほぼ皆無のランキングになっちまいま…

2023年に観た映画ベスト!

さて、今年も間も無く終わるので、恒例の今年のベストシリーズ、映画編です。今年は自分の中で映画を観る年にしてたので映画めちゃくちゃ観ましたね。ここ数年だとダントツ1番観たと思う。特に今年は映画館にいっぱい行こうという目標を立てていて、今までの…

PERFECT DAYS(2023)

トイレ清掃員の平山の淡々とした繰り返しのようでいて毎日が新しい日々を描く、ヴィム・ヴェンダース監督による日本を舞台にした新作。いや〜なんかもう、とんでもなく良かったんだけど、一方であまりにも美化しすぎではあり普通に労働してる身としては「い…

窓ぎわのトットちゃん(2023)

太平洋戦争直前の日本。 落ち着きがなく悪気なく授業を妨害してしまうために学校を追放された黒柳徹子ことトットちゃん。新しく入学することになったトモエ学園は生徒の自主性を重んじる、トットちゃんに合った学校だった。彼女はそこで小児マヒを抱える少年…

ひつじのショーン UFOフィーバー!(2019)

PERFECT DAYSを観に行ったんだけど始まる前にこれ観れそうだなと思って衝動的に観た。 巷は冬休みで映画館は子供で賑わっていたので、この子たちと一緒に私みたいなおっさんがひつじのショーンを観るのは恥ずかしいな......と思ってたら、ガキどもはSPY×FAMI…

2023年に読んだ小説ベスト20

はい、毎年恒例の年末ランキング、最初は今年読んだ本ランキングです! 例年のことですが私が今年読んだやつであって今年の新作とかではないので悪しからず。(写真は今年美味しかったケーキランキング上位のやつです) 今年は中盤まではかなり暇な方でめちゃ…

ちくま文庫『孤独まんが』感想

古くは1967年から、直近だと2022年までの「孤独」をテーマにした短編漫画18編を集めたアンソロジー。孤独まんが (ちくま文庫 や-50-7)筑摩書房Amazon 「落伍」、「無用」、「風狂」、「隠遁」、そして「エピローグ」という5章立てで様々な孤独の姿を読ませる…

新・13日の金曜日(1985)

前作での出来事で精神を病んだトミーは、田舎の森の中にある治療施設に入る。ジェイソンの幻覚を見て怯えるトミーだったが、やがて施設や近隣で凄惨な殺人事件が起こるようになり......。新13日の金曜日 PART5 [DVD]メラニー・キナマンAmazon The Final Chap…

悪魔のサンタクロース(1984)

子供の頃、クリスマスイブにサンタクロースに扮した強盗に両親を殺されたビリー。孤児院で育てられた彼だったが、やがて青年になり、勤め先でサンタの扮装をしなければならなくなって......。悪魔のサンタクロース 惨殺の斧 [Blu-ray]リリアン・ショーヴァン…

惡の華(2019)

押見修造の大好きな漫画の実写版ということでめちゃくちゃ観たくなかったのですが、大好きなリーガルリリーが主題歌・挿入歌を担当していたので観ないわけにもいかずついに観てしまいました。惡の華伊藤健太郎Amazon ボードレールの『惡の華』を愛読する中学…

スピッツ『JAMBOREE TOUR23-24 HIMITSU STUDIO』日本ガイシホール 2023.12.20

スピッツのライブに6年半ぶりに行ってきました......。前回が、2017年7月のサーティーフィフティーツアー。その後見っけツアーがコロナで中止となり、振替公演もちょっとまだ怖かったので行かず、そうこうしてるうちに6年以上経ってました......。 まぁその…

怪奇な手ざわり『現代怪奇談』

本日は「怪奇な手ざわり」さんの『現代怪奇談』シリーズをご紹介します。「怪奇な手ざわり」さんというのは、YouTubeに短編の自主制作ホラー映画をアップしている人?集団?です。 福岡の人らしいこと以外に詳しい情報は全くないのがミステリアスで良いです…

伊井圭『啄木鳥探偵處』感想

上京してきた石川啄木を探偵役、親友の金田一京助を助手役にした明治後期が舞台の連作短編集。 隠れた良作というイメージでしたがアニメ化されていたと知って驚いています。というか、著者は亡くなっているし一部のミステリファンが知ってるくらいの本作を何…

小野美由紀『ピュア』感想

なんかTwitterで話題になってたので買ってみました。ピュア (ハヤカワ文庫JA)作者:小野 美由紀早川書房Amazonセックス/ジェンダーの両方の意味での「性」に焦点を当てた6編収録のSF短編集。 SFとは言っても近年主流の数学とか物理学とかAIがどうたら脳がどう…

本岡類『白い森の幽霊殺人』感想

新作が出て話題の著者の代表作。 本格ミステリフラッシュバックか何かで名前を見て前々から気になっていたんですがこの機会に読んでみました!白い森の幽霊殺人 (角川文庫)作者:本岡 類角川書店Amazon 脱サラして長野のスキー場で妻とペンションを営む邦彦。…

田南透『翼をください』感想

創元推理文庫の背表紙に聞いたことのない著者と作品名に素敵な表紙で思わず買ってしまったジャケ買い本。翼をください (創元推理文庫)作者:田南 透東京創元社Amazon 大学生の景太はゼミの同期の石元陽菜に片想いをしていたが、彼女の本性は自己中心的で男た…

白井智之『名探偵のはらわた』感想

あんま読んだことなくて、そのくせグロくてゲロくて汚いイメージが先行してなかなか手が伸びない白石先生ですが、本作はその辺かなりマイルドで読みやすいと聞いて読んでみました。 名探偵のはらわた(新潮文庫)作者:白井智之新潮社Amazon 確かに、エログロ…

根本尚『人形紳士 少女探偵・火脚葉月最後の事件』感想

フォロワーさんが褒めてたので読んでみました。人形紳士 少女探偵・火脚葉月 最後の事件作者:根本尚Amazon『怪奇探偵・写楽炎』のシリーズでミステリ界隈で話題になっていた著者の単発のミステリ漫画。 本作はネームの状態のため「販売」は出来ませんという…

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023)

廃村となった哭倉村を訪れた鬼太郎と目玉おやじ(と猫娘)。目玉おやじはそこでかつて体験した、鬼太郎の生誕にも関わる事件を思い出すーー。 ーー時は昭和31年。血液銀行に勤める水木は、取引先である龍賀一族の当主・時貞翁の死を受けて哭倉村を訪れる。そこ…

13日の金曜日・完結編(1984)

頭に斧を突き立てられて死んだはずのジェイソンは死体安置所で蘇り逃走。 一方、湖畔に住む姉弟はジェイソンへの復讐を目論む青年と出会い、彼らの隣家には浮かれた若者たちがバカンスにやってきて......。13日の金曜日・完結編 (字幕版)キンバリー・ベッ…

CUBE 一度入ったら、最後(2021)

目が覚めるとキューブが連なる建造物に閉じ込められていた男女6人。彼らは部屋を渡り歩きながら脱出経路を探すが、いくつかの部屋には死の罠が仕掛けられていて......。CUBE 一度入ったら、最後菅田 将暉Amazon ヴィンチェンゾ・ナタリ監督による1997年の低…

スプライス(2008)

科学者のクライブとエルザ夫妻は人間の遺伝子を使って新種生物の生成に成功する。生まれた奇怪な生き物をドレンと名付けて育てる2人。ドレンは徐々に人間の女性のような姿に成長していくが......。スプライス(字幕版)エイドリアン・ブロディAmazon 『CUBE…

CUBE(1997)

目が覚めるとキューブが連なる建造物に閉じ込められていた男女6人。彼らは部屋を渡り歩きながら脱出経路を探すが、いくつかの部屋には死の罠が仕掛けられていて......。キューブ (Cube)ニコール・デ・ボアAmazon 覚えてないけどたぶん10年近く前に観た本作。…

村田沙耶香『きれいなシワの作り方〜淑女の思春期病』感想

『コンビニ人間』の1年前に刊行された、村田沙耶香による30歳を過ぎてからの心身の変化を綴ったエッセイ集。きれいなシワの作り方~淑女の思春期病作者:村田沙耶香マガジンハウスAmazonなんせあの『コンビニ人間』とか『殺人出産』の作者のエッセイなのでど…

ジェヨン『書籍修繕という仕事』感想

アメリカの大学で書籍修繕を学び、韓国に帰国して「ジェヨン書籍修繕」というお店を開いた書籍修繕家の著者が、今まで受けた依頼について書くエッセイ。書籍修繕という仕事: 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる作者:ジェヨン原書房Amazon まず…

道尾秀介『きこえる』感想

最後に挿入された写真で真相がわかる『いけない』シリーズでお馴染みの著者による、QRコードを読み取って聞ける音声で真相が分かるミステリ短編集。きこえる作者:道尾秀介講談社Amazon「小説×音声」を掲げ、スマホを使って音を聞くことでオチが分かるという…

津島誠司『A先生の名推理』感想

A先生の名推理 (講談社ノベルス)作者:津島 誠司講談社Amazon ミステリ界隈でカルト的な人気を誇る短編集で、前から存在は知ってて気になってたんですがついに読みました。いつも鎌倉の喫茶店にいて、語り手の話を聞いただけで奇妙な事件を解決してみせる「A…

背筋『近畿地方のある場所について』感想

「カクヨム」に連載されていて各所で話題になっていた作品の書籍化。 妻が気になると言って買ってきたので一緒に読みましたがめちゃくちゃ面白かったし怖かったです!近畿地方のある場所について作者:背筋KADOKAWAAmazonタイトル通り、近畿地方にあるとある…

光田寿『魔神転生』感想

フォロワーのブブミツさんこと光田寿氏がこれまで書き溜めてきた様々なサブジャンルのミステリ短編を集め、表題作でそれらをまとめあげた連作?短編集。魔神転生 (あじさいノベルス)作者:光田寿あじさいノベルスAmazon全体に悪ノリが過ぎるやろみたいな内容…

小山田浩子『穴』感想

芥川賞を受賞した表題作に、2本の短編を加えた、著者の2冊目の作品集。穴(新潮文庫)作者:小山田浩子新潮社Amazon 「穴」 夫の転勤に伴い、田舎にある義母の持ち家に越してきたあさひ。引越しのために仕事を辞め、主婦としての生活を持て余す彼女はある日散…