偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

シソンヌライブ[une]雑感

同居人がシソンヌにハマりまして、ここんとこ毎日のようにライブDVDを観てまして、私は全部観るの2回目なんでせっかくだし感想ってほどでもないけどメモ程度の雑感を1作目から順番に書いていこうかなと思います。


シソンヌライブ[une] [DVD]

シソンヌライブ[une] [DVD]

  • 発売日: 2016/07/13
  • メディア: DVD



《収録作品》
姉弟/職員室/立てこもり/名店への道/ガソリンスタンド/汚し屋/スポーツ交差点/町の美容室


というわけで、本作がシソンヌライブのDVD1作目。
2013年に行われた「シソンヌライブ」第一弾公演を2015年に再演したものらしいっす。

そもそもシソンヌとは......。
私もDVD全部持ってるだけで人となりには詳しくないのですが、ボケでネタ作りを担当する「じろう」とツッコミの「長谷川」から成るコント芸人です。
彼らのネタの魅力は何と言ってもじろうちゃんの演じる奇抜なキャラクター。
奇抜なんだけど、めちゃくちゃリアリティがあってこんな人いそうと思わされちゃうし愛着が沸いてしまうのが凄い。彼らはみんなちょっと臆病だったり自分の世界観が強すぎたりしてなかなか世の中に馴染めなそうな人たちで、そういうところにネクラ陰キャとしては共感しちゃうからこその面白さだと思うので、陰キャにおすすめしたいコンビっすね。
そして長谷川さんがそんなじろうちゃんにビシバシ突っ込むんだけど、その突っ込みにもどこか優しさというか、変なとこを受け入れた上で突っ込んでる感じがあって優しい気持ちになれます。
そしてネタ(≒キャラ)の幅広さも凄い。
じろうちゃんは老若男女どんな役でもこなすし、どんな役でもその役のキャラに見えちゃいます。特に女役とおっさんは上手いし好きなんだろうなって感じで、ことあるごとに女装するところも魅力です。
とはいえキャラだけじゃなくて、一つ一つのコントがひとつのお話として見れちゃうのも素敵。特に各ライブのラストでは泣ける話とか凝った構成の長めのとかをやることが多いので見入ってしまいます。

と長くなりましたがそんな感じのシソンヌってコンビっす。大好き。



で、本作はそんな彼らのライブシリーズ第一弾(の再演)。

1本目とは思えないほどのクオリティで、キャラもメンヘラ(?)の姉から生真面目な教師や公務員から普通の青年からやばいおっさんから少女マンガのヒロインまで実に幅広い!
あと今回見返して気づいたんですが、最後の「町の美容院」に既にこの後おなじみのレギュラーキャラになる野村くんが出てたんですね。

個人的にこの巻でお気に入りなのはその「町の美容院」「立てこもり」です。
前者は野村くんの可愛らしさ全開で微笑ましくも大爆笑しちゃうし普通に良い話でちょっと泣けました。
後者は「トキ」というワードが優勝。

その他、姉弟は印象的なワンワードだけを繰り返してイライラの直前にある笑いを追求していて面白い。

「職員室」「名店への道」は長谷川さんがけっこう上からごちゃごちゃ言ってくるのに対してじろうちゃんが生真面目なんだけどズレた返しをするのが楽しいですね。

「ガソリンスタンド」は、あんま見たことないけどドリフとかを思わせる動きとアホくさいキャラで笑わせるやつ。志村さんとか意識してそうな感じします。

「汚し屋」はじろうちゃんが普通の青年の役なのが新鮮で、かといって長谷川さんもそんなにキャラが濃くはないんだけど設定の面白さで魅せてくれるタイプのお話。


「スポーツ交差点」は「それをここまで取り上げるか」と思うような地味すぎる題材選びが絶妙で、そこに昔懐かしい少女漫画のノリがぶつかって意味わかんねえ迷作でした。

いやはや、どれもめちゃ面白かったです。