偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

水鏡月聖『僕らは「読み」を間違える2』感想

1巻がなかなか面白かったので続刊も読みました。というか刊行ペースが早え。



とある事件によりエースの2年生・城山とその取り巻きが脱退してしまった演劇部。「僕」はひょんなことから秋の文化祭の演劇の脚本を任されることになり......。


1巻は各キャラクターの本心や彼らの相関図自体が「謎」となった青春ミステリでした。
本作ではその相関図を引き継いでいるので人間関係がある程度固まってしまっていて意外性は薄いですが、その分、ラブコメとして分かっているからこそのもどかしさとかを味わえました。
また、今回は文化祭という軸が一本あってそこに向かって各々の思惑が絡み合っていく構成なので、全体のまとまりはあったかな。
今回は演劇編ということで文学作品の引用はシェイクスピアオンリー。
しかも結構内容が本筋に関わってくるんですが、正直ロミジュリは聞いたことある程度でほとんど全く知らないので、あらすじは説明されるものの覚えきれずあんまり乗れなかったのはあります......。
ただ、舞台の上で全ての思惑がぶつかる展開はやはりドラマティックで良かったです。