偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲーム(1997)

投資銀行の経営者のニコラスは48歳の誕生日に弟のコンラッドと再会する。奇しくも父親が死んだのと同じ年齢になった彼に、弟はCRSという会社が提供する"ゲーム"をプレゼントする。しかし、"ゲーム"はやがて彼の日常を侵食しはじめ......。ゲーム ユニバーサ…

クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021)

カスカベ防衛隊の5人は、全寮制のエリート学校・天カス学園に体験入学することになる。学園では生徒たちがポイントで管理されており、体験期間中にポイントを貯めるとそのまま入学できるという。エリートを目指す風間くんはポイント稼ぎに躍起になるが、やが…

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014)

しんのすけと遊んでたらぎっくり腰になったひろしは、ひょんなことからロボットに改造されてしまう。腰が治るどころか無尽蔵の体力に様々な便利機能を手に入れたロボとーちゃんに喜ぶしんのすけと戸惑うみさえ。しかし、それは日本の父親の復権を目論む「ち…

レディバード(2017)

片田舎の町に住む高校3年生のクリスティンこと自称"レディバード"が都会の大学に進学する夢を抱きながら家族や親友や恋人と関わっていく様を描く青春ドラマ。レディ・バード (字幕版)シアーシャ・ローナンAmazon バービー観たんで同じくグレタ・ガーウィグ監…

バービー(2023)

夢のような毎日が続く"バービーランド"でパーティーやビーチバレーをして暮らすバービー。しかし、ある日から彼女は死について考え始め、踵が地面に付くようになってしまう!原因を探るために「現実世界」へ向かうバービーとBFのケンだったが......。 前にな…

ザ・バニシング 消失(1988)

オランダからフランスへと車で旅行するレックスとサスキアのカップル。しかし、立ち寄ったドライブインでサスキアが姿を消してしまう。 そして3年後、サスキアを探し続けるレックスの元に犯人を名乗る男からの手紙が届き......。ザ・バニシング-消失-ベルナ…

岡野大嗣『音楽』感想

スピッツファンの歌人・岡本真帆さんの本を買いに行った時に、同じ短歌コーナーにあってシンプルなタイトルと装丁に惹かれ、パラパラと読んでみてると音楽ファンとして共感できるものばっかりだったので、一緒に衝動買いしました。音楽作者:岡野 大嗣ナナロ…

上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』感想

気鋭の歌人上坂あゆ美さんの第一歌集。去年ハマった『水上バス浅草行き』の著者である岡本真帆さんのマブダチということで気になっていたんですが、この度岡本さんと共著で「歌集副読本『水上バス浅草行き』と『老人ホームで死ぬほどモテたい』を読む」とい…

泡坂妻夫『蔭桔梗』感想

創元推理文庫の泡坂妻夫生誕90周年記念復刊の第3弾にしてラストは、直木賞を受賞した本作。蔭桔梗 (創元推理文庫)作者:泡坂 妻夫東京創元社Amazon11編からなる短編集で、主に職人の世界の男女の機微を描いた作品が収録されています。 スマホとかAIとかがある…

シャーリィ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』感想

本棚探偵さんに猛プッシュされたのでとりあえず借りたけど海外モノって読み始めるまでに気合が要るんだよなぁ〜とか言いながらしばらく放置しておりました。申し訳ございません。ようやく読んだよ。ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)作者:シャーリイ・…

多島斗志之『離愁』感想

2003年刊行の多島斗志之後期の作品『汚名』の改題文庫化。 ちなみに「離愁」というタイトルに関してですが、著者の「追憶列車」という短編では同名の映画がモチーフになっていたりもしますね。離愁 (角川文庫)作者:多島 斗志之KADOKAWAAmazon 高校時代にドイ…

吉野源三郎『君たちはどう生きるか?』感想

宮崎駿監督による同名映画が話題になっているため本作も読みました。 ちなみに映画は本作の影響を受けているだけで直接の原作とかではないです。君たちはどう生きるか (岩波文庫)作者:吉野 源三郎岩波書店Amazon コペル君という渾名の15歳の本田潤一少年が、…

村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』感想

1995年の阪神淡路大震災の直後、被災地から離れた場所にいた人たちを主人公に間接的に震災を描いた短編集。 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)作者:村上春樹新潮社Amazon 村上春樹という作家に対しては苦手意識7割、興味3割くらいの感情を抱いていて、そ…

辻村深月『朝が来る』感想

朝が来る (文春文庫)作者:辻村 深月文藝春秋Amazon 子供ができず、長く苦しい不妊治療の末に諦めに至った佐都子と清和の夫婦。しかし、テレビで「特別養子縁組」を知り、とある少女が産んだ子供を引き取ることになる。引き取った息子を朝斗と名付けて大切に…

道尾秀介『カエルの小指』感想

『カラスの親指』から11年越しに刊行された続編。カエルの小指 a murder of crows カラスの親指 (講談社文庫)作者:道尾秀介講談社Amazon 詐欺から足を洗って実演販売士として慎ましくも真っ当に生きてきた武沢竹夫。ある日、中学生のキョウが…

藤野恵美『淀川八景』感想

タイトル通り、淀川近辺に住む8人の人々を主人公にした8編の短めの短編からなるオムニバス短編集。 淀川八景 (文春文庫)作者:藤野 恵美文藝春秋Amazon 表紙や帯のイメージからほんわかした話を想像していたのですが、冒頭から幼少期に横暴な父親によるDVを見…

米津玄師『STRAY SHEEP』全曲感想

Twitter(現X)の友達のサラかえでさんにこのアルバムを聴かせて語り合う会をすることになったので、サラさんへのご紹介のつもりで感想を書き始めたら例によって中身ないのにやたら長くなってしまいごめんなさい。流し読みでいいから読んでくれたら嬉しいな〜…

群ようこ『トラブルクッキング』感想

『かもめ食堂』などでお馴染みの群ようこさんによるお料理エッセイ。 フォロワーのまひろさんにおすすめいただきました。 トラブル クッキング (集英社文庫)作者:群 ようこ集英社Amazonお馴染み、と言っても実は群さんの作品は読んだことがなく本書が初読み…

町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』感想

なんか単行本が出た時にもめっちゃ本屋で見かけてたけど文庫になってまためっちゃ見かけるようになったので読んでみました。52ヘルツのクジラたち【特典付き】 (中公文庫)作者:町田そのこ中央公論新社Amazon 逃げるようにして自分を知る人のいない海辺の町へ…

山田風太郎『虚像淫楽』感想

角川さんの山田風太郎賞ベストコレクションより、初期のミステリ作品を集めた短編集です。 虚像淫楽 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)作者:山田 風太郎KADOKAWAAmazon 「眼中の悪魔」 恋人が知人の男と結婚してしまった医者の主人公だったが、夫とな…

イノセンツ(2021)

最近よく映画館に行くのですが、こないだなんかの映画を観に行ったときに本作の予告編が流れて「めちゃくちゃ良さそう!」と思い、仕事終わりにふらっと観に行きました。 なんせ仕事終わりだったので、今布団が目の前にあったら一瞬で寝れるわってくらい眠く…

村崎友『修学旅行は終わらない』感想

大嫌いな『風琴密室』の著者による、修学旅行の最後の夜を描いた群像劇。 修学旅行は終わらない (MF文庫 ダ・ヴィンチ む)作者:村崎 友メディアファクトリーAmazon 修学旅行の最後の夜、一馬、ごっちゃん、甚太の3人は、リークされた先生の見回り表を手に女…

大島清昭『影踏亭の怪談』感想

ミステリーズ!新人賞!を受賞した表題作を含む4編の連作短編集。影踏亭の怪談 (創元推理文庫)作者:大島 清昭東京創元社Amazon怪談と本格ミステリ(すべて密室もの)を融合させた連作集。 主人公である怪談作家の呻木叫子の原稿と、各話の語り手の視点とが交互…

藤野恵美『初恋写真』感想

同じ角川文庫から出てる『ぼくの恋人』『わたしの嘘』『ふたりの文化祭』の高校生3部作に連なる、大学が舞台の青春恋愛小説。 1人共通する登場人物もいて、単行本版はタイトルも『きみの傷跡』と連なっていたのですが、文庫では改題されて一連の作品群である…

サプライズ(2011)

両親の結婚35周年を祝うために集まった4人の子供とそのパートナーたち。しかし、夕食の最中、窓の外から撃たれたクロスボウの矢で長女の彼氏が殺される。そして、動物の仮面を被った集団が家に侵入し......。ずっと昔に1回観たことあるけどわりと忘れてたの…

Mr.ノーバディ(2021)

地味で冴えない中年男のハッチ。ある日家に忍び込んだ泥棒に反撃しなかったことで家族からも失望されてしまう。しかし、ある日路線バスでチンピラたちが女性に絡むのを見てついにキレた彼は、チンピラたちを1人でブチのめすが......。 ナメてた相手が実は殺…

黒い家(1999)

保険会社に勤める若槻。ある日菰田重徳という契約者からの電話を受けて家を訪ねると、息子の和也が釣りを釣っているのを発見する。それから、菰田は和也の保険金がいつ下りるのかと毎日若槻に粘着するようになり......。 夏といえば角川ホラー! というわけ…

坂本龍一『音楽は自由にする』

2009年に刊行の、先日亡くなった坂本龍一氏の自伝みたいな本。音楽は自由にする(新潮文庫)作者:坂本龍一新潮社Amazon本書は坂本龍一が自身のこれまでの人生を振り返るインタビュー企画として雑誌で連載されたものをまとめた本です。 1950年代の幼少期の思…

津村記久子『エヴリシング・フロウズ』感想

エヴリシング・フロウズ (文春文庫)作者:津村記久子文藝春秋Amazon 中3になったヒロシはつるんでいた奴らと別のクラスになり、前の席に座る大人びた男・ヤザワとつるむようになる。しかしある時、ヤザワがかつて下級生の女子を妊娠させて捨てたという噂が流…

高山羽根子『うどん、キツネつきの』感想

第1回創元SF短編賞の佳作となった表題作をはじめ5編を収録する、少し不思議なSF短編集。うどん キツネつきの (創元SF文庫)作者:高山 羽根子東京創元社Amazon なんて言うんだろう、文体は読みやすく、何が書かれているかは分かりづらいところはないんだけど…