偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2018年、私的アルバムランキング!!

はい、こんにちは。年末ですね。もしかしたらこの記事を全て書き上げて投稿する頃には新年かも?そうだったらあけおめ!

はい、私ももう社会人2年目なので、仕事も昨年より忙しくて映画も読書もしばらくあんまり無理状態で、仕方がないのでブログを書いて過ごしています。
そんなわけで忙しいから雑めにいきますが、今年の新作アルバムランキングです。

まず今年の一番の音楽的トピックといえば、そう、『ボヘミアン・ラプソディ』ですね!
これは一応私個人の話のつもりで書いてますが、世間的にも間違ってないような気がしちゃいます。そんくらいあのブームは凄い。「凄かった」じゃなくて未だに継続しているものとして「凄い」と書かされたのも凄い!
私も影響を受けやすいタチなので、Filmarksのフォロワーの影響でこの映画を見て、映画の影響でクイーンを聴いて、その影響で今まで避けていた洋楽に手を出してしまいました......。たぶん来年はもう洋楽ばっか聴いて、来年のこのランキングも洋楽ばっかになってることでしょう。「今年の1位はぶっちぎりでレディへですよね!」とか言ってる自分......想像つかんけどね......。

とはいえ、今年はまだまだ邦ロック優勢でお送りしたいと思いますので、ゆるりとお付き合いくださいませ〜。

ではまず第10位から!




10位 Mr.Children「重力と呼吸」

重力と呼吸

重力と呼吸

ミスチル、4年ぶりのアルバムです。
4年前の前作『Reflection』は、もう聞くや否や私の中でミスチル最高傑作の地位をほしいままにして、23曲入りというそのボリュームも併せて「こんな作品の後で何を出すんだろう」と期待と不安の入り混じった気持ちにさせられました。
あれから4年......。

なんと待望の本作は10曲入り!4年待ってそんだけ!?前は23曲だったのに!?と、収録内容が発表された段階では思わずキレてしまいました。だってそもそも私ミスチルアンチだし〜。
で、蓋を開けてみれば、装飾てんこ盛り曲調幅広贅沢全部乗せアルバムだった前作と対照的に、装飾や技巧を削ぎ落としたアルバムでびっくりというか納得というか。

しかし、色々削ぎ落としてはいるけど物足りなさはなく、むしろ「引き算の美学」と言いたくなるようなシンプル・イズ・ベストな傑作になっていました。
アンチだからメンバーの名前知らないけど、ドラムのJIMさんだかJUNさんだかの「ワンツー」というコールから、生音のように私の耳に、体に迫ってくるロックバンドの演奏に興奮せざるを得ない一曲目の「Your Song」。その歌詞も、「そう君じゃなきゃ」と歌う力強いラブソングにして、どこかバンドの歩んできた年月を想うようでもあり、ファンには感慨深いオープニングとなっているのでしょう。いや、俺はファンじゃねえからな?
その後も、歌が一歩前に出ていた今までのミスチルとは違い、バンドの演奏が力強く前面に押し出されたシンプルな曲が続き、ロックファンには嬉しいアルバムです。
そして、『君の膵臓をたべたい』のタイアップソングとして、(原作読んだだけでタイアップした映画版の方は観てないですが......)キミスイの内容とのリンクがヤバすぎて何回聴いても泣きながら鳥肌が立つ「himawari」でクライマックスを迎え、今までを総括して前に進むような穏やかな大作「皮膚呼吸」でフィナーレという、10曲しか入っていないとは思えない充実度。

これはファンから「最高傑作」「新しいミスチルのはじまり」などと讃えられるのも納得です。特に、「ミスチルのロックチューンといえば『NOT FOUND』!」みたいな人なら絶対ハマるはず。
残念ながら私はミスチルのロックといえば「マシンガンをぶっ放せ」「ニシエヒガシエ」「REM」派なので、10位と低めに置かせてもらいましたが、名盤です。




9位 APOGEE「HIGHER DEEPER」

Higher Deeper

Higher Deeper


ミスチルと同じく、こちらも4年だか5年だかぶりの久しぶりアルバムにして10曲しか入ってない腹8分目作品。
しっかし、オシャレですよねぇ。オシャレすぎてもう特に語ることもないけど、とりあえずこれ流しとくだけで毎日楽しく過ごせます。特に雨バンドと自称するだけあって、気持ちがどんよりしがちな雨の日にこれを聴くとそれだけで雨もいいかなと思えます。

とはいえ楽しいばかりではなく、中盤ではちょっとダークな雰囲気のゾーンもあったり。でもそこを抜けて最後の「RAINDROPS」を聴くとまたテンション上がりますね。
そんな、あるだけで生活が豊かになる名盤です。




8位 RADWIMPS「ANTI ANTI GENERATION」

ANTI ANTI GENERATION(初回限定盤)(DVD付)

ANTI ANTI GENERATION(初回限定盤)(DVD付)


ラッドはねぇ、今年ライブ行ったんすよ。もうね、良かった。ラッドの曲なんてキラーチューンばっかだし、今回のツアーはアルバムツアーじゃない分新旧の色んな曲を幅広くやってくれてめっちゃ楽しかったです。
とまぁ、ライブの話はいいんですが、そのライブでリリースが発表されたのが本作アンチアンタイジェネレーションでありました。
その時から楽しみに待っていたのですが、いざ聴いてみるともう大満足。

まず、曲数多い。17曲入り。イントロや幕間を除いても15曲というボリューム感。しかも、それらの中でお互いに似た曲がない......と言っても、過去の曲に雰囲気似てるとかは結構ありますが、まぁそれはそれとして、キラキラ寄りだった前作よりも、キラキラからオシャレからダークまで、幅広い曲調を楽しめました。

で、もう一つ特徴的なのが、フィーチャリングの多さ。今までラッドの曲に「feat.」の文字はなかったと思います。しかし、人間開花した今となってはもうどんどん外へ開いていこうということなんでしょうね。そんなコラボ曲たちはそれぞれコラボ相手の曲としても通用しそうだけどラッドらしさもあるという絶妙なラインの曲ばっかで、野田洋次郎のプロデュース力の高さを感じさせます。

全曲とにかくバラバラでとっちらかりそうなものですが、最後の「正解」という曲の徳が高すぎて(?)ちゃんとアルバムとしてまとまったような感じを出しているのもいいですね。通しで聞けばとんでもない満腹感のある名盤です。




7位 [Alexandros]「Sleepless in Brooklyn」

Sleepless in Brooklyn(初回限定盤A)(Blu-ray付)

Sleepless in Brooklyn(初回限定盤A)(Blu-ray付)


はい、アレキ。個人的にアレキは知ってるバンドの中で一番ちょうどよく適切にカッコいいという感じがしています。
ハードロック方面にもオシャレミュージック方面にもカッコよく、キレキレなんだけどでも完璧にキメすぎずにたまに外してくるところも含めてガンギマリな感じといいますか。

前作は一般層にまで名前が知れ渡ってから初めてのアルバムということでアレキらしい曲から今までになかった曲まで幅広く多彩なアルバムでした。一方の本作は、それとは逆に今までのアレキらしさの軸をさらにアップデートしたような作品になっています。
具体的には、濁音がついたような演奏のハードなロック、踊れるオシャレミュージック、叙情的なポップチューンの三本柱。ほとんどの曲がこの3つのどれかに当てはまりますが、曲数が(Encore Track除けば)11曲と短めだし、全曲とにかくカッコいいのでスリーパターンだけで飽きるということは全くないです。むしろ心地よすぎて一瞬で聴き終えてしまっててびびります。あれ?もうおしまい?と。しかし、そんなちょっと腹八分目くらいのところにアンコールトラックのシングル2曲が入ることで、満を辞してお腹いっぱいになるという、どこまでもカッコいい名盤です。




6位 ゲスの極み乙女。「好きなら問わない」

好きなら問わない+MTV Unplugged(初回限定盤)<CD+DVD>

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If......もしも、『達磨林檎』がなかったら......。
前作『達磨林檎』は川谷絵音があの騒動での経験をわりとストレートに表出した部分の色濃い問題作でしたが、もしも、あのアルバムがなくて『両成敗』から地続きのアルバムを作るなら......というのが本作の印象です(と、偉そうに言ってますがこれはなんかのインタビューの受け売り)。
前作のような重めのシリアスに寄りかかったアルバムではなく、川谷絵音の最大の武器の「切なさ」は当然たっぷり配合されながらも、遊び心も多めの軽妙なアルバムに仕上がっています。
例えば、同じようなテーマの曲でも、世間からの攻撃に真顔で反撃するような前アルバムの「影ソング」に比べて、本作の「僕は芸能人じゃない」は一歩引いて軽いジョークとして言ってみたような余裕が感じられます。
また、本作のもいっこ特徴としては、恋愛系の曲が多い。もっと言えば、indigo la Endっぽい歌詞の曲、といってもいいかもしれません。川谷絵音のラブソングでも随一の切実さの「もう切ないとは言わせない」や、まじでインディゴじゃん、と思っちゃう「アオミ」のような、切実で切なくも優しい視点のラブソング。こうした曲たちもまた本作にさわやかな風を運んでいます。
実はこのアルバムについては単独で感想を書きたいと思っていながら結局時間がなくて書けませんでしたが、とにかく前作より風通しの良くなった名盤です。




5位 UNISON SQUARE GARDEN「MODE MOOD MODE」

なな、まい、めっ!
という掛け声から始まる、ユニゾンスクエアガルテンの7枚目です。毎回最初に枚数を言うのが楽しいですよねユニゾン
今回も、いつものごとく、とにかく「音が楽しいと書いて音楽でござい!」みたいな、音の楽しさに満ちたアルバムです。
なんかもう、ユニゾンのアルバムってどこがどうとかでもなく、毎回フツーに楽しいだけなのであんまり感想の書きようもないのですが、まぁタイアップシングルが4枚入ってるってことで、かなりキャッチーでポップな、それでいてアルバム曲では遊んだりオシャレミュージックをやってみたりもしてる、なかなか触れ幅の広い名盤です。




4位 クリープハイプ「泣きたくなるほど嬉しい日々に」

泣きたくなるほど嬉しい日々に

泣きたくなるほど嬉しい日々に

なんか最近RADWIMPSのみならずみんな人間開花してるような気がするのですが、ついにあの尾崎世界観までが人間開花してて笑いました。
いつになく素直で前向きで、もちろんクリープらしい毒やネガティヴさもありつつ、それでも聴いた印象が「優しい」だなんて、どうしたクリープハイプ
まず、1曲目の「蛍の光からして今までのアルバムの1曲目にはない落ち着いたゆったりとした曲で、「あれ、いつもとちょっと違う......?」などと思っていると、曲も演奏も歌詞の言葉遊びも下ネタもまるっきりクリープハイプらしい2曲目で「あ、やっぱクリープだ」という安心感。
その後はコラボ曲のクリープだけVerや、タイアップ曲などキャッチーな既発曲続き、かと思えばアルバム新曲ゾーンではストリングスアレンジの曲や長谷川カオナシ渾身のボーカル曲、さらにウェディングソングまで、「あれ、いつもとちょっと違う......?」がまた顔を覗かせます。
でも、最後の「ゆっくり行こう」という曲の歌詞で、ああ、そういうことか......と、なんだか納得して、変わらずに変わるクリープハイプを死ぬまで一生愛してやろうと思える、そんな名盤です。



3位 indigo la End「PULSATE」

PULSATE(初回限定盤)<CD+DVD>

PULSATE(初回限定盤)

いきなりですが、本当はこれが1位です。
だって、好きなバンドに順位なんて付けれないけどスピッツが「別格」「殿堂入り」で、indigo la Endが「一番」であることだけは、もう決まってしまっていてなかなか覆せないから仕方がないですよ。
ただ、去年もインディゴのアルバムを1位にしたし、さすがに2年連続だと出来レースすぎるので、まぁこの辺に置いとこう、というところで。

なんせ、オシャレです。
R&Bやファンク、エレクトロといった要素を、indigo la Endというロックバンドの中に過不足なく組み込んだめちゃくちゃクールなアルバムです。
歌詞の内容はというと、「恋」と「命」という2大テーマはこれまで通り踏襲しつつも、フィクション的な曲と、川谷絵音自身の独白のような私小説的な曲が入り混ざることで、なんと言いますか、主観と客観の遠近感がふらふらと揺れ動くような、独特のメリハリが一枚を通して効いています。
とにかく、さらっと何度でも聴いてしまえるさりげない中毒性が抜群なんですね。それでいて憂いは更に色濃くなり、さらっと聴いているうちにドツボにハマっているような、とにかく地味ながらリスナーをキャッチして二度と離さない名盤です。

ちなみにこのアルバムについては単体で感想を書こうとして年内には間に合わなかったので、そのうちちゃんと書いて載せるかもしれません。




2位 ART-SCHOOL「In Colors」

In Colors

In Colors

昨年はメンヘラになるためにsyrup16gを聴いていたのですが、年末から今年の初めにかけて、そこから派生してメンヘラ御用達バンドのART-SCHOOLに目覚めるという典型的なことをやらかしていました。
その後、神様からメンヘラをやめるお許しが出たのでシロップもアートもそんなに聴かなくなりましたが、今年の初め頃に出たこのアルバムだけはそれからも折に触れて聴いています。というのも、4位のクリープの感想でも最近みんな人間開花しがちと書きましたが、本作もまた、なにやらヤケに希望というかメンヘラのその先の光を歌っています。

一曲目で「死んだ様に君は生きていくのかい?俺はそんな風に生きていたくはない」と高らかに歌いあげ、中盤の私の一番好きな「Tears」という曲では「こんなにも愛されたかった 今度から違う 愛せなきゃ変わらないだろう」と、逆に心配になっちゃうくらいの前向きな決意を歌います。
そして、最後のタイトルトラックでは「焦らず靴紐結んで 光の方へ歩き出すんだ」と、分かりやすくアルバム全体を総決算して前向きな余韻を残してくれます。

ゆーてもアートはベストとアルバム3枚くらいしか聴いてないので分かりませんが、そんな私の少ない知識の範囲においては革命的なアルバムで、彼らのファンになっちゃったとともに今後どう歩き出していくのか楽しみになる名盤です。




1位 筋肉少女帯「ザ・シサ」

はい、というわけで、映えある第1位はこちら!
筋少30周年記念アルバムです。
いやぁ、もうね、特に感想という感想もなく、ただただ30年やってるバンドが未だにこれだけ楽しくてカッコよくて笑えて切ないアルバムを作れるのがすげえ!名盤です!終わり!
と言いたいところですが、それも素っ気ないのでちゃんと書きますよ......。
筋少もなんとなーくベストと何枚かのアルバムを聴いてる程度ですが、そんなにわか知識でざっくり言うと、解散前は怪奇な世界観の切ない恋愛モノや人生観の歌、再結成後はそれに加えてバンドをやってること自体の歌が多いような気がします。
で、本作はそんなバンド、恋愛、人生というテーマがバランスよく組み込まれていて、30周年記念アルバムに相応しい作品だと思います。
個人的に好きな曲を3つ挙げるなら、衝撃的なタイトルからのナンセンスギャグに見せかけた切ないラブソング「なぜ人を殺してはいけないのだろうか?」、とにかく歌詞の世界観がヤバく好みな「マリリン・モンロー・リターンズ」、一曲の中でまさにバンドマンのこと恋愛のこと人生のことを凝縮した「ネクスト・ジェネレーション」ですかね。
ともあれ、今年を代表する名盤です。





というわけで、実はこの文章を書いている今、17時間労働を終えた上2018年ががあと2時間しかない状況でございますのでもう勢いに任せて誤字脱字どんと来いでとりあえず年内にアップすることだけを目指して適当に書いています。読みづらい点があったらすみませんでした。Yeah!
ま、今年も音楽は相変わらずよくって、ここ1ヶ月は新しく洋楽の扉も開いてしまったので、来年もどんないい音楽に出会えるのか楽しみです。などと優等生的なコメントを残して終わっときます。みなさま良いお年を!