偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ロッキー(1976)

ロッキー (吹替版)シルベスター・スタローンAmazon 場末のボクサーのロッキーは、ヘビー級世界チャンプのアポロに偶然と気まぐれからチャンピオン戦の対戦相手に指名される。敵うはずもないと一度は辞退しようとするが、自分がゴロツキじゃないことを証明す…

大白小蟹『うみべのストーブ』感想

単巻の漫画の短編集。 後輩に勧められて読みましたがかなり好みでした。うみべのストーブ 大白小蟹短編集 (トーチコミックス)作者:大白小蟹リイド社Amazon全6編の短編が収録された1冊。 全体の特徴として、ちょっとファンタジーな設定を用いながらも、アラサ…

ラスト・エンペラー(1987)

坂本龍一のファンというよりYMOのファンでしかない私ですが、それでも坂本龍一という人がいなくなってしまったことで世界に不安が一つ増えたような心細さを感じるし、YMOの音楽は苦しい時期を救ってくれた音楽たちのうちの一つでもあります。改めてご冥福を…

地上最大のショウ(1952)

サーカスの団長ブラッドは、空中ブランコの大スターセバスチャンを年間巡業に迎える。ブラッドの恋人で空中ブランコ乗りのホリーは、中央ステージを奪われたことに不満を持ち、セバスチャンに張り合おうとする。地上最大のショウ [DVD]チャールトン・ヘスト…

リーガルリリー「恋と戦争EP」感想

リーガルリリー、前から好きだったけど『Cとし生けるもの』でかなりハマり、こないだライブに行ってからは久しぶりに1つのバンドに対して恋に近い熱量でのめり込んでしまっている状況であります。 そして人間相手の恋と違ってバンドへの恋はぶつけどころがな…

辻村深月『サクラ咲く』感想

各話独立していつつ少しずつリンクした中編3話を収録した青春小説集。サクラ咲く (光文社文庫)作者:辻村 深月光文社Amazon ここんとこハマってていくつか読んだ辻村深月先生ですが、最近読んだやつはみんなわりと人間の暗い部分を描いた作品(それでも優しい…

津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!』感想

ミュージック・ブレス・ユー!! (角川文庫)作者:津村 記久子角川書店(角川グループパブリッシング)Amazon 音楽を聴くのが大好きな高校3年生のアザミ。しかし受験については真面目に考えたことがなく、進路へのぼんやりとした不安を抱えながら、親友のチユキ…

東直子『とりつくしま』感想

歌人の東直子さんによるオムニバス掌編集。とりつくしま (ちくま文庫)作者:東直子筑摩書房Amazon この世に未練を残して亡くなった"あなた"は、この世のモノを"とりつくしま"として戻ることができる......。 死後の世界で「とりつくしま係」から説明を受けた…

笹沢左保『アリバイの唄』感想

笹沢左保100連発記念すべき第10弾にして、タクシードライバー夜明日出夫シリーズの1作目。 有栖川有栖選 必読! Selection10 アリバイの唄 夜明日出夫の事件簿 (徳間文庫)作者:笹沢左保徳間書店Amazon 元刑事のタクシー運転手・夜明日出夫はある…

辻村深月『太陽の坐る場所』感想

太陽の坐る場所 (文春文庫)作者:辻村 深月文藝春秋Amazon 高校卒業から10年、毎年恒例のクラス会に、女優になったキョウコは今年も参加しなかった。主催者の島津、演劇をやっている聡美、ミーハーの由希らはキョウコを招こうと接触を図るが......。 姿を現さ…

岐阜ひとり旅。

今日は岐阜にちょっとだけ用事があったんだけどそのためだけに行くのもアホくさいのでぶらぶらしてきました。 ケーキ王子に勧められた瑞浪市のケーキ屋caféのOLU。 瓶に入った可愛いデコポンチーズケーキ、美味しかったです! 岩村城下町。ここの女城主の甘…

ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011)

恋愛映画のおすすめで結構よく名前を見かける作品で気になってたんですがやっと観ました。ワン・デイ 23年のラブストーリー (字幕版)アン・ハサウェイAmazon 大学の卒業式の日である1989年7月15日、いいムードになりながらも恋人にならず友達のままでいるこ…

大山誠一郎『記憶の中の誘拐 赤い博物館2』感想

『赤い博物館』に続く緋色冴子シリーズ第2段。記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫)作者:大山 誠一郎文藝春秋Amazon本作も純度100%のパズラー短編集で、読者への挑戦状こそないものの「解いたるで!」という心意気で読みました。 結果、最初の3編はぼほぼ解…

井上ひさし『四捨五入殺人事件』感想

連作短編の『十二人の手紙』と併せて井上ひさしのミステリとして復刊された長編です。四捨五入殺人事件 (中公文庫)作者:井上 ひさし中央公論新社Amazon 大作家の石上と中堅作家の藤川は講演のため田舎の温泉地に逗留する。しかし本土に通じる橋が大雨で流さ…

ドン・ジョン(2013)

大嫌い(大好き)な『(500)日のサマー』の主演のジョセフ・ゴードン・レヴィットさんが監督・脚本・主演を務めた下ネタ満載ラブコメ。ドン・ジョン(字幕版)ジョセフ・ゴードン・レヴィットAmazon ナイトクラブで百発百中のお持ち帰り率を誇ることからドンファ…

ロスト・ボディ(2012)

上質な密室ミステリ映画だった『インビジブル・ゲスト』のオリオル・パウロ監督作品で、本作も最高のミステリ映画でした。ロスト・ボディ(字幕版)ベレン・ルエダAmazon 死体安置所の警備員の男がトリックに撥ねられた。男は何かから逃げてきた様子だった。…

ノック 終末の訪問者(2023)

なんかもう先に言っちゃうと、シャマランがどんなに微妙な作品を作っても、シャマランが数年ごとにちゃんと新作撮って日本でも上映してくれるだけでファンにとってはめちゃくちゃ嬉しいんですよ。ただ、それはそれとしてチョー微妙でした......。いや、ツマ…

リーガルリリー『街の星』池下CLUB UPSET 2023.4.12

最近好きな、というかまぁ今1番好きなバンドであるリーガルリリーのライブに初めて行ってきました。仕事を早めに切り上げ、「今日は帰りやす!さーせんw」とか言いながら池下へと向かい、したら意外と早く着いたのでフォルテシモ・アッシュでケーキ買ってか…

DOOR Ⅲ(1996)

一応DOORシリーズ3作目ですが、内容に繋がりはないし本作は監督も変わって『CURE』の少し前の黒沢清が担当しているのでまぁ完全に別物です。別物なんだけど、やっぱDOORのタイトルを冠しているから最高だった1作目と比べてしまってどうもいまいちでした。 ち…

ダーク・グラス(2021)

『ドラキュラ』という意欲作ではあるけどまぁ正直クソ映画な前作から10年、新作の話は何度か聞いたものの最近まで音沙汰のなかったアルジェント先生の新作を、しかも映画館で観られただけでもう満足なんですが、内容も(あんま期待してなかったせいもあるが)…

カイロの紫のバラ(1985)

村上春樹と同じでなんか鼻につくと思いつつも時々観てしまうウディ・アレン作品。カイロの紫のバラ <HDニューマスター・エディション> Blu-ray(特典なし)ミア・ファローAmazon 暴力的な夫との貧乏暮らしにうんざりしているセシリア。息抜きに『カイロの紫のバラ』という映画を映画館に通って</hdニューマスター・エディション>…

綿矢りさ『私をくいとめて』感想

アラサーおひとりさま女子のゆるい日常と恋(?)を綴った、映画化もされた長編。私をくいとめて (朝日文庫)作者:綿矢 りさ朝日新聞出版Amazon もうすぐ33歳になる黒田みつ子。1人で過ごす時間が好きで、脳内に住む「A」と軽口や悩み相談をして、それで満足な…

倉知淳『ほうかご探偵隊』感想

講談社のジュブナイルレーベル「ミステリーランド」から刊行された作品の文庫版です。 ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)作者:倉知 淳東京創元社Amazon 小学5年生の高時のクラスで起きる"連続不用品消失事件"。 これまでに図工の時間に書かれた絵、ニワトリ、猫…

多島斗志之『仏蘭西シネマ』感想

多島斗志之作品の中でも文庫化もされていなくて中古でもそんなに出回っていないレア作品ですがフォロワーのちららさんに借りたので読めました‼️メルシー‼️仏蘭西シネマ作者:多島 斗志之双葉社Amazon 幼い頃、ジェラール・フィリップという俳優に魅せられた曜…

太陽を盗んだ男(1979)

『青春の殺人者』の長谷川和彦監督の2作目にして現状では最後の監督作。太陽を盗んだ男 [DVD]沢田研二Amazon 無気力な中学校の科学教師の城戸は、原発からプルトニウムを盗み、自宅アパートで原子爆弾を作りはじめる。 原爆を完成させた城戸は、県警の山下警…

青春の殺人者(1976)

本作と『太陽を盗んだ男』の2本しか撮っていない伝説の監督・長谷川和彦のデビュー作。青春の殺人者水谷豊Amazon スナックを営む青年・順は、実家に帰った際に父親から恋人のケイ子を悪く言われ、衝動的に父を刺し殺してしまい......。主人公の順を演じるの…

トマス・H・クック『ローラ・フェイとの最後の会話』感想

2010年刊行のクック先生の近作。 最近の作品だから年齢のせいなのか、重厚で悲劇的ではありつつ陰鬱さは薄く、優しさを強く感じさせる作品でした。ローラ・フェイとの最後の会話 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 17-1)作者:トマス H.クック早川書房Amazon 売れな…

シソンヌライブ[onze]雑感

シソンヌライブ11本目。 例年発売されて数ヶ月経ってから気付いて買ってたシソンヌですが今年はばっちり発売日に買えました!シソンヌライブ[onze] [DVD]シソンヌAmazon 今回も田舎の青年から国会議員から女装や老人、そして野村くんもアリのバラエティ豊か…

ムーンエイジ・デイドリーム(2022)

デヴィッド・ボウイの唯一の公式ドキュメンタリー映画。ボウイの肉声による語りをナレーション代わりに、ライブやMV、インタビューやオフショット的な映像に加えてボウイが影響を受けたらしい映画などがコラージュされたカオスでサイケな世界。 説明もなけれ…

グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編](2022)

『最強殺し屋伝説国岡』の続編でありつつ、殺し屋を志望する6人の少女が国岡先生による養成合宿に参加するという青春映画でもあります。グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]和泉芳怜Amazon 明らかに前作より予算が増えてるんだろうなって思っちゃ…