偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ロボコップ(1987)


犯罪の温床となった近未来のデトロイト
警官のマーフィは犯罪組織のアジトを突き止めるが返り討ちに遭い惨殺されてしまう。警察の経営権も握る大企業のオムニ社は独自の技術で彼をロボコップとして復活させるが、やがて死んだはずのマーフィの記憶がフラッシュバックし......。

ロボコップ (字幕版)

ロボコップ (字幕版)

  • ピーター・ウェラー
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4年ぶり2度目。
彼女とベネデッタを観に行ったらそこそこハマってくれたのでこれを機にバーホーベン映画祭。ガンガン布教していきます。

本作を初めて観た時にはまだバーホーベンのことを何も知らなかったので、ファミリー向けアクションコメディみたいなタイトルやジャケ写なのにめちゃくちゃエグい映画で驚いた記憶があります。

なんせ、何回か人が銃殺されるシーンがあるのですがこれがやたらとグロい。そこまでやったるなや......って思うくらいボロボロにされるし血とかじゃなくて肉が飛び散ってる感じで気持ち悪くもやりすぎでなんか笑っちゃいます。子供の頃に観なくてよかったわ。トラウマもんですもん。
また、合間合間にテレビのCMが挟まれるんだけどこれもかなりブラックで笑っていいのかなんなのか無駄に悩まされます。このCMや、警察の更衣室が男女共用で一緒に着替えてるところとかは『スターシップ・トゥルーパーズ』への繋がりを感じます。

しかし、そんな感じで演出はある種キワモノっぽさがありますが、ストーリーはめっちゃ王道。
記憶も家族も命さえ失った主人公ロボコップがあまりにも悲しくて、全体に陰鬱なトーンがあるのが好み。
生前のマーフィのキャラクターがそんなに描かれていない(すぐ死ぬし)んだけど、そんでも真面目で誇り高い警察官だったことはしっかり分かるようになってます。なので、ジメジメと感情移入させることはなく、しかし魅力ある主人公として描かれているのが素晴らしい。安易な感情移入を拒むことすら孤独なヒーローの魅力。
そんでも暗いは暗いんだけど復讐はガンガンやっていくので痛快さもあり。
後半の銃撃戦のアクションシーンはかなり見応えあるし、ラストもシンプルで良いっすね。

あとまぁ、生まれる前の映画なのでロボがダサかったりはするんだけど、それも本作のB級っぽいジャンクな魅力になってる気もするしいいかなって思います。階段降りれないロボとか可愛いし。