偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ラーメンズ特別公演『零の箱式』

ラーメンズDVDシリーズ!


収録内容
現代片桐概論/文庫本/タカシと父さん/釣りの朝/かわいそうなピンクの子犬コロチンの物語/片桐教習所/日本語学校(フランス篇)/小さな会社

本作はソフト化されていない第4回までの公演からより抜きで再構成した"特別公演"らしいです。
初期作ということでなんとなく近作よりもシュールさが強い気がしなくもないですが、最近もこんな感じという気もしなくもなく、ともあれとても面白かったです。
また、この公演ではいくつかのコントで客演が3名出演していて、それが元からなのか特別公演だからかは知らないけど新鮮で面白かったです。

以下各話の感想。



「現代片桐概論」

片桐さんの剥製っぷりが凄かったです。面白いんだけど、それ以上に凄え。
途中の超下ネタなところが凄く好きです。ラーメンズって下ネタ控えめなんじゃなかったっけ?


「文庫本」

客演のバカたちの絵に描いたようなバカっぷりが面白く、片桐さんの絵に描いた以上の(なんだそりゃ)バカっぷりもさらに面白い。
繰り返しネタなんだけど繰り返すたびにどんどん酷いことになっていく様はもはやタイムループ系のSF映画を彷彿とさせます。全然違うけど。
片桐さんがバカすぎて気付かなかったけど、そもそも小林さんのアイデアがバカですしね。



「タカシと父さん」

怪傑ギリジン系のシリーズ、好き。
台本があるんだろうとはいえ、片桐さんが繰り出す流れるようなギャグの物量にはよくこんだけやれるなと驚かされてしまいます。
分身するやつが一番ハマりました。
それに引き換え小林さんはただ黙って俯いてるだけの簡単な仕事すら出来ずに笑っちゃってて可愛いです。
そのオチ要る??っていう取ってつけたようなオチによって一気になんとも言えない気分にさせられるのも好きですね。



「釣りの朝」

片桐さんが同棲してる小林さんをどうにかして釣りに付き合わせようとする話。
私も釣りに興味がないのでむしろ面白かったです。
片桐さんの女役にはなぜだか妙な可愛らしさがあるんですよね......。喋り方とかそんなにめちゃくちゃ変えてるわけでもないのに......。



「かわいそうなピンクの子犬コロチンの物語」

DVDのパッケージでタイトルを先に見ていたので、冒頭では「あれ、この話抜けてるぞ?」と思っちゃいましたが、あの始まりからまさか本当にかわいそうなピンクの子犬コロチンの物語になるとは......。
シュールすぎてわけわかんねえんだけど、なんか面白い。
「文庫本」に出てきたバカたちがさらにバカになって帰ってきてるのも好き。



「片桐教習所」

これまでのコントたちを強引にフリにしてしまうこの設定が強い。
新しいことは何も起こらないのに、小林さんがやるだけで面白いっていう。そもそもこっちパターン珍しいですもんね。小林ファンとしてはとても良かったっす。
オチにはまじで「ふぁっ!?」って言ってしまいました。オチというか、、、イ(ネタバレ)ですからね。不意打ちで。



日本語学校(フランス篇)」

ラーメンズのこういう変な連想ゲーム的なネタ、好きです。
語感と言い方だけで押し切ってるようなネタではありつつ、言葉の並べ方には知的な感じがあるのはさすが。
フランス人(?)の描き方は今だと差別的に見えてしまう部分もありますけどね。



「小さな会社」

わりとノリとか勢い重視のネタが多かった中でこれはがっつりストーリー重視の感動的な人間ドラマだったりします。
もちろん笑えるんだけど、ここまでの話のバカ笑いとは違った「微笑ましい」に近いニヤニヤ笑いをしちゃいました。
こういう、小林さんがなんかカッコいいことを「カッコいいこと言ってます」って顔して言う、ある種のカッコいいセリフパロディみたいなネタは好きっすね。
片桐さんメインの話なのに小林さんファンだからまた小林さんの話をしてしまいましたが、片桐パパも可愛くて良かったです(雑)。