偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ファイナル・デッドサーキット(2009)


サーキット場でダブルデートをしていたニックは車のクラッシュから始まる大事故を幻視する。周りの観客を避難させて難を逃れた彼らだっがその後次々と不可解な死を遂げていき......。


ファイナルデスティネーションシリーズ4作目ですが、4作目にして突然駄作になってびっくりしちゃいました。
凄いのが、冒頭の事故のシーンまででもう「あれ?」って思うくらい酷い出来なんですね。
なんといってもキャラクターに魅力がなさすぎる。前作までだって別に深い人間ドラマが描かれていたわけではないけど、最低限観てる間感情移入できる主人公たちと、すぐ死ぬにしろキャラの立った脇役たちがいたんですが、本作はもう全員どうでもいい。主人公からして特に何のキャラ付けもないし、彼女も友達も頭空っぽだし、死ぬ奴らも人種差別主義者に、差別されるためだけにいる黒人に、子供の耳にタンポン入れてるわりにそれ以外普通なママさんと、死んで悲しいとも死んで欲しいとも思わないようなどーでもいい連中。
そして映像もなんかあまりにもCG使いすぎてて死ぬシーンとかも興醒め。本作は3Dなので画面のこっち側に物が飛んでくるような演出が多いのだけは家で観てても思わず避けそうになってしまってなかなか楽しかったけど、死に方自体はこれまでの作品に比べてインパクト弱いし。
あと、今回人が死ぬ前に主人公が予知の映像を観るんだけど、正直それのおかげでだいたいどういう死に方するのかも分かっちゃって意外性も薄れてるし、マジで今作は良いとこがない。
クライマックスの映画館のシーンだけはまぁなかなかハラハラしましたけど、それにしたってやっぱり全部CGだからなんかチャチい感じがすごく強くてそんなにノレなかったです。

て感じで、ここに来て格段にレベルが落ちた本作ですが、凄いのがシリーズ最終章となる次作はめっちゃ面白いんですよね。なんでこれがつまらないからと5作目を観ないのはもったいないからやめてね。