偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2022年、私的アルバムランキング!!

おはこんばんちわ!
早いもので今年ももう終わるので毎年恒例のアルバムランキングやります。
毎年言い訳してるけど音楽そんな詳しくない人間が好みだけで選んでるので「これがこれより下!?」とか「あれ聴いてないの!?」とかあると思いますごめんなさい。

本題の前に今年聴いた音楽の振り返り。
まず今年は自分の中でラルクイヤーに制定してて、L'Arc〜en〜Cielの12枚のアルバムを月1で聴く会を勝手にやってました。
年間通して一つのバンドのモードでいるのも面白く、作品順に聴いていくことで変遷も分かって楽しかったので、来年はクイーンイヤーにして、今まで有名曲しか聴いてなかったQUEENの全アルバムを制覇したいと思います!

あと今年は川谷絵音のファンを辞めるというイベントもありました。
ざっくり言うとめちゃくちゃ好きなアーティストがちょいちょい嫌な発言をするのにうんざりしてきたというところで、好きすぎた反動みたいなもので、まぁそのうち曲くらいはまた聴くようになるかも。

という感じで、それでは今年のベスト10+いろいろを発表していきます!
まずは第10位〜7位の発表です!


10位 Cody・Lee(李)「心拍数とラヴレター、それと優しさ」

注目してる気鋭のバンドのセカンドでメジャーデビューアルバム。
このバンド、フジファブとかキリンジとかきのこ帝国とかandymoriとか銀杏BOYZとか、年齢が近いだけあって私が世代的にどハマったバンドたちへのオマージュに溢れる、ロキノン系の二次創作みたいなバンドなんすよね。ロキノン系って言葉も久々に使ったけど。
このアルバムでいうと、「異星人と熱帯夜」はキリンジ「エイリアンズ」の夏バージョンだし、「W.A.N.」はめちゃフジファブ(「B.O.I.P.」とか)だし、「初恋愛情好きラヴゾッコン〜」は銀杏だしって感じ。
あまりにもオマージュが強すぎてこのバンド自体の個性がまだしっかり感じられていないのでもう一歩ハマりきれてない感じはありますが......。
しかしファンクやシティポップ寄りから無骨なロックからバラードまでアレンジの幅が広く、男女ツインボーカルの甘酸っぱさと令和の等身大の恋愛を本当に等身大に歌う歌詞など魅力たっぷりのバンドです。
特に本作には昨年私が1番たくさん回数聴いた「異星人と熱帯夜」が入ってるのでそれだけでもこの位置にランクインさせたくなっちゃう名盤です。


9位 kakkmaddafakka「Revelation」

ノルウェーのインディポップバンドによる7枚目のアルバム。
今年に入ってから連続リリースされていたシングル6枚に新曲7曲を加えたボリューム満点の全13曲。
ダンサブルでキャッチーでキラキラした真夏のサウンドは前作『Diplomacy』を引き継ぎつつ、全体にちょっと落ち着いたオシャレな曲が多かった前作よりもテンションが高くなってる感じがあります。
特に先行シングル中心の前半は疾走感抜群で聴いてると意味もなく高速に乗って海へ行きたくなってしまいます。リリースが9月末だったのでやんなかったけど、夏ならやってた。
一方後半はやや落ち着きを取り戻して()、キラキラした中にも憂いや切なさの破片も入った「Wild Side」や、レゲエを取り入れた実験的というか異色作な「Bombibidy」、アコースティックなサウンドでしっとりと歌い上げるグッドメロディに泣ける「Lucky Like Me」など、統一感とバリエーションのバランスが絶妙に好きな感じでした。
個人的に1番好きな曲は「Horses Are Running」。令和と思えぬど直球のディスコサウンドが堪らねえ。ぶりぶりしたベース大好きですね。
夏っぽいけどリリースが秋だったので、来年の夏にもう一度ハマり直したい名盤です。


8位 Red Hot Chilli Peppers「Return of the Dream Canteen」

職場の有線で流れてたカリフォルニケイションがクソカッコよかったので去年あたりからレッチリを聴くようになったんですが、2016年からアルバムも出てなくてしばらく新曲は聴けないのかな......とか思ってたら今年いきなり2枚アルバム出してて笑いました。しかもどっちも17曲。
というわけで、3月に出た『Unlimited Love』と10月の本作『Return of the Dream Canteen』のうち、特に本作をランクインさせました。
なんせどちらも分量の多いアルバムなので収録曲もバリエーション豊かなんですが、どちらかといえば『アンリミ』がゆったり落ち着いた曲メインで本作『ドリカン』の方が落ち着きのない(?)ファンクやロック感の強い曲がメイン......な印象を持ってしまいます。
たぶん1曲目をはじめ先行配信されてたリード曲の曲調とかからそういうイメージになったんだと思うけど、ともあれ私はこっちのが好きです。

音楽もレッチリもニワカすぎてジョンが戻ってきてギターがどうこうみたいなのはあんましっかり分かんないけど、でも「Eddie」って曲のギターが最高で、この曲単体なら今年の新曲でもトップ3には入るくらい好きっす。
なんせ「若者はギターソロをスキップする」みたな話も流行って、それは眉唾だと思うものの、たしかに頭から尻尾まで歌が詰まった曲が増えた中でこのギターソロは嬉しいっすよね。物悲しくもエモーショナルな音。好き。
他にもにわか的にはザ・レッチリという感じの1曲目や、大人の色気全開の「My Cigarette」、ビートルズオマージュの「Copperbelly」あたりの曲が特に好き。
『アンリミ』と合わせてベテランとは思えぬ勢いを示した名盤です。


7位 サカナクション「アダプト」

前作が6年ぶりのアルバムだったのでそれに比べるとすぐ出た気がしちゃうけどゆうてもかれこれ3年ぶりのニューアルバムです。
正確には、来年出る(本当か?)『アプライ』と合わせて一つの作品になるハーフアルバムであり、オンラインライブやツアーを含めた壮大なプロジェクト......であるらしいですが、そういう御宅ばっか並べてアルバム出さないせいでサカナクションのファンをやめた身としてはそんなんどうでもええねんという感じではある。
それはそれとして、本作は収録曲はやっぱりめちゃ良かったけど、やっぱハーフなので(8曲入りで2曲はインスト)物足りないためこの順位。フルアルバムなら5位以内だったとは思うサカナクションファンだし。

ハーフアルバムとはいえ1枚のアルバムとしての構成の巧さはさすが。
ポップミュージックとしては「聴きづらい」インスト曲も交えつつ、オリエンタルな雰囲気から直球ダンスロックから激し目ギターロック、「新宝島」「モス」の延長のような派手な曲、しっとり弾き語り風、切実なエモさがある曲まで曲のバリエーションは本当に幅広く、ハーフアルバム1枚でサカナクションの魅力を全て見せつけているみたいな趣さえあります。

インストのイントロダクション「塔」から静かながらオリエンタルな雰囲気が新鮮で踊れる「キャラバン」への繋ぎがまず最高。
その後「月の腕」「プラトー」「ショック!」とCMで耳に馴染んだシングル級の3曲を連打するのもハーフアルバムならではの怒涛さでアガります。
そして、再びインストの「エウリュノメー」でクールダウンしてからしっとりと「シャンディガフ」を聴かせ、最後にゆったりしつつ激エモで最もダイレクトに時代を切り取ったメッセージ性もある「フレンドリー」で〆る流れが完璧。
やっぱ短過ぎて最後まで聴いても腹八分目くらいではあるけど、そこは次の「アプライ」と合わせて聴けば満足度200%になると信じてます。



......と、7位まで見てきましたが、ここでフルアルバムのランキングには入らないけど今年良かったシングル、EPを紹介します。



ずっと真夜中でいいのに「伸び仕草懲りて暇乞い」

なんとなく聴かず嫌いというか、「そんなハマんなそうだな」と思ってたずとまよに今年ちょっとハマりました。
映画館の予告で「消えてしまいそうです」を聴いたり、大好きな米津玄師さんと一緒にチェンソマンの曲をやってたり、フォロワーが激推ししてたりといった要因でじわじわ気になる度が上がってついに聴いたって感じ。
それこそ米津以降のアニメとかボカロ系の文化(?詳しくないので分からんけど)の影響と、ファンクやR&Bやシティポップといった私の結構好きなエリアの音をミックスした感じのバンドで、「ゲスの極み乙女」にも通じるところがあり、川谷絵音を失った穴を埋めてもらいました......。
オシャレさとkawaiさと中毒性と独特の言語感覚の歌詞が素晴らしい。



おいしくるメロンパン「Cubism」

フルアルバムを出すことなく、ほぼ毎年1枚ミニアルバムを出し続けているバンドの、6枚目のミニアルバム。
ここまで来るともうフルアルバムは出さずにミニだけのディスコグラフィーを貫いてくれた方が美しいという気持ちになってきますが、ランキングで取り上げられないのは残念なので毎年この辺のコーナーで紹介してます。
初期は爽やかなギターロックの中に少しのダークさがあるバンドだったのが、だんだんとダークや実験性を増していってるのが最近の作品でした。
しかし本作はわりと王道爽やかギターロック路線に回帰した作風で、特に冒頭の「Utopia」「トロイメライ」の2曲のキャッチーさは成熟も見せつつも懐かしくすら感じます。
一方本作で唯一の実験枠の「灰羽」は五拍子?のリズムが不穏さを醸し出してカッコいい。
初期から近作までの流れを1作に纏めたような初心者にも勧めたい一作。



米津玄師「KICK BACK」「M八七」

今年は米津玄師のライブに行ってきまして、ライブ自体がかれこれ3年ぶりくらいなのもあってめちゃくちゃ興奮して、これまではファンだったのが一気に大ファンになってしまいました。ライブでもけっこう歌上手いし、でもライブらしい良い意味での勢いや粗さもあり、歌以外のパフォーマンスや演出も盛りだくさんで夢のような時間でした。
そんな米津玄師の今年のシングル2枚計5曲も一応貼っておきます。もちろん全員聴いてるだろうから内容の紹介は割愛。



という感じで、今年のEP、シングル部門でした。
それでは引き続き6位から4位までの紹介です!



6位 Arctic Monkeys「The Car」

アクモン、気になりつつファーストアルバムしか聴けてないんですけど、ファーストのイメージからすると別人としか思えないくらい雰囲気変わっててびっくりしました。
わりと激しめのイメージだったけど、本作は落ち着いた大人の色気全開の作品。
激しい曲は一曲もなく、全体にゆったりした曲ばかりで、しかしその中に優しい暖かみもあれば喪失感すら感じさせる切なさもあり、子供の頃に車の窓から見た夕焼けのような懐かしさも感じさせてくれます。
1曲目からしてテンポはゆったりだしイントロは長いし1回聴いて覚えられるようなキャッチーなメロディとかもないしと、サブスク時代のセオリーをガン無視して自分らの世界観を繰り広げているのがカッコよすぎます。
最初の1回はタラっと流して聴いちゃうけど、何回か聴いてるうちにだんだん体に馴染んでくるような音楽。
そして媚びるようにキャッチーではないけど、ピアノや弦がゴージャスに使われていたり、手数は少ないけど一つ一つの音が全部美しかったりして聴けば聴くほど味が出てくるんですよね。
アルバム1枚で長い1つの曲であるかのような統一感がありつつ、1曲ずつ個性というか、「この曲のここがいい!」ってとこがあってダレないのも凄い。
特に好きなのは「Jet Skis On The Moat」って曲で、ほわんほわんしたギターがイントロの一音目から郷愁の世界に連れて行ってくれるし「ジェットスキー」の「ジェッ」の言い方が好きすぎてそこ聴くためだけに何回も聴いてしまいます。
もちろん他の曲も全部よくて、派手じゃないけど気付いたら聴いちゃってる、みたいな感じの名盤です。


5位 山下達郎「SOFTLY」

実に11年ぶりのオリジナルアルバム。
前作「Ray Of Hope」が出た時には私は高校生で、中学の時から山下達郎のことがちょっと気になってたので結構聴いてた覚えがあります。
その後ベストを聴いたり最近のアルバムを少し聴いたりはしつつめちゃくちゃハマるってこともなく、付かず離れずみたいな距離感で聴いてきたにわか以外のファンなのですが、それでもやはり11年ぶりって言われるとワクワクせざるを得なかったです。
そして聴いてみて、めちゃくちゃ良いアルバムだったので「そりゃ達郎だし良いに決まってるよ」とは思いつつもあの歳でまだこれを作れるのかと驚かされもしました。

15曲入りという大ボリュームですが、曲調が幅広く、知ってる曲もいくつもあるので長い感じもせずにさらっと聴けてしまいます。
今風のお洒落なサウンドの「Love's On Fire」から泥臭さのある「人力飛行機」やブルース全開な「YOU」、「ミライのテーマ」や「CHEER UP! THE SUMMER」みたいな明るい曲もあれば「RECIPE」や「LEHUA MY LOVE」のような切ない曲もある。そしてウクライナ戦争や2022年の日本への怒りを感じさせる「OPPRESION BLUES」のような今聴きたい曲もあり、本当にバラエティ豊か。
それでいて通しで聴いててもなんとなくの流れがあってバラバラな感じはしないのもすごい。
個人的には「コンポジション」と「ANGEL OF THE LIGHT」が前から大好きだったのと、新曲では「YOU」の歌とギターの切実さに毎度泣いてしまいます。
もはやさすがとしか言いようのない名盤です。


4位 the band apart「Ninja of Four」

名前は知っていたものの今まで聴いてなかったバンドですが、草野マサムネのラジオで「higher」という曲がかかってバリクソかっこよかったので調べてみたら今年アルバム出てんじゃん......という感じで聴いてみたら、めちゃくちゃくちゃくちゃ良かったです。
一曲目が「夏休みはもう終わりかい」というタイトルで、少年時代の夏休みを思い出させるようなノスタルジーと、大人になった今年の夏を彩ってくれるオシャレさとが共存してます。全体にはファンクやシティポップっぽさがありつつサンバみたいなのとか疾走感ある王道ギターロックとか、4人だけで出してるとは思えぬ幅広いサウンドが味わえてなおかつ全体に統一感もあって最高でした。
また、「アルバム」単位で音楽が聴かれなくなったとかイントロは飛ばすなんてよく言われますが、そんな時代に1曲目が6分以上あってシームレスに2曲目に繋がるアルバムならではの仕掛けなんかもあったりするトレンドへの逆行も楽しすぎます。
他にも「SAQAVA」→「酩酊花火」の酒繋ぎや、「夕闇通り探検隊」(プレステのゲームのタイトルらしい)からの「レクイエム」の「ゲームのボタンは油まみれ」という歌詞とか、ところどころに曲間リンクがあるんですよね。
私が特に好きな曲は「アイスピック」と「夕闇通り探検隊」です。今年の9月に入ってから聴いたんだけど、来年はちゃんと夏の間に聴きたい名盤です。




というわけで、4位まででした。
それではいよいよベスト3の発表......の前に、惜しくもベスト10には入らなかったけど良かったやつのコーナー!


ASIAN KUNG-FU GENERATION「プラネットフォークス」


今年は個人的にアジカンの年ではあったものの、新作は実はそこまで好みじゃないというか。
featuringを迎えた曲も多数あり、いい意味でバンドの枠を超え、アジカンのイメージも超えて広がっていくような作品なんだけど、それでもアジカンが青春の私としては4人でいつも通りやってるのが聴きたいという非建設的な思いもまたあるのが事実で......。
変わっていくことがカッコいいと思うけど、変わらないでほしいというエゴもある、みたいなね、めんどくさいファンです。
とはいえもちろん曲はめちゃよくて、特に「雨音」にハマりました。アジカンなのにシティポップ感。
このアルバムの後に出たシングル「出町柳パラレルユニバース」はもう最高で、次作はおそらく「サーフブンガクカマクラ2(or完全版?)」らしいので楽しみです。


[Alexandros]「But Wait.Cats?」


アレキはまぁ、アルバム全部聴いてるくらいには好きだけど、めちゃくちゃハマってるわけじゃなくこんなもんかなぁ、と。
今作はコロナ禍以降の閉塞を切り開くように激しめやノリのいい曲が多めで、チルっぽかった前作とは対照的。
また「閃光」や「無心拍数」などのタイアップ曲も多く、ワタリドリでのブレイクから人気が落ちずに安定してるのが嬉しい。


ドレスコーズ「戀愛大全」


「コロナ禍で喪失されたこの夏の恋物語」というようなコンセプトで、毛皮のマリーズの頃を彷彿とさせるようなストレートなラブソングを集めた、アルバムタイトル通りの作品。
ただし歌詞は毛皮自体のように全てを説明するとなく最低限の描写に留まり、その余白の多さがかえって物語に無限の広がりを感じさせます。
儚いギターサウンドがエモすぎる「聖者」やシティポップに接近した「夏の調べ」が特に好き。
ただ、『平凡』と『ジャズ』が私の遅れてきた思春期にちょうどよくぶっ刺さったせいで、それ以降の作品にどうしてもハマりきれないところがあるんですよね。


Cilli Beans.「Chilli Beans.」


気鋭のガールズバンドのデビューアルバム。
キュートでポップでありつつ、バンド名をレッチリから取っているようにバリクソかっこいいファンキーな曲もあったりして、デビュー作にして引き出しの多さも見せつけてくれるアルバムで、今後に期待しちゃいます。


Early Eyes「Look Alive!」

Look Alive!

Look Alive!

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以前から結構推してたインディーロックバンドの初のフルアルバム。
初期のシングルとかと比べると滑らか......にすら感じるくらい音が綺麗に整ってるけど、むしろ初期の荒削りさが好きだった気がしなくもない......なんてワガママですけど。
凄く雑な言い方ですが、「ちょっとだけシティポップを感じさせる洋楽」みたいな感じでいいんですよねこのバンド。
今作は今までにないちょいパンクな曲とかも入ってて新鮮です。もっと売れてほしい。




というわけで、次点のアルバムたちでした!
それではいよいよベスト3の発表です!



3位 ギリシャラブ「魔・魔・魔・魔・魔」

2年前くらいから大注目してるギリシャラブの4枚目のフルアルバムです。

前作『ヘブン』が個人的には大好きで昨年のベスト2位に入れたくらいなんですが、本作はそんな前作の穏やかな退廃みたいなリラックスムードも半分くらい継承しつつ、今までになく奇を衒った中毒性全振りみたいな曲も入っています。
退廃的な気だるいムードと狂騒的なノリとが合わさった、いい意味で雑多な感じのアルバムになってます。
特に先行配信された「聖/俗」「聖者たち」「退廃万歳」がそれぞれ、「聖俗俗聖俗聖俗聖〜」って言ってるだけの曲、「ジャッカルハゲタカハイエナヘビジャッカルハゲタカハイエナヘビ〜」って言ってるだけの曲、「淫乱快楽不摂生淫乱快楽不摂生淫乱快楽不摂生」って言ってるだけの曲ですからね。
そういう奇を衒った感じの曲が、3、6、8曲目にスパイス的に差し込まれつつ、他の曲はメロディアスな高品質ポップソングであり......いや、奇を衒った曲たちすらメロディはめちゃ良い......、全曲3分くらいでキュッとまとまってるのでそもそも30分の短さのアルバムだし体感は10分くらい!
どんどん進化していくバンドの今が聴ける名盤です!

この作品の感想はブログにも書いたので詳しくはこちら。


2位 The1975「Being Funny in a Foreign Language」

前作『Notes On A Conditional Form』も2020年の年末のランキングの6位に入れてましたが、まぁ正直長え!ってのはありまして。
22曲入りの前作は極端にしても、このバンドのこれまでのアルバムはみんな15〜19曲くらい入ってて長かったんだけど、本作は11曲とかなり短い。
基本的に映画でも小説でも音楽でもやたらと長い作品が苦手なので、このコンパクトな分量だけでリリース前から好感度は高かったですね。

短い分、普段はイントロダクションの立ち位置である1曲目の「The 1975」から普通の歌モノなのにびっくり。
短い分、実験的な曲やインストのアンビエントみたいなやつを入れる余地もなく、全曲が主役級のポップソング。
めちゃざっくりいうと80s風のキラキラした華やかな曲と、モノクロのジャケ写に合うしっとりしてオーガニックなナンバーの2パターンなんだけど、その中にもそれぞれの曲に個性がありグラデーションがあるので、ワンパターンは感じずアルバムの統一感に感じられます。
短くて全体の雰囲気も通底しているから、これまでになく集中して聴けて、1曲ずつのよさをしっかり味わえた気がします。

まず多幸感溢れるサウンドの「Helpless」やアハーのテイクオンミー的にノリノリな「Looking For Somebody」が2曲目3曲目にあるので一気に掴まれますね。
そして4曲目の「Part of the Band」がめちゃ良い。このアルバムでというよりはThe 1975の全曲でも1番好きなくらい。弦が使われてるのにダサさ0で(偏見ですけど......)、穏やかなようで不穏さがあり、ゆったりして静かな中にシリアスさがあり、聴いてるだけでなんかこう、世の中がもっと良くなって欲しいなとかそういう壮大で身近なことを考えさせられます。いや歌詞は何言ってんのか知らんけど。
そして5、6曲目もキラキラした感じなんだけど、4曲目を経たことで2、3曲目よりも重みがあるというか、切実に聴こえます。
そして後半からは穏やかな曲がほとんどで体に良さそうな感じ。
特に「Human Too」の優しい静けさや「About You」の「"Heroes"」っぽさが堪らんっす。
そして、ラストの「When We Are Together」のメロディの美しさよ!

という感じで、1枚通して集中して聴けてダレる瞬間がない、でも心地良いのでBGM的な聴き方も出来る名盤です。


1位 リーガルリリー「Cとし生けるもの」

気鋭の女性3人組バンドの2ndフルアルバム。
今年の初めにリリースされましたが、その時にどハマったのはもちろん、それから1年を通じてたびたび聴き返しもした、単純に今年1番聴いたアルバムです。
以前ブログにレビューも書いたので、詳しくはそちらを読んでほしいのですが、3人の音だけのシンプルなギターロックサウンド、それでいてアレンジは幅広い。そしてキャッチーで飽きないメロディの良さ、複雑な世界を複雑なまま捉えるような歌詞の深みなど、とにかく何もかもが好みのど真ん中に刺さったんですよね。
こないだうちはチルっぽい音楽が多かったですが、世相が暗いからこそバンドの音が染みるっす。




というわけで、以上2022年の私的アルバムランキングでした!

今年は川谷絵音のファンを辞めて(てかそもそもアルバム出してない)、スピッツも出なかったので比較的目新しいラインナップになったと思います。
先に言っておきますが、来年はスピッツのアルバムが出るので来年の1位はスピッツです!(と去年も書いた気がする。なんで今年出なかったんだ〜🥺)

スピッツ全曲感想シリーズも今年もぼちぼち進めてたけどそろそろ終わらせたい!が来年の目標です。
それではまた来年〜。