偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

今月のふぇいばりっと映画〜(2019.12)

あけおめ!
2019年はなんだかんだ映画たくさん見ましたね。というか、映画館にたくさん行って、家ではそんなに見なかったっていう量より質な1年でした。
ただその結果家のハードディスクに録画が溜まったので今年はそれを消化していくのが目標......。
今年もよろしくお願いします。

というわけで、今回は昨年最後のふぇいばりっと映画をご紹介します。






ハッピー・デス・デイ
ハッピー・デス・デイ2U
スクリーム4





ハッピー・デス・デイ

ハッピー・デス・デイ (字幕版)

ハッピー・デス・デイ (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: Prime Video


性悪クソビッチ女子大生のトリー。
誕生日の今日も見知らぬ男の部屋で目覚めて周囲のあらゆる人々に不快感を撒き散らします。しかしその夜、彼女は何者かに殺され......たはずが、目が覚めるとその日の朝にタイムリープしていました。
そして、彼女の殺人ループ地獄が始まるのですが、なにぶん性悪なのでみんなから憎まれオンパレードで誰が犯人かわかんねー!

っていう、お話。



ヘルマークスでバチクソ評判が良かったのでどんなもんじゃいと身構えつつ観たんですが、ゲロクソ最高でした!!


ループものといえば、私の中ではやっぱり『七回死んだ男』とか『恋はデジャブ』で、要はループ設定を謎解きパズルに使うか、日々の大切さを説く人間ドラマに使うか、ってとこなんですけど、本作はどっちもいいとこどりなのがチャッカリしてますね。それにプラスして、『スクリーム』のようなスリラー、ホラーミステリ要素から、本作は成り立ってます。


序盤はこういうタイムループスリラーの常道。
同じ日を繰り返しながらも少しずつスクラップ&ビルド。主人公がスクラップにされながら、その体験をもとに戦士として成長していく様に燃えます。
また夜道に置かれたオルゴールとか、殺人鬼の印象的なマスク、志村後ろ後ろコントなどなど、ホラーのベタ演出をこれでもかとテンポよく盛り込んだホラー映画愛にも燃えます。
あと、カーターくんの部屋にゼイリブのポスターが貼ってあるのとかもね。あれは欲しい。
と同時に、キャラのバカバカしいまでの立ち方はアメリカの学園コメディらしくて笑っちゃいます。意識高い女と織田信成っぽいカーターくんのルームメイトが好き。信成くんにしか見えなかったから名前忘れた。


そして、後半からはだんだんと人間ドラマ的な要素も入ってきてきたりなんかして。
この辺は『恋はデジャブ』の若者版といった趣ですね。第一印象最悪だった主人公だけど、その前向きさに思わず応援したくなっちゃうっていう。
彼女の性格がスリラーにもドラマにもなるのがお見事。

で、スリラーファンとしても青春恋愛ファンとしてもどっちもの意味でエモい結末はもう最高。一粒で2度美味しいとはこのことか!
ちなみに、ラストシーンはアナザーバージョンもDVDに収録されてます。
この設定なら当然この2つのどっちかだなという感じですが、結果的にあっちが採用されたのは良かったです。ここまで楽しませてもらってアナザーバージョンだったらクソすぎる!


そんなこんなで、一つ一つの要素に関してはベタなんだけど、たくさんぶち込まれることでベタさが楽しさに変わって最後には快感絶頂してしまうという、オタク心くすぐりまくりな傑作でしたわ。S級のB級映画です!




ハッピー・デス・デイ2U

ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)

ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: Prime Video


『スクリーム』的スリラーと学園青春ラブコメに色々混ぜ込んでベタな演出をごった煮しつつ綺麗にまとめあげた前作の続編は、やはりスーパーハイテンションな続編のベタでした!

前作のラストのそのまま続きってとこからしてエモい導入。なんと今回は織田信成くんが主人公!?

前作で車中泊をさせられた冴えない信成くんの視点から物語がはじまり、今度は彼が赤ちゃんマスクマンに殺されるというアツい展開!
かと思いきややっぱり僕らのトリーちゃんが主人公!!


エイリアンのシガニーにしろ、サラ・コナーにしろ誰にしろ、続編に出てくる女主人公は強い!
ましてや、前作で既に死亡回数2桁を誇るトリーちゃんの無敵感たるや、これぞ続編という感じでわくわくが止まらない!

そして、今作ではホラーやミステリが鳴りを潜めるかわりにSF要素が濃くなって小難しい解説が増し増し......かと思えばそれは序盤だけで、話が進んでくるともはやスラップスティックコメディでしかない!

前作でのそれぞれのキャラらしさをしっかりと引き継ぎつつも続編特有の何でもありなハチャメチャさで事態を引っ掻き回していく登場人物各位にもはや愛着しか湧かない!

個人的には、やはりファイナルデスティネーションばりに死に方にバリエーションを出してくる一連のギャグが最高すぎてあそこだけ毎日見たいくらい。ナイスバディな主人公のビキニのサービスショットなのに爆笑しすぎてまったく色気を感じない!

当然のようにラストの納得感のなさはものすごかったです(笑)。前作では細えことは抜きにしてこういうジャンクなB級映画としては満点の意外なオチでしたが、今回は意外とかいう観点はハナから捨てていたので逆に「どんでん返しないじゃん!」という怒りも沸かずに楽しめました。
てか赤ちゃんマスクマンの存在感が全くない!

そして、ラストシーンも前作は「チャンチャン♪」と言いたくなるくらいのものだったのに今回は続編への目配せが効きすぎてて笑った。
どうやら興行的にコケてるらしいので3作目はないかもしれないらしいですが、もし作られたらこれはもう映画館で観るしかない!


そんなわけで、ベタを綺麗にまとめた前作に対して、「しっちゃかめっちゃかさが続編としてのベタや!」と言わんばかりの暴走ぶりを見せたナイス続編な2U。シャークネードシリーズのやりすぎ感とか、グレムリン2のぶち壊し感とかが好きならハマらない理由がない!!!




スクリーム4

スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション [Blu-ray]

スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション [Blu-ray]


3部作完結編だったはずの3から11年後に作られた第4弾。
もしかしたらここから新3部作が始まる予定だったのかもしれませんが、ウェスクレ亡き今はそれも叶わぬことなのかもしれません......。


内容は、シドニーが作家になって町に凱旋すると早速事件が起こるっていう、いつものアレ。サイコーっすね。

シドニーがもうアラフォーなんだけど相変わらず綺麗。今回はネクストジェネレーションということで若い子たちの間での殺人事件がメインで進んでいくのですが、まだまだ主役の座は渡さんとばかりの存在感。惚れます。
同じく冒頭のアレも健在。続編出来すぎるとマンネリ化するよねという自虐メタギャグをかましつつ殺人の楽しさが詰まったサイコーなオープニング!やはり美女が殺されるのはワクワクしますね。
殺害シーンでは他に向かいの家同士の窓の向こうでウギャー!ってやつもほんっとによかった。あの血の飛び散り方の美しさに興奮しないホラーファンはいねえ!

で、ストーリーはといいますと、まぁいつも通りに人がたくさん死にますってやつなんだけど、ハイペースでマスクマンが活躍してくれるのであっという間でした。
作中作「スタブ」の上映パーティーのシーンが面白いし、それに紛れて色々と映画ネタが出てくるのが最高。ロドリゲスには笑った。
また、時代を反映してSNSやYouTuberも出てくるけど、これはお話にほとんど必要なくていまいちかな。もうちょい使い方に工夫が欲しかった。

そして、犯人の正体、びっくりでしたね。いやまぁ分かる人はわかるんでしょうが......。私はずっと別の人を怪しいと思い込んだまま観ていたのでそいつじゃなかった段階で「え、ちゃうん??」という混乱で結局見抜けませんでしたよ。
で、犯人の動機が今までのシリーズの中でも一番くらいに納得できるもので、しかも続編ならではのものだったのには唸りました。犯人あて自体にはそこまで驚くほどの伏線とかはなかったけど、動機だけで十分楽しかったっすわ。

そんなわけで、久しぶりで観てなかった4を観ましたがやはり楽しいシリーズでした。
下手にリメイクとか続編とかやって欲しくない気がしつつも、誰かちゃんと作れる人やってくれないかなぁ......という気持ちもありますね。ロドリゲスとか。