偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ハングオーバー2・3

こないだまとめて見たのでハングオーバーシリーズの2作目3作目をまとめて紹介します。



ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える



前作から2年後、今度はステュの結婚式のためにタイへ飛んだ4人。前回のようにはなるまいと、浜辺でビールを一本飲むに留めた......はずなのに、気が付けば見知らぬ廃墟のようなホテルに。しかも、一緒にいたはずの新婦の弟が消え、代わりにいたのは中国マフィアのチャウだった......。


こないだ前作を見返して、そういえば2と3観てねえやと思って観ましたが、うん、まぁ、そうね。
なんつーか、私としては前作の長所を削って短所を伸ばしたように思ってしまいました。
私が前作で好きなのはベガスの煌びやかさとそれに合った頭空っぽノーストレスで観られる気楽なアホさだったんです。
それが今回はサスペンスやブラックユーモアみたいなのが増えてしまい、妙に緊迫感があるんですよね。もっと気楽に観たい。
あと、前作では愛すべき変なヤツだったアランのキャラも無駄にパワーアップしたせいで、我儘で独善的なおとなこどもになっちまってて面白いとかじゃなく普通にストレスだった。
露悪的なジョークも全体的に笑えるレベルを超えてる感じがして、なんか全体的に愛想笑いみたいな感じで観ちゃったな。
ミステリっぽい部分もシャマランばりの伏線回収してます演出の割によく分かんなかったし。
なんかもはや敵キャラ的な立ち位置の新婦の父親に一番共感できるとすら思ってしまいました。

3もなんかあんま評判良くなさそうなのでそんなに期待しないように観ます。









ハングオーバー!!!最後の反省会


大きな問題を起こし父親も亡くしていよいよ不安定になってきたアランを治療施設に入れることにしたフィル、スチュ、ダグの3人。しかしアランの輸送中に謎の男たちに襲撃され、ダグが誘拐されてしまう。ダグを助けるには脱獄したチャウを引き渡さなければならず......。


3部作完結編となる本作はこれまでとは違いバチェラーパーティの話ではなく、いつものフォーマットは踏襲されません。しかし、やはりダグだけがいなくなって他の3人でわちゃわちゃすることには変わりなく、踏襲しながらダメになった前作よりは全然好きでした。

冒頭のアランのやらかしからしてもう衝撃的すぎて笑うしかなく、アランが親族友人全員からなんだか腫れ物に触るような扱いを受けることで彼への同情が生まれてウザさを中和してくれたのも良かったです。

そしてストーリーはというとチャウさんに振り回されながらあっちへこっちへと大冒険を繰り広げる話で、「記憶探し」ではなくても「チャウ探し」には変わりなく、見つけたと思ったものがするりと手の中から消えていくような展開はそのままなので変わっちゃった感じもそんなにしなくて。
最後の発見の場面の伏線回収みたいなのはない代わりに、中盤でとあるキャラが仕掛けるトリックがミステリ要素として入っててすっかり騙されました。こういうの好き。

シリーズの締めくくりに向けてドラマ要素も詰め込まれていき、クライマックスやその後の結末はなかなかエモい。
シリーズの3作目にしてこれまでの型を破りつつ、でも最後まで観るとハングオーバーだったなぁ......と思わせてくれる見事な構成。
2はイマイチでしたが、なんだかんだちゃんと完結させてくれて良かった。しかしアランとフィルの関係性がめちゃ良いな。最初から良かったけどだんだん良くなってる。ホテルの壁のくだり最高でした。