偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

武者小路実篤『友情』読書感想文

武者小路実篤という名前は前から聞いたことがあったのですが、彼の耄碌してから書いたらしい文章 僕も八十九歳になり、少し老人になったらしい。人間もいくらか老人になったらしい、人間としては少し老人になりすぎたらしい。いくらか賢くなったかもしれない…

浦賀和宏『HELL 女王暗殺』読書感想文

前作『HEAVEN 萩原重化学工業連続殺人事件』の姉妹編というか前日譚というか、な続編です。HELL 女王暗殺 (幻冬舎文庫)作者: 浦賀和宏出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/06/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 色んな話が交差してややこしかった…

怪談マンガアンソロジー『コミック幽』

先日友人と小牧古書センターへ行ってきました。お店の広さはブックオフの小型店より小さいくらいでしたが、雑誌(バイクとか音楽多め、『幻影城』なんかも!)、エロ本、そして漫画が充実したお店でした。そこでなんとなく手に取って、収録された作家のメンツ…

感想を書くときに気をつけていることについての頭空っぽな文章

こないだツイッターでなんとなく「ブログ」というものの話題になった時、なんとなく私が「ブログ書く時気をつけてることありますか?」と言ったら、その後フォロワーさんが気をつけてることについてブログに書いてたんですね。それ読んでなるほどなぁと思っ…

三津田信三『碆霊の如き祀るもの』読書感想文

刀城言耶シリーズ、前作より6年ぶりの第七長編。 元は刀城言耶シリーズのつもりだった炭鉱もののホラーミステリが『黒面の狐』として出されたこともあって期間が空きましたね。というか、むしろそれ以前の年1冊ペースでこの濃厚なシリーズを出版していた状態…

辻村深月『かがみの孤城』読書感想文

辻村深月、『冷たい校舎の時は止まる』くらいしか読んだことがないのですが、あれは面白かった記憶があります。本作はそんな辻村さんの原点回帰的な作品だそうで、たしかにデビュー作である『冷たい校舎』に似た部分や、あれを踏まえて進化した部分が多いよ…