偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

スピッツ『JAMBOREE TOUR23-24 HIMITSU STUDIO』日本ガイシホール 2023.12.20

スピッツのライブに6年半ぶりに行ってきました......。

前回が、2017年7月のサーティーフィフティーツアー。その後見っけツアーがコロナで中止となり、振替公演もちょっとまだ怖かったので行かず、そうこうしてるうちに6年以上経ってました......。
まぁその間にも映画館でニュー見っけや優しいスピッツを観たり配信の猫ちぐらの夕べとかがあったし、あとまぁぶっちゃけリーガルリリーにどハマりしてたのであんまスピッツのライブ行ってなさすぎて飢えてる感じでもなかったけど、そんでも久しぶりの生スピに、会場に着く頃にはどっぷりと感慨に浸っていました。
(それにしても見っけツアー行けなかったせいでもう見っけの曲をライブで聴く機会はあまりないのだろうと思うと悲しすぎる。なんだかんだ見っけが1番好きなアルバムなので)

会場に入るとステージには🍓、🛹、そして🤖が設営されていてなんだかいつもより豪華な気がする。
客層も若い人が多く感じて、なんかスピッツってやっぱ最近売れてきたのかなぁ?という感じ。なんせスピッツが売れてるところを見るのは人生初なので嬉しい。

今回は母と観に行ったのですが、もうすぐ始まりそうという時間から母がなんか長くなりそうな「どうする家康」の話をし出したので「もうすぐはじまんのにそんな長そうな話せんといてや」とか言ってる間に会場は暗転。スピッツのメンバーがステージに登場すると照明は明るくなって1曲目から再会できた喜びを鳴らすようなめぐりめぐってからライブが始まり、多幸感に包まれながら飛び跳ねました。

そして前の曲の激しくかっこええアウトロに続いてときめきpart1では打って変わってしっとりしたイントロから「会うたびに苦しくて〜」と歌い始めた草野......でしたが、直後まさかの「げほっげほっ」。私もかれこれライブってものに何十回かは行ってますが、歌い出して咽せて中断されるのは初めて(しかも2曲目から!)だったのでめちゃびびったし、草野が「すみません誤嚥しました」とか言い出してめちゃ笑ったし隣の母は「わかる......」と高齢者あるある的に受け取っててそれも笑った。しかし今回は全体に草野の声がなんかやや不調な感じで、そんでもまぁさすがの口から音源以上ではあるんだけど、時々伸びるところが伸びきらなかったり曲の後の「ありがとうございます」がめちゃ掠れてたりしたのでなんだか心配。直近でスピッツのメンバーと同じくらいの歳のミュージシャンの訃報も続く中というのもあり、「もしかしたらこれが最後の歌かもしれなくて」というリーガルリリーの歌詞が頭をよぎったりもして笑いながらなんか凄く悲しい予感もしてしまった。いつまでも元気でいてくれスピッツほんとに。
ちなみにやり直したことに対して隣にいた小学生くらいの女の子が「ときめきpart2だ......」ってぼそっと突っ込んでてわろた。

しかし続くけもの道ではお約束の田村のベースのうねうねからぶち上がりつつ押さえつけられたテンションが曲の始まりと共に噴火してまた跳びはねまくったし、そっからダメ押しするように跳べで曲名通りまた飛び跳ねさせられて4曲目で既に疲れが......。もうすぐ30歳なので......。
でも疲れたところに美しいアルペジオのイントロから始まる紫の夜を越えてで癒されました。癒されつつ、サビは力強くてベドバンしてしまって首が痛くなりました。
さらに大好物チェリーとミドルテンポの曲が続きます。でもチェリーとかもう聴き飽きたくらいなんだけどライブで聴くとやっぱいい曲だわ〜と思うし間奏とかカッケェのな。
そしてライブだと割と珍しい気がするスーパーノヴァが聴けたのも嬉しい。これも間奏あたりのサイケな演奏が青とピンクの照明に映えてめちゃくちゃカッコよかった!

そして、個人的にニューアルバムでも1番好きな手鞠が聴けたのも嬉しいっすね。地味な曲だからやらないかも......と思ってたから......。ゆったり気持ちよく踊りました。
からの、ステージにいたi-Oくんにスポットが当たってi-O(修理のうた)。アルバムの一曲目がライブの中盤のこんなところで来る不意打ち感がとてもよかった。
そしてみなとのイントロが流れるとどうしてもMステ出トチり事件を思い出してハラハラしてしまいますが、もちろんライブでは無事に歌い出せて一安心。そして間奏の口笛は草野が自分で吹いてて器用だなぁと思ってたら、口笛吹き終わって油断したのか「黄昏にあの日二人で」あたりの歌詞をすっ飛ばしてて笑いました。
あと次のMCでそこ歌い直してたのも笑った。
しっとりした曲が続く中でその代表中の代表たるはライブだと何回聴いても泣くわ。

そして、私がスピッツの曲でも五指に入るくらい大好きなサンシャインをやってくれたのはマジで最高でした!明るい曲や優しい曲が多い今回のセトリでスピッツの憂いの部分をしっかり味わえたのもよかった。たしか何かのライブ映像でキーを上げて歌ってるのを観た気がするけど、今回は原曲ママで歌ってて最高でしたわ。
そしてサンシャインを皮切りにダークな曲ゾーンで未来未来。音源で聴いてても体が勝手に動いちゃうようなダンスチューンですがライブでふらふら揺れながら踊りながらこれを聴けるのは最高で、もう今後のライブ定番曲になってほしすぎた。
そして夜を駆けるもゴースカで聴いたことはあるけどややレア感あって嬉しい。ゴリゴリに踊れる未来未来に比べて幻想的な雰囲気ですがサビのドラムの音とか気持ち良すぎてやっぱり踊りまくってしまった。

そして、終盤戦の始まりを告げるかのような俺のすべてが幻想的な雰囲気を切り裂くように鳴らされてもうテンションが絶頂。田村以外の2人もあちこち動き回ったりして、盛り上がりすぎてもうこれが最後の曲か!?と思ったところでMCが入ってまだまだ続きそうなのに安心しました。

MCではスピッツももうおじさんだから「スピッツ草野マサムネさん、御年56歳」とかいって健康食品とかのCMに出るかも!みたいなしょーもないことを言ってて、そっから曲フリもなく新代表曲美しい鰭に入る飄々とした感じが好きすぎる。今日の草野はなんか調子悪そうだし「う〜〜つくしい鰭で〜」のとこは出ないんじゃないか!?と失礼なことを思ったがちゃんと歌えててやばかった。どっからあんな声出るんだ。というかあんな曲作ったのはライブで歌える自信あるからだよねやばい。
からのオバケのロックバンドスピッツの"今"をこれでもかと見せつけられてもうやられました。草野以外の3人はやっぱり声出てなくて草野ってやっぱボーカルなんだよなぁと思いつつ、そんでもちょっと照れながら頑張って歌う3人を見ててなんかスピッツ好きでよかったなぁと、ここにきてまたじわじわと実感させられました。

そしてそこからはライブクライマックスで甘ったれクリーチャー8823と、スピッツ最狂のぶち上げ曲でついに私の足が完全に地面を離れました。これはもう跳ぶしかねえ!

そして、最後の曲はなぜか涙がキラリ☆という季節的にもひみつスタジオにも全く関係ない選曲でなんでそれなん??と不可解に思っている間に本編が終わってしまいました。アルバムツアーの最後、なんでそれなん???


という感じで本編でしたが、MCがどのタイミングでどの話してたか全然覚えてないのでアンコール待ちの間に覚えてるMCの内容メモっときます。

・今日はさっき食べたかえるまんじゅうと味噌おでんを動力に動きます

・2階席のみなさん、来年はいいことある!後ろの方のみなさん、今日はあなたたちのために歌います!どこに属しているのか分からないみなさん、スピッツもそうです!

・美しい鰭が若い人たちの曲に混じってチャートで2位とか取ってて、おじさん頑張ってるよ!まぁいつも上に「無敵の笑顔で荒らすメディア♪」がいるけどね!(YOASOBI「アイドル」を歌う)
そこから若い人たちの曲も聴いて感性を若くしとかないとねとか言いながら藤井風「きらり」を歌ってくれてめちゃ嬉しかった!(田村もベースでちょっと入ってきてた)

・でも人の曲ばっかで営業するのもよくないから、人の曲を歌詞だけ「チェリー」で歌おうかな、と言って「栄光の架橋」「全力少年」のサビを「愛してるの響きだけで♪」と歌ってた。ごっちゃになって頭おかしくなりそう。

・初めて来る人も多いけどこんなゆるい感じでガッカリしてない?一応ロックっぽいこと言っとくか!俺たちの熱い魂を受け止める準備は出来てるか〜!?って次の曲ゆったりした曲ですけどね、に笑った。

・明日誕生日の草野が観客に「生まれてきてくれてありがとうございます」。それはこっちのセリフや!ってきっと観客全員が思った。


なんかリーガルリリー観た後のせいなのか、若いファンが増えたから張り切ってるのか、いつもよりMCが面白く感じました。



そしてアンコールは僕の天使マリでスタート!これはなんか最近よくライブでやってる気がするけどお気に入りなんかな?音源だとキモい曲というイメージしかないがライブだと軽快なリズムで楽しく踊れて幸せな印象。

そしてメンバー紹介。
田村「スピッツ的に今年の漢字は?」
草野「鰭しかないでしょ(即答)」

田村はファンから呼び捨てで呼ばれたい、テツヤは渾名で呼ばれたいけど渾名がないから次のライブまでにみんな考えといて〜、草野はそもそも草野って苗字があんま好きじゃないから鈴木正男に改名したい

クージーはグッズ紹介のノリでスガキヤのグッズを紹介してました。

というゆるいメンバー紹介を座って聞いてたら、本当に最後の曲醒めないの軽快なイントロ。
私の中で草野不調説があったせいもあり、最後にこの曲で「任せろ」と言ってくれたのに泣きそうになったわ。
今までそんなこと思ったことないけど、同世代のミスチルの新譜が枯れてて死を身近に感じているようなアルバムだったり、前述の通りミュージシャンの訃報が続いたりしている中でもしかしたら今回が最後のライブかもという気持ちで聴いているところがあったので、そんでもこの「任せろ」を信じたい、と前向きな気持ちで帰らせてもらえた。
来年はアルバム関係ないツアーかな?再来年はゴースカかな?そして3年後には次のアルバムかな?次のアルバムのスピッツはどんなスピッツだろう......?と、いつか終わりが来るとしてもまだまだこの先のスピッツを見ていたい気持ちになった。やっぱりなんだかんだスピッツだけが私の中で特別であり背骨だわ。他のバンドにうつつを抜かしてても気が向いたらまた戻ってくるからね。

そんな感じでラーメン食って帰った。歳だから首も肩もバリクソ痛え。


追記
草野先生お誕生日おめでとうございます。