偽物の映画館

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ビートルズのベスト10を考えた。 裏編

ラバー・ソウル

ラバー・ソウル

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↑アルバムで1番を選べと言われたらめちゃくちゃ悩みつつもこれを挙げるかなぁ、というラバーソウル。



というわけで引き続き、今回は赤盤青盤収録ではない曲から選んだ裏編です。
表編が長くなったので、こっちはさくっとやっていきます。早速10位からいくぜ!



10.I'll Follow The Sun

フォーセール収録。

朝の小川のせせらぎを眺めるような、穏やかで軽快で美しいギターとリズムと歌とメロディ。
爽やかで美しいのに切なさを感じるのは、コード進行とかがそういうふうにできているのか、私が勝手に美しい川の景色に儚さを重ねているのか?いや、そもそも川の歌なのかどうかも知らねえけど凄く川っぽい音だよね。Sunっていってるし太陽の歌かな。


9.You Know My Name

パスト2収録。

アルバムを1枚目から順番に聞いていって、最後にパストマスターズを聴いて、その中でも最後の曲がこれであることに、奇妙な感慨と愉快さを覚えました。その思いでも込みでの評価にはなってしまいますが......。
公式録音とされる曲たちの中で1番最後に、こんなふざけてるみたいな肩の力を抜いて遊び心に振り切ったような、それでいてそこにちゃんと知性や芸術性を感じさせる、意外なんだけど最後にナンバリングされるのにある意味相応しいとも言えそうな曲なんですよね。
とにかくイントロのいかにも終わりに相応しい、少しのもの悲しさと、やりきったような清々しさを感じさせる音が好きで、そこから誰が歌ってるんだよってような、酔っぱらいのカラオケみたいな歌声にびっくりさせられてると、まだまだ序の口よとばかりに誰が言ってるのかも分からない語りと歌の間みたいな声が入ってきつつなんか後ろで合いの手入れてる人がいるしオモチャみたいな音してるし、なんかここはどこで私は何を聴かされているのか分からないけど祝祭が始まったような心地よい混沌に身を委ねてなんなんだこれはと思いながら聴いてしまいます。
なんなんだこれは。


8.P.S. I Love You

プリーズプリーズミー収録。

なんかもう、特にコメントも不要なくらい、シンプルに良い曲。
シンプルなところが良い曲。
一応コメントしとくと、なんつーか地味でサビもそんなサビってほどでもない気がするくらいの曲なのに抑えた中にエモさがあるのが好きですね。ゆ〜ゆ〜ゆ〜〜のところの中毒性。
同名の映画が良かったのでそのイメージも重なって余計にエモいです。


7.She's Leaving Home

Sgtペパー収録。

なんでもスピッツに喩えて恐縮ですが、スピッツの『オーロラになれなかった人のために』に入っていそうな、静かにして壮大にストリングスを効かせた曲です。というか、めちゃくちゃ似てるのでたぶんスピッツは影響受けてるよね。
サビの、タイトルをファルセットでゆったり言いながら後ろで誰かがなんか言ってるところとかもめちゃくちゃ良い(雑すぎてよさが伝わらねえ)。
何かこう、手を触れてはいけないくらいの畏怖すら感じさせる美しさです。


6.Here , There And Everywhere

リボルバー収録。

美しいといえば、この曲もビートルズの美メロランキングがあったらトップ狙える器ですよね。
ぽろーんっていうギターとコーラスが印象的な歌い出し。すぐに「Here〜」ってくだりに入ってここがめちゃくちゃ良いんだけど、その後さらにもう一つ展開してそこもめちゃくちゃ良い。めちゃくちゃ良いしか言ってないけど。
同じ美しいという形容でも、シーズリーヴィングホームの崇高さに比べてこの曲は生活感というか、日常の中でふと空を見上げたりした時のようなすっと心に沁みてくるような美しさですね。
とにかくコーラスとギターが良いんじゃ。


5.I Want You(She's So Heavy)

アビーロード収録。

印象的なアルペジオギターと、もう1本のギターはギャンギャン泣いててそこにベースが絡むイントロからして最高なんですけど、中身も全ての音が頂点を極めた、ビートルズのロック方面での完成系のような曲なんじゃないかと思う。
サビで特にだけどメロディアスにうねるベースラインもめちゃくちゃ良いし、もちろん曲の主役であるギターの音も最高だし、気怠げだけどところどころでバシッと決めてくるドラムも良いし、アイウォンチュ〜〜だけをうだうだ叫び続ける太いヴォーカルも良いし(イェーッッ!!のとこ最高)、「ヘビ〜」のところのコーラスの輪唱も最高なんだよ!!!
アンニュイで深刻げなムードも堪らん。こういういい具合に陰気な曲好きやねん。
でもこの後のヒアカムズザサンで救われた気持ちにはなる。
ちなみにフジファブリックがカバーしてて、最初はそれで知ったんですよね。そのことも思い入れの一因。


4.I Saw Her Standing There

プリーズプリーズミー収録。

9位のユーノウマイネームがビートルズ公式録音カタログの最後の曲、そしてこの曲は最初の曲です。
1、2、3、フォオ!!!という威勢のいいカウントからして、今聴くとですけど伝説がここから幕を開けたんだという感慨だけでもうエモさMAX。曲自体ノリが良くてとにかく聴いてると何も考えずに飛び跳ねて踊りまくりたくなるテンションぶち上げ曲でありまして、そこに後から思えばのビートルズストーリーの開幕という意味付けでさらに特別な位置付けにもなって、納得せざるを得ない第4位ですね。まぁ俺が作ったランキングだから納得もクソもないけど。


3.Because

アビーロード収録。

アビーロードでアイウォンチューの後でヒアカムズザサンに救われたかと思いきや、アイウォンチューよりさらに陰気な、もう沈鬱と言ってもいいくらいのこの曲が来るので本当に嫌な気持ちになります。
イントロのアルペジオといい、コーラスが良いところといい、アイウォンチューに近い部分も多いんだけど、あっちはブルーズ感が強かったのに対してこっちはもっとなんかこう、荘厳な感じ。お葬式とかで流しても怒られなさそうなくらいの。
てか、コーラスがいいなんてレベルじゃない。コーラスが、慣用表現としてではなくて本当に最も高いという意味でビートルズの全曲の中でも最高なんじゃねえの?
歌詞も中学生でもさすがにほぼ分かるくらいの簡単な英単語で出来ているのに何度聴いても読みきれない文学性というか、哲学的な内容になっています。

愛は全て、愛は君
空が青いから、僕は泣く

そういえば、井上陽水に「愛は君」って曲があるけど、ビートルズファンだしここから取ってるのかな。

ビートルズが7年で解散したのは惜しいとも思ってしまいますが、ここまで完成された曲が作れるようになってしまってはもうこの先に道はないでしょ。ポップミュージックはもうこの曲で終わってる。この曲以降の音楽は全て惰性です。


2.Free As a Bird

アンソロジー1収録。

あまりにも多くの伝説を残して、漫画の主人公だったら「さすがにリアリティねえよ」って批判されそうなくらいに伝説なバンドの、幻の未発表曲として発表された曲。それも、殺されたジョンが残した未完の曲に残りのメンバーが演奏をつけて"新曲"として発表したらしいですから、その経緯だけでもう否応なく特別な感情を抱かざるを得ないわけですが......。
それは置いといても曲がいい。
出た時の批評家からの評価は地味とか何とかって高くなかったらしいですが、何があかんのか分からん。
タイトルの「フリーアズアバード」ってとこのメロディがすごく良くって、それだけでもう大好き。ジョンっぽい感じの、ポールみたいな美メロではないけど頭にこびりついて離れないメロディ。
ビートルズをリアタイで追っていて、解散もジョンの死も見て、その上でこれを聴いてたらぜったい号泣してた。その辺のリアタイの熱狂を知らないのが惜しいし悔しい。生まれてくるのが遅すぎた。


1.Black Bird

ホワイトアルバム収録。

正直どの曲が誰のとかそんなに意識してないけど、どっちかと言えばジョン派な私。
しかし、ビートルズで一番好きな曲はと聴かれると「一つには決めれないけど〜」と言いつつ、この曲とアクロスザユニバースを挙げるんですよね。
この2曲、それぞれジョンとポールの完成系みたいな曲たちではあるので、ある意味一貫性はあるのかもしれんけど。
人づてに聞いた噂なのでどこまで本当か分かんないけどホワイトアルバムのレコーディング中にポールがささっと作って靴で床を叩きながらギター弾き語りして一人で作った曲らしい。
それを一位に挙げるのもどうかとは思うけど、好きなんだよね。
孤独な黒い鳥が誇り高く空を飛ぶ光景を思い浮かべて聴いていましたが、ブラックバードとは黒人女性のことで、公民権運動への応援の歌らしいと後から知りました。
そう聞くとより一層歌詞の誠実さも感じでいい曲に聴こえてくるからなぁ。
まぁでも、こういう静かな弾き語りっぽい曲が好きなだけです。もちろん、他の曲がバンドでやってる中でのこれ、という側面もあるので、他の名曲たちもあった上でですけど。
まぁ、要は全部好きっすね、ってことよ。
ビートルズ最高!!!フォーエバー!!!(雑だけど眠いので終わります静聴ありがとう)