偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年に読んだ本ベスト10

とりあえず時間がないのでリストだけ。あとで追記するかも。 10.ホテル・ローヤル 9.魔法の水 8.十二人の手紙 7.半席 6.撓田村事件 5.不思議島 4.かがみの孤城 3.友情 2.こころ 1.夏草の記憶

2018年、私的アルバムランキング!!

はい、こんにちは。年末ですね。もしかしたらこの記事を全て書き上げて投稿する頃には新年かも?そうだったらあけおめ!はい、私ももう社会人2年目なので、仕事も昨年より忙しくて映画も読書もしばらくあんまり無理状態で、仕方がないのでブログを書いて過ご…

朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』読書感想文

朝井リョウ、なんとなーく、こう、『桐島部活〜』のスクールカースト低い人にはつらそうな感じとか、『何者』の就活失敗したゴミにはつらそうな感じとか、読んだこともないのにつらそうなイメージで勝手に嫌っていました。でも『何者』は絶対大嫌いだと思う…

現代ホラー傑作選 第3集『十の物語』

現代ホラー傑作選シリーズ。現代ホラー傑作選 (第3集) (角川ホラー文庫)作者: 高橋克彦出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1993/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 収録作品はこちら↓ 山田風太郎「人間華」 山村正夫「魔性の猫」 三橋一夫「角姫」 …

坂木司『アンと青春』読書感想文

前作ではアンちゃんが仕事を通して出会う人たちのお話という感じが強く、アンちゃんは(読者と一緒に)彼らのキャラの濃さに驚く語り手という印象でした。今作では、そんなアンちゃんが色んな人たちとの出会いを自分の内面に反映させていくお話で、アンちゃん…

トマス・H・クック『心の砕ける音』読書感想文

現実家の兄・キャルと、ロマンチストの弟・ビリー。田舎の港町に暮らす正反対の兄弟の前に、ドーラという流れ者の女が現れた。 ビリーはドーラに恋をし、ロマンチストらしく彼女を「運命の女」だと思うようになる。 しかし少しして、ビリーは殺され、ドーラ…

フォレスト・ガンプ/一期一会

うちのオカンが映画好きでして、特に80年代から90年代前半、私が生まれて忙しくなる前くらいまでの名作は結構観てるんですが、そんなオカンに「一番好きな映画教えろや」と聞いたところこれを勧めていただいたので観てみたわけですが、まあぁぁ、最高ですね…

坂木司『和菓子のアン』

高校を卒業して進学も就職もせずにデパ地下の和菓子屋さん「みつ屋」で働くことになった主人公のアンちゃんが、お客さんや仕事仲間に関する謎に出会いながら成長していく日常の謎連作短編集です。和菓子のアン (光文社文庫)作者: 坂木司出版社/メーカー: 光…

シャークネード ラストチェーンソー

世の中に終わらないものはありません。恋も、夢も、人生も、いつかは終わってしまうものです。 そして、世界を熱鮫の渦に巻き込んだ感動の超大作「シャークネード」シリーズも今作で最後なのです。シャークネード6 ラスト・チェーンソー [DVD]出版社/メーカ…

今月のふぇいばりっと映画〜(2018.11)

はい、なんとこのコーナーもなんとか3ヶ月保ちましたね。保ったからといって別に誰も見てないとは思うけど、せっかくなんでこの調子で続けていけたらと思います。 エンドレス・ポエトリー 君の名前で僕を呼んで マルホランド・ドライブ ストレイト・ストーリ…

加藤元浩 『Q.E.D 証明終了』全巻読破計画③ 21〜30巻

ここんとこ読むのサボってましたが、こないだ職場にケータイ持ってくの忘れて休憩中に手持ち無沙汰だったから読んだことをきっかけにまたちょっと読むのを再開するというめちゃくちゃどうでもいい出来事を経てやっとここまで読み進めました〜〜。というわけ…

芦沢央『今だけのあの子』短文感想

最近ミステリ界隈でよく名前を聞く気になってた作家さん。初読です。 『許されようとは思いません』という本が、タイトルの鮮烈さとともに話題になってましたが、あれが文庫になってないのでこちらを読んでみました。今だけのあの子 (創元推理文庫)作者: 芦…

「ボヘミアン・ラプソディ」を観てきました。

ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)アーティスト: クイーン出版社/メーカー: Universal Music =music=発売日: 2018/10/19メディア: CDこの商品を含むブログを見る はい、観てきました。 観て来たてほやほやだし、シンクよりもフィールな…

「アンダー・ザ・シルバー・レイク」への小並感、あるいはメモ程度の文章

フォロワーさんに勧められながらも観れないまま上映最終日を迎え、運良くその日に仕事が早く終わったのでこれも巡り合わせかと名駅まで観に行ってきました。 『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督による、L.A.を舞台にした映画です…

深水黎一郎『大癋見警部の事件簿』読書感想文

「読者が犯人」に挑戦した野心作『ウルチモ・トルッコ』でメフィスト賞からデビューした著者による、本格ミステリのお約束を茶化しまくったコメディ短編集、あるいはミステリ評論集(決して"ミステリ短編集"とは呼びませんからね!)です。大癋見警部の事件簿 …

今月のふぇいばりっと映画〜(2018.10)

はい、それでは今月のふぇいばりっとのコーナーです。冷静に考えたらこのコーナー、今月じゃなくて先月になっちゃうんですけど、もうやりはじめてしまったので今更曲げるのもカッコ悪いですしこのまま突き進みます。それでは"今月"のふぇいばりっとはこち…

青山文平『半席』読書感想文

時代小説というものをほとんど読みません。 読んだことがある時代小説を考えてみましたが、ほんとに、大好きな泡坂妻夫先生の諸作と、時代小説というよりは少年漫画に近い山田風太郎の忍法帖くらいしかありませんでした。 そんな私ですが、ミステリ界隈で「…

多島斗志之『黒百合』読書感想文

私の中で勝手に多島斗志之ブームが来ています。同時に他の作家さんのブームも来ていながら、読書スピードは日に日に落ちていく一方なので、あんまりたくさん読めてるわけじゃないですが、それでも多島斗志之が今、来てます。 そんな多島斗志之作品の中でも、…

浦賀和宏『十五年目の復讐』読書感想文

十五年目の復讐 (幻冬舎文庫)作者: 浦賀和宏出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/10/10メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 著者の前作『Mの女』を読んだ時には、正直なんだかよく分からない話だなと思いました。というのも、『Mの女』は短いページ数…

浦賀和宏『ハーフウェイハウスの殺人』読書感想文

森の中の学園「ハーフウェイハウス」は外界と完全に隔離された学園。そこに暮らす子供達は、外の世界を夢見ながらも脱走する勇気はないまま日々を送っていた。しかし、ある日、学園の生徒・アヤコの前に、彼女の兄と名乗る男・健一が外の世界から現れる。そ…

浦賀和宏『緋い猫』昔書いたの

緋い猫 (祥伝社文庫)作者: 浦賀和宏出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/10/13メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 主人公の洋子は佐久間という共産主義者の恋人がいる。しかしある時、佐久間の仲間二人が殺害され、佐久間も行方不明になって…

浦賀和宏『姫君よ、殺戮の海を渡れ』昔書いたの

姫君よ、殺戮の海を渡れ (幻冬舎文庫)作者: 浦賀和宏出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/10/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る糖尿病の妹がキャンプに行った利根川でイルカを見たと言う。誰も妹を信じないことに憤った主人公は、妹と友…

浦賀和宏『ファントムの夜明け』昔書いたの

私の中ではここ数年恒常的に浦賀和宏ブームが起こっています。そのためブログを始める前に書いてた浦賀作品の感想をこっちに移して来ようかと思います。ファントムの夜明け (幻冬舎文庫)作者: 浦賀和宏出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2005/03/01メディア: …

ハイテンション

2回目観ました。2回目でも口から心臓吐いたくらい緊迫感のエグいフランス産スプラッタホラーです。ハイテンション [DVD]出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2010/04/16メディア: DVD購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (8件) を見る製作年:2003年 …

トマス・H・クック『夏草の記憶』読書感想文

チョクトーという田舎町で診療所を営む医師のベン。彼は今でも30年前のことを思い出す。高校生だったあの頃、転校生としてチョクトーの町にやってきた少女・ケリーに恋をしたこと。そして、あの夏、ケリーの身に起こった悲劇のことを......。夏草の記憶 (文…

海猫沢めろん『愛についての感じ』読んだ記録

新三大奇書としてお馴染み(?)の『左巻キ式ラストリゾート』の著者。まさかもう一度この人の作品を読むことになろうとは思いませんでしたが、今作は普通に面白かったです。愛についての感じ (講談社文庫)作者: 海猫沢めろん,市川春子出版社/メーカー: 講談社…

今月のふぇいばりっと映画〜(2018.9)

はい、突然ですが新コーナー?的なのです。このブログ、一応映画ブログのつもりで始めたのに、最近は読書感想ばっかで映画についての記事がどんどん少なくなっているのに忸怩たる思いなわけですよ。でも実はちゃんと毎日映画自体は観てて、でもブログに書く…

小川勝己『撓田村事件 ー iの遠近法的倒錯』

『眩暈を愛して夢を見よ』に続いて読むの2度目の小川勝己。 舞台は、岡山県香住村の撓田地区。村落合併以前からの閉鎖性から、香住村に吸収された後の現在も「撓田村」と呼ばれることもあるこの地区で、下半身をちぎり取られ不気味な装飾が施された遺体が発…

ベイビー・ドライバー

まあその時々の気分もありますが、基本的に「一番好きな映画」にはこれを挙げております。3回観ました。劇場公開時、DVD、そして先日の爆音映画祭での、計3回。一番好きのわりに少ないようですが、同じ映画を2回観ることもほぼない私としては快挙(?)。そし…

桜木紫乃『ホテルローヤル』読書感想文

北海道東部にある『ホテルローヤル』というラブホテルに関わった人たちの人生を切り取った連作短編集です。直木賞を受賞した際に話題になりましたが、著者本人の実家がそのまま「ホテルローヤル」という名前のラブホテルで、そういう家に生まれた人が、ラブ…