偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

倉野憲比古『スノウブラインド』読書感想文

昨今では珍しく新人賞などは取らずに本書でデビューし、その後もう一冊だけ長編を上梓したっきりの幻の探偵作家、倉野憲比古。 ずっと前にフォロワー氏に勧められていたものの文庫派だからハードカバーはなぁ......などと言っているうちに読む機を逸していた…

トマス・H・クック『蜘蛛の巣のなかへ』読書感想文

教師のロイは、余命短い父親を看取るために故郷の町へ帰る。あるきっかけでかつて弟が起こしたとされる事件の謎を探るうちに、ロイは父の過去と弟の死にまつわる蜘蛛の巣のような謎に絡め取られていき......。蜘蛛の巣のなかへ (文春文庫)作者: トマス・H・…

小林泰三『殺人鬼にまつわる備忘録』読書感想文

というわけで、前回の記事に書い‪た『忌憶』所収の「垝憶」という中編を長編化したのが本書です。‬殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/10/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る‪とある事…

小林泰三『忌憶』読書感想文

久しぶりの小林泰三......ってなんか最近読書記録を書くたびに久しぶりって言ってる気がしますね。読書量が減ったからしゃーないねん......。忌憶 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/03メディア: 文庫 クリック: 6回この…

Apple Musicに加入しました

はい、しました。正直なところ、これまでストリーミングってのにはちょっと反発心がありまして。 その理由ってのはまぁ、やっぱCDへの愛着だとか、ストリーミングでたら〜っと音楽流してアルバム単位とかで聴かない人への嫌悪感だとか、「作品」というものへ…

谷崎潤一郎『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』読書感想文

久しぶりの谷崎。書名の通りマゾヒズムが題材の短編を集めた本です。 中村佑介のイケない感じの表紙絵に惹かれて買ったわけですよ。そりゃそうさ!谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 (集英社文庫)作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/09…

藤野恵美『おなじ世界のどこかで』読書感想文

『ふたりの文化祭』を読み終えた足で本書を買いに行き、その日のうちに読み終えてしまいました。NHKオンラインで連載されていたSNSやインターネットにまつわる連作短編集です。おなじ世界のどこかで (角川文庫)作者: 藤野恵美出版社/メーカー: KADOKAWA発売…

藤野恵美『ふたりの文化祭』読書感想文

ふたりの文化祭 (角川文庫)作者: 藤野恵美出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/02/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る本屋で新刊のコーナー見てたらこのタイトルを見つけて「え、え、え、えぇ〜〜!?」と叫びました(心の中で)。 そう、本書は完…

若者のすべて

フジファブリックのかの名曲......ではなく、ルキノ・ヴィスコンティ監督、アラン・ドロン主演の1960年のモノクロ映画です。 若者のすべて ルキーノ・ヴィスコンティ Blu-ray出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2018/08/31メディア: Blu-rayこの商品…

今月のふぇいばりっと映画〜(2019.2)

はい、2月のふぇいばりっと。 2月は個人的にはそこまで忙しくなかったですが、途中2週間ほど映画観ない期に入ってしまっていたので結局10本くらいしか映画観れてないです。 そんな中からなんとか選び出したのがこちら↓ アクアマン 新婚道中記 道(フェリーニ…

『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』読書感想文

タイトル通り、アリス先生が選ぶ本格短編アンソロジー。 いきなり失礼なこと言いますが、作家としての有栖川有栖にはそこまで興味がなくて、学生シリーズこそ好きで全部読んでるものの、作家シリーズの方は短編集読んであんまり肌に合わなくてやめちゃいまし…