偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! File-2 暗黒奇譚・蛇女の怪!(2015)


童貞中年男の桜井は金城を散歩している時に川でつぐ巳という美女に出会う。母親と2人暮らしで自分と同じように孤独だというつぐ巳に惹かれた桜井は彼女の家へ押しかけるが、そこで彼女が蛇になったような映像を撮影してしまう。
......投稿映像を見た工藤Dは、桜井に恋愛指南をしてつぐ巳をモノにさせると言い出し......。



というわけでシーズン2の第2作目は異色のラブストーリー。
いつものように工藤さんたちが出てきて「投稿映像を見ま〜す」みたいなノリではなく、いきなり投稿映像から始まって、しかもそれがかなり長い。長いんだけど、桜井の不器用で女慣れしてなくてキモいところにハラハラしてなんかつい応援したくなってしまってのめり込んで見てしまったので長さを感じませんでした。
そして、工藤さんたちが出てきてからはもう最高っすよ。工藤さんが「恋愛指南」するってだけでもう爆笑やし。オドオドしてハッキリしない桜井が工藤さんに「ハッキリ喋れ(ボコっ)泣くな男だろ(ドカっ)」と暴行され、あげく市川さんにまでビンタされながらも一途につぐ巳ちゃんに向かっていく様は、まぁフィクションとしてはエモくて良いし(実際やったら犯罪なのでダメです)、それが行き過ぎる終盤の展開も凄え。けしかけた工藤さんまでたまにちょっと引いてたりするのがウケる。そして工藤さんもなんかだんだんのめり込んで本人以上に熱くなってるのも良いっすね。この人過去に恋愛絡みでなんかあったんか?

ホラー的にも蛇女の気味悪い動きとか夜の田舎町の恐ろしさとか良かったし、SF的要素が絡んでくるあたりもいつものコワすぎって感じで良い。あと隣家のおばちゃんの口が綿菓子くらい軽くて笑う。他人の秘密ぜ〜んぶ喋るやん。

そんな感じでホラーでありコメディでありラブストーリーでもあるシリーズ屈指の詰め込み具合を誇る良作で、なんでこれで打ち切りになってしまったのか分からんけど悲しい......。こういう単発で毎回趣向を凝らした路線で続いてくれてたら良かったのに......。まぁともあれあとまだ新劇場版があるので楽しみだし、あわよくばシーズン3もやってくれ......。
しかしなんで童貞ってみんな春琴抄好きなんだ......。