偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

SUMMEEEEEEER!プレイリスト!!

フォロワーのサラちゃんに勧めるための夏の歌のプレイリストを作ったので一言ずつの全曲紹介をしていきます。
一応イメージは夏が始まって終わってく感じ......なんだけど、二曲目の歌詞で夏が終わったりしてるのでサウンドで雰囲気だけ味わってもらえれば......。




1.kakkmaddafakka「Baby」

Baby

Baby

  • Kakkmaddafakka
  • アダルト・アルタナティブ
  • ¥255

アーランドオイエのレーベル繋がりで知ったバンド。まだ最近の作品しか聴けてないけどDipromacyっていうフルアルバムとしては最新の作品がめちゃくちゃ夏の雰囲気で大好きです。
この曲はその後に出たミニアルバムの一曲目なんだけど、なんか叫び声みたいなのと性急な歌から始まる勢いが夏が来たぜオラァ!!!って感じですげえ良いので一曲目はこれしかねえと思って。なんか、ネガティブな要素は一切ないしアホくさいくらい明るいんだけど圧は強すぎなくてサラッと聴けて良いですよね。
このバンドは私もこれから過去作とか遡って聴いていきたいし、シングルが最近めちゃ出てるのでそろそろアルバムも出そうかな?という感じで楽しみ!


2.ストレイテナー「シーグラス」

シーグラス

シーグラス

二曲目にして歌詞では夏が終わりを急いでしまっていますが、この曲が収録されているアルバムで二曲目に入ってるので、私の中でははじまりのイメージがついちゃってたんですよね。
あとこれも歌始まりなので、二曲続けて歌始まりにすることで始まった感を出したかったのもあります。
めちゃキャッチーでポップで歌詞も歌謡曲っぽさはありつつロックなカッコ良さと勢いもあって最高っすね。


3.BaseBallBearPerfect Blue

PERFECT BLUE

PERFECT BLUE

ギターロック繋がりでベボベ流ギターロックの集大成のようなこの曲を。
年始に出たリーガルリリーの新アルバムが最初の三曲全部勢いのある曲だったので、それも意識してこれを三曲目にしました。
まさにサイダーや散弾銃みたいなシュワシュワしたギターサウンドが気持ち良すぎるのとサビの「君は翔んだあぁ〜」がキラーフレーズすぎる。
一見爽やかな恋愛ソングのようで、よく読むと死別の歌にもなってる歌詞も不謹慎ですがエモい。
この曲が入った『二十九歳』という傑作アルバムも気付けばもう8年前で、昨年には盟友の死を受けてより生と死を深く見つめた『DIARY KEY』(Dieありき)というアルバムが出てもいるんですが、この曲はそんな今のベボベからすると(良くも悪くも)(タイトル通り)青い名曲なので、序盤で入れときたいなぁってのもあってここに入れました。
マジで大学の時とか夏になると毎日聞いてたからな......。たぶんこのプレイリストで一番聴いてる曲ですね。


4.SHE IS SUMMER「君のせい Swimming Ver.」

君のせい Swimming ver.

君のせい Swimming ver.

  • SHE IS SUMMER
  • エレクトロニック
  • ¥255

これも勢いあるっちゃあるけど、これまでの三曲に比べてちょっとタラっとしてオシャレ感のある曲っすね。
1st EPに入ってる元のアレンジはもうちょいゴリゴリしたサウンドなんだけど、2ndEP収録のこの「swimming ver」はよりシティポップ風というか山下達郎のsparkleっぽいというか、真夏の明るい日差しにテンションが上がりつつ暑さにちょっとうだってもいるような感じで良いですね。
あと声が可愛すぎてムカつきます。あざとい。くぅ〜。


5.The Cure「In Between Days」

Inbetween Days

Inbetween Days

このプレイリストにはわりとほとんどの曲を聴いてるくらい好きなアーティストの曲を選んで入れてるんですが、このキュアはそんなに聴いてないけど次にはまりそうな感じのバンドっすね。
私の好きな「シングストリート」とか「Summer of 85」っていう映画に使われてて知った曲です。ちなみに「シングストリート」っていう映画のサントラには作中の高校生バンドが作った曲も入ってて、「A Beautiful Sea」って曲が絶妙にこの曲からの影響で高校生が作ったって感じになってて面白いのでぜひ聴き比べてほしいっす。

ア・ビューティフル・シー

ア・ビューティフル・シー

で、この曲は海面に陽光が反射するみたいなキラキラしたサウンドなんだけど、どこかに少しだけ憂いの影のようなものも感じさせる曲で、どタイプなんですねぇ。キュア何曲か聴いてるけど、キラキラ+陰りみたいな曲が多くて好きそう。というか米津玄師が好きって言っててすごい分かるって感じです。


6.禁断の多数決「透明感」

透明感

透明感

  • 禁断の多数決
  • J-Pop
  • ¥255

禁断の多数決ってのはなんかほうのきかずなりさんって人が中心にいてメンバーが流動していくプロジェクトみたいなもので、最近はあんまり追えてないけど昔のは結構好きで聴いてたんですよね。
実験的なインストみたいな曲とかもあるんだけど、彼らの歌モノはけっこうこういう感じのが多くて。なんていうのか、いい意味でちょっとチープというか、場末っぽいというか、素人モノのAVみたいというか、ラブホで流れてそうというかな安っぽさがある種の切なさになっていて唯一無二の胸を締め付けられ感があるんですよね。なぜか聴くと泣けてきちゃうんですよね。
前の曲までのキラキラ感と、次の曲からの気だるさとの狭間っていうイメージでここに入れました。


7.ミツメ「cider cider」

cider cider

cider cider

  • ミツメ
  • ロック
  • ¥204

この辺から夏の気だるさコーナー。
イメージとしては8月の午後2時くらいのご飯食べてお腹いっぱいでちょっと眠いくらいのテンション。イントロのギターのチャキチャキした音と、もったりしてるけど浮遊感もあるベース(間奏のもったりしたスラップカッコいい)が印象的。サイダーのこと「甘い汁」呼ばわりしてるとこが好きです。
「甘い汁の空き瓶を覗けば 子供だけの季節が来る」韻律を除けばこのフレーズだけで短歌として成立しそう。最高では。


8.Erlend Oye「La prima estate」

La prima estate

La prima estate

  • アーランド・オイエ
  • ポップ
  • ¥153

アーランドオイエ、マジでめちゃくちゃ好きなんですよね。もう外見が好き。

こういうひょろっとしてせが高くて眼鏡かけてる男すごい好きなんですよね。ルビースパークスのポールダノとか。

アーランドオイエはノルウェーの至宝とも呼ばれるフォークデュオのKings Of Covenienceの片割れ、そして人力エレクトロロックバンドのThe Whitest Boy Aliveのフロントマンでもあり、ソロでも幅広い作風の曲を出したりと、多作ではないけどマルチに活躍してるすげえ人なんす。
この曲はソロのシングルなんだけど、ソロならではのバンドやデュオの枠に収まらない色とりどりなサウンドで聴いてると思わず踊り出しちゃうような多幸感があり、それでいてどこか静寂を感じさせる寂しさや切なさのようなものもあって夏のピークから終わりに向かっていく時期の夕方みたいな歌だと思います。声が優しい。聴いててすごくほっとしますよね。
この曲はMVもめちゃ綺麗で可愛い(このロケーションがずるいし動くアーランドオイエちゃん超可愛い)ので必見!
そして気になった方はバンドやデュオの方も聴いてみてください。全部最高ですので!


9.SEKAI NO OWARI「YOKOHAMA Blues」

YOKOHAMA blues

YOKOHAMA blues

「僕らはもう一人じゃない!」みたいな臭いことを言ってるってのがセカオワのイメージな人に是非聴いてほしい、イマのセカオワの始まりを告げる2枚組アルバム「EYE」「LIP」からの一曲。
歌い出しの深瀬の声のエロさでもうこれまでのセカオワのイメージを刷新され、ワウワウしたギターが印象的なAORっぽいアダルトなサウンドにもこれまでとのギャップにびっくり。
しかも、歌詞では「名が売れて良いこともあったけど悲しいこともあった」というところで深瀬とセカオワ自身を連想させ、そこから「僕らはケダモノのように抱き合った」というフレーズがより生々しく匂い立ってくる、私小説っぽくパブリックイメージを利用するやり口が上手いと思います。
これ以降セカオワのアルバムには絶対一回は下ネタが入るようになっていくわけです。


10.Cody・Lee(李)「異星人と熱帯夜」

異星人と熱帯夜

異星人と熱帯夜

  • Cody・Lee(李)
  • ロック
  • ¥255

いま再注目ぐらい話題のバンドの代表曲!
このバンド、フジファブリックとか銀杏BOYZとかアンディー森とかキリンジとか神聖かまってちゃんとかきのこ帝国そういう私の好きなラインのバンドの引用に次ぐ引用で歌詞とアレンジやってるほぼ俺たちの邦ロックの二次創作みたいなバンドで、あまりにも二次創作感が強すぎてめちゃくちゃハマれはしないんだけどでも趣味が合いすぎて気になって仕方ない存在ではある、みたいなバンドです。
この曲もタイトルに異星人=エイリアンと入ってることからも分かるようにキリンジオマージュ。
ただキリンジのエイリアンズは冬の夜の清澄な空気を描いているのに対して、この曲は夏の夜の猥雑な空気を描いているというオマージュ元とのズラし方が天才。
サウンドもメロディも歌詞も男女ツインボーカルも中毒性の塊で、去年通年で一番たくさん回数聴いた曲なのに今年もすでに50回くらい聴いててマジで社会人になってから一番ハマった曲だと思います。
なんか、映画とか音楽とか好きなサブカルゴミ野郎へのレクイエムみたいなクソエモエモファッキンクソエモ名曲なんですよねエモしか言えない生き物になってしまった......。


11.BaseBallBear「海へ」

海へ

海へ

私にとって夏といえば、スピッツを除けばBaseBallBear一択なんですよね。
だから1アーティスト1曲縛りの中であえてベボベだけ3曲くらい入れてやろうってのは最初から考えてたんだけど、その中でこの曲は最新アルバムの最後から二曲目に入ってる重要曲。
これまで「C」=Sea、She、死......をテーマにしてきたベボベが、『DIARY KEY』=「D」を冠したアルバムでCの時代を超えていく、その最後の方で再び「海」=「Sea」=「C」へ回帰しつつ、デビューした頃から20年くらいの歳を重ねた今だからこそよりフラットな視線で「死」を見つめてるんですよね。
三曲目に入れた、「She」と「死」をテーマにしつつ青さの残る「Perfect Blue」からの成熟を(そして変わらぬエバーグリーンなサウンドの気持ちよさも)感じてほしくてここに入れました。

さよならは言わなくていいよ
失くしたものにもどこかでまた会えるのさ

てか、このアルバム、死と再会がテーマで完全にスピッツの『醒めない』なのでスピッツファンのサラさんは聴いてみてほしいですね。


12.BaseBallBear「セプテンバー・ステップス」

からの、続けざまのベボベ
この曲は夏バンドのベボベが初めて「秋」をテーマにしたEP「GRAPE」の収録曲。バンドサウンドのかっこよさと夏の終わりの狂おしいほどのエモさはありつつも落ち着いたトーンの曲で夏プレイリストの終盤に相応しいかな、と。たったったったえいえいえいえんというタラっと繰り返すフレーズが中毒性!

もうタッタッタッタとさっさっ去ってく君ばっかで暑すぎた夏

あと、歌詞に「GRAPEVINE」って出てくるので、次の曲への繋ぎの意味も込めてここに入れました。


13.GRAPEVINE「夏の逆襲(morning light)」

夏の逆襲(morning light)

夏の逆襲(morning light)

夏の終わりは静かなものなので、最後の曲はインストにしたいなぁ、という構想から、インストに近いこの曲を。
ただ、歌もちょっと入ってるので田中さんの声の良さもさわりだけは伝わるかな、と。
同じフレーズを繰り返しながら少しずつ変化を付けていってじわじわと盛り上がりそうになっていってサビ的な部分でドカーンと爆発する焦らしプレイの気持ちよさが最高な曲。
澄んだ空気も「あの夏を越えるくらい」という歌詞も、夏のはじまりのようでもあり、終わりのようにも感じられます。
プレイリストの最後の曲だけど、リピート再生することでこの曲が夏の終わりと始まりの二重の意味を持って終わらない夏の中にサラさんを閉じ込めてやりたいと思って最後の曲はこれにしました。ぜひこの終わりから一曲目に戻ってリピってほしいっすね。