偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

シン・仮面ライダー(2023)

観てきたぜオラァ!!!
うーん、なんか変な映画だったけど、とりあえずめちゃくちゃ楽しかったです!
てゆーか、なんか好きな部分と好きじゃない部分はありつつトータルでは楽しかった、という感じ。

とりあえず、全体の流れは色んな怪人が出てきて、そいつらを一体ずつやっつけていくという単調とも言えそうなくらいシンプルなものなんだけど、怪人たちのキャラが濃い(演者も豪華すぎる)のと途中から2号ライダーも出てきたりして常になんか変なことが起きてる感じで楽しいです。

ただ、個人的には1番好きなのは冒頭のあの感じ。突然始まる感じで、インディーっぽい雰囲気やスプラッタというかスラッシャー的な殺戮描写の不穏さが好きです。俳優の抑揚のない喋り方も。アクションシーンのカット割りが粗く細かく、ジャンプしたら次のカットでは別の場所に着地してるみたいな省略とかがまぁチープとも言うのかもしれんけど私は好きでした。
その不穏さとシンプルなバイオレンスの感じが好きだったんで、終盤のラスボス的なあの人とのバトルとかだんだんチープなSFみたいになるのは正直微妙......。単に個人的な嗜好として森の中のチープな殺戮はOKで、なんかよく分からない機械っぽい空間が出てくるタイプのチープさは苦手なんだと思う。
ロケーションが工場とか浜辺とか線路とかの人がいない場所ばっかりで、というか本作全体で物語に関係のない人間が全く映らないのも作り物めいていて良かったです。
まぁあと、この雰囲気で「コミュ障」みたいな言葉が使われるワードチョイスは好きじゃないけど、「幸せという字は......」みたいなギャグは好きだったりする。

テーマとしてはほんと「幸せとは」「ヒーローとは」みたいなざっくりした感じで、そこにコロナ禍や虚無主義みたいな現代的なテーマを絡めつつもあんまり社会的なメッセージ性を全面に押し出しては来ない感じ。これはまぁ好きでも好きじゃなくもなく。

あと、微妙だったのは、なんか変に百合とかBLとか妹萌えっぽい感じを入れてくるとこかなぁ。
まぁBLというか、タイプの違う男同士の結束はしっかり描かれてたしテーマにも関わってくるところだから良いけど、ヤンデレ百合みたいなのはなんかこう記号的ってゆうか、取ってつけたような感じがしてしまいました。

まぁ色々書いたけどやっぱりもう浜辺美波の魅力が全開なのが1番良かった気はする。髪型とかコートとかファッションと昏い表情から出るミステリアスな色気とピュアな透明感の違和感にもうやられっぱなしで最高。女の子を可愛く撮れるのはやっぱ羨ましい......。しかし一点あまりにもサービス的なシーンが結構な長さであるのはやっぱちょいわざとらしく感じてしまったかなぁ。

まぁなんせ、仮面ライダー、私は実はクウガしか見たことないし、庵野作品もシンゴジ、シントラ、シンカメしか観てないので、特別な思い入れもなければ仮面ライダーの解釈違い云々もないので感想なんて「なんか面白かった!」「浜辺美波可愛かった!」くらいしかないですが面白かったです。