高橋源一郎による本の紹介コラムを一冊にまとめた本。
基本的に紹介する本の内容の引用が多いので高橋源一郎節は控えめなんですが、とにかく紹介されている本が魅力的すぎる！
歌人の夫婦の妻が癌で亡くなるまで、日々送り合った短歌をまとめた『たとへば君 四十年の恋歌』という歌集から、『ラブホの上野さん』や『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』といった本まで硬軟入り混じった選書の幅広さ自体がもう凄い。そのほとんどは小説ではなく、小説家なのになんでこんなに小説じゃない本までたくさん知ってるんだよと驚かされます。
たぶん紹介されている本自体読んだら面白いんだろうけど、紹介の仕方がまた上手いのでより面白そうに感じて本書を1冊読んだだけで心の積読が10冊以上増えちまいました。
あと言い方悪いですが本書に引用されている部分だけでも紹介されている本の面白エッセンスはかなり味わえそうなので、色んなオモロい本のよりぬきみたいな楽しみ方もできると思います。
気楽に笑えるエッセイが好きな方や、なんか面白い本ないかなと探している方にはたいへんオススメの1冊です。
