偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

目次(音楽・漫画・日記)

〈音楽関連〉

indigo la End

1st 『幸せが溢れたら』
2nd 『藍色ミュージック』
3rd 『Crying End Roll』
4th 『PULSATE』
5th 『濡れゆく私小説』


スピッツ

〈アルバム〉
1st『スピッツ』
2nd『名前をつけてやる』
8th『フェイクファー』
9th『ハヤブサ』
10th『三日月ロック』
13th『とげまる』
14th『小さな生き物』
15th『醒めない』
16th『見っけ』

〈曲〉
「エンドロールには早すぎる」
「子グマ!子グマ!」


サカナクション

『834.194』感想 -東京version-
『834.194』感想 -札幌version-





アルバム年間ベスト

2017年、私的アルバムランキング!
2018年、私的アルバムランキング!!
2019年、私的アルバムランキング!!!
2020年、私的アルバムランキング!!




その他まとめとか

夏メロ


〈漫画関連〉

駕籠真太郎
『殺殺草紙 大江戸無惨十三苦』
『ブレインダメージ』

加藤元浩
Q.E.D 証明終了』全巻読破計画
① 1巻〜10巻
② 11巻〜20巻
③ 21巻〜30巻
④ 31巻〜40巻
『C.M.B 森羅博物館の事件目録』全巻読破計画
① 1巻〜10巻
② 11巻〜20巻

さくらももこ
『ちびしかくちゃん』(全2巻)

田島列島
『子供はわかってあげない』(上下巻)

吉富昭仁
『地球の放課後』(全6巻)

アンソロジー
怪談マンガアンソロジー『コミック幽』





《日記》


恋バナ
話す
考える
思い出が
日記 11/3
日記 11/25

目次(小説etc)

≪あ行≫

相沢沙呼
『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』

葵遼太
『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』

青山文平
『半席』

朝井リョウ
『世にも奇妙な君物語』

芦沢央
『今だけのあの子』

飛鳥部勝則
『堕天使拷問刑』

阿津川辰海
『紅蓮館の殺人』

綾辻行人
『十角館の殺人』
『深泥丘奇談・続々』
『Another エピソードS』

伊坂幸太郎
『火星に住むつもりかい?』
『AX』
『ホワイトラビット』

石持浅海
『相互確証破壊』

井上ひさし
『十二人の手紙』

井上悠宇
『誰も死なないミステリーを君に』

井上夢人
『ダレカガナカニイル』

今村昌弘
『屍人荘の殺人』

上田早夕里
『魚舟・獣舟』

歌野晶午
『ずっとあなたが好きでした』
『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』

海猫沢めろん
『愛についての感じ』

浦賀和宏
《安藤直樹シリーズ》
1.『記憶の果て』
2.『時の鳥籠』
3.『頭蓋骨の中の楽園』
4.『とらわれびと』
5.『記号を喰う魔女』
6.『学園祭の悪魔』
7.『透明人間』
『透明人間』(再読)
8.『HEAVEN 萩原重化学工業連続殺人事件』
9.『HELL 女王暗殺』
10.???
《八木剛士・松浦純菜シリーズ》
1.『松浦純菜の静かな世界』
2.『火事と密室と雨男のものがたり』
3.『上手なミステリの書き方教えます』
4.『八木剛士 史上最大の事件』
5.『さよなら純菜 そして不死の怪物』
6.『世界でいちばん醜い子供』
7.『堕ちた天使と金色の悪魔』
8.『地球人類最後の事件』
9.『生まれ来る子供たちのために』
《メタモルフォーゼの女シリーズ》
1.『Mの女』
2.『十五年目の復讐』
《ノンシリーズ》
『こわれもの』
『ファントムの夜明け』
『姫君よ、殺戮の海を渡れ』
『究極の純愛小説を、君に』
『緋い猫』
『ハーフウェイハウスの殺人』

大槻ケンヂ
『くるぐる使い』

大山誠一郎
『赤い博物館』
『アリバイ崩し承ります』

小川勝己
『まどろむベイビーキッス』
『撓田村事件』
『ぼくらはみんな閉じている』
『ロマンティスト狂い咲き』
『イヴの夜』

尾崎世界観
『祐介』


≪か行≫

甲斐田紫乃
『超能力者とは言えないので、アリバイを証明できません』

加門七海
『蠱』

木々高太郎
『木々高太郎集』

楠田匡介
『いつ殺される』

倉野憲比古
『スノウブラインド』
『墓地裏の家』
「双子」

甲賀三郎
『蟇屋敷の殺人』

小林泰三
『忌憶』
『殺人鬼にまつわる備忘録』

小松左京
『霧が晴れた時』


≪さ行≫

坂木司
『和菓子のアン』
『アンと青春』
『先生と僕』
『何が困るかって』

桜木紫乃
『ホテルローヤル』

沢村浩輔
『夜の床屋』

島田荘司
『夏、19歳の肖像』
『幻肢』

下村敦史
『闇に香る嘘』

朱川湊人
『都市伝説セピア』
『いっぺんさん』

白井智之
『少女を殺す100の方法』

住野よる
『君の膵臓をたべたい』

蘇部健一
『木乃伊男』



≪た行≫

太宰治
『人間失格』
『走れメロス』
『きりぎりす』

多島斗志之
『クリスマス黙示録』
『不思議島』
『少年たちのおだやかな日々』
『私たちの退屈な日々』
『追憶列車』
『黒百合』

谷崎潤一郎
『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』

千澤のり子
『シンフォニック・ロスト』

辻真先
『郷愁という名の密室』(牧薩次名義)

辻村深月
『かがみの孤城』

積木鏡介
『誰かの見た悪夢』

友成純一
『ホラー映画ベスト10殺人事件』



≪な行≫

中西鼎
『東京湾の向こうにある世界は、すべて造り物だと思う』
『放課後の宇宙ラテ』

夏目漱石
『こころ』

七河迦南
『アルバトロスは羽ばたかない』

二階堂奥歯
『八本脚の蝶』

西澤保彦
《タック&タカチシリーズ》
『黒の貴婦人』
《チョーモンインシリーズ》
『夢幻巡礼』
『転・送・密・室』
『人形幻戯』
『生贄を抱く夜』
『ソフトタッチ・オペレーション』
《腕貫探偵シリーズ》
『腕貫探偵』
『腕貫探偵、残業中』
森奈津子シリーズ》
『小説家 森奈津子の華麗なる事件簿』
『小説家 森奈津子の妖艶なる事件簿 両性具有迷宮』
《城田理会シリーズ》
『殺す』
《ノンシリーズ》
『殺意の集う夜』
『瞬間移動死体』
『死者は黄泉が得る』
『黄金色の祈り』
『夏の夜会』
『パズラー 謎と論理のエンタテインメント』
『笑う怪獣』
『いつか、ふたりは二匹』
『からくりがたり』
『春の魔法のおすそわけ』
『収穫祭』

貫井徳郎
『修羅の終わり』※全編ネタバレのみ)

野崎まど
『【映】アムリタ』

法月綸太郎
『頼子のために』
『一の悲劇』
『ふたたび赤い悪夢』
『パズル崩壊』
『犯罪ホロスコープ Ⅰ』
『怪盗グリフィン、絶体絶命』



≪は行≫

深緑野分
『オーブランの少女』

深水黎一郎
『大癋見警部の事件簿』

藤野恵美
『わたしの恋人』『ぼくの嘘』
『ふたりの文化祭』
『おなじ世界のどこかで』

穂村弘
『もしもし、運命の人ですか。』
『鳥肌が』



≪ま行≫

柾木政宗
『NO推理、NO探偵?』
『ネタバレ厳禁症候群』

松井玲奈
『カモフラージュ』

松浦理英子

麻耶雄嵩
『友達以上探偵未満』

三田誠広
『永遠の放課後』

道尾秀介
『向日葵の咲かない夏』
『月と蟹』
『カササギたちの四季』
『水の柩』
『光』
『笑うハーレキン』
『鏡の花』
『透明カメレオン』

三津田信三
『碆霊の如き祀るもの』
『わざと忌み家を建てて棲む』

三山喬
『ホームレス歌人のいた冬』

武者小路実篤
『友情』

村上春樹
『夜のくもざる』
『レキシントンの幽霊』

燃え殻
『ボクたちはみんな大人になれなかった』

望月拓海
『毎年、記憶を失う彼女の救い方』

森下雨村
『白骨の処女』

森見登美彦
『ペンギン・ハイウェイ』



≪や行≫

山田風太郎
『伊賀忍法帖』

山田正紀
『ブラックスワン』
『人喰いの時代』

米澤穂信
『真実の10メートル手前』
『巴里マカロンの謎』
『いまさら翼といわれても』



≪ら行≫

連城三紀彦
『明日という過去に』
『白光』
『小さな異邦人』



≪わ行≫

綿矢りさ
『蹴りたい背中』
『憤死』
『勝手にふるえてろ』


≪海外作家≫

アレン・エスケンス
『償いの雪が降る』
『たとえ天が墜ちようとも』

エラリー・クイーン
『エラリー・クイーンの新冒険』

トマス・H・クック
『死の記憶』
『夏草の記憶』
『緋色の記憶』
『心の砕ける音』
『蜘蛛の巣のなかへ』
『緋色の迷宮』

メアリー・シェリ
『フランケンシュタイン』

陳浩基
『13・67』

トマス・フラナガン
『アデスタを吹く冷たい風』

マーガレット・ミラー
『まるで天使のような』

陸秋槎
『文学少女対数学少女』


≪アンソロジー

角川ホラー文庫「現代ホラー傑作選」
2.魔法の水
3.十の物語

『謎の館へようこそ 黒』

『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』







≪ミステリ10選シリーズ≫

作中作ミステリ10選
切断ミステリ10選
恋愛ミステリ10選
青春ミステリ10選
見立てミステリ10選





《読書履歴書》

私の読書履歴書 その1
私の読書履歴書 その2
私の読書履歴書 その3




≪小説年間ベスト≫

2017年に読んだ小説ベスト20
2018年に読んだ小説ベスト10
2019年に読んだ小説ベスト10(ミステリ編)
2019年に読んだ小説ベスト10(非ミステリ編)
2020年に読んだ本ベスト10

目次(映画)

〈あ行〉
アバウト・タイム 愛おしい時間について
アリス・スウィート・アリス
アンダー・ザ・シルバー・レイク
イエスタデイ(2019)
イディオッツ
イット・フォローズ
1917 命をかけた伝令
エターナルサンシャイン
エンジェル、見えない恋人
オリーブの林をぬけて



〈か行〉
ルトガー・ハウアー/危険な愛
奇跡の海
キートンの探偵学入門
きみに読む物語
きみに読む物語その2
キングスマン
キングスマン : ゴールデン・サークル
狂い咲きサンダーロード
軽蔑
(500)日のサマー



〈さ行〉
サスペリア
サスペリア(ルカ・グァダニーノ版)
三月のライオン
シェイプ・オブ・ウォーター
シャークネード・シリーズ(1〜5)
シャークネード6 ラストチェーンソー
ジョーカー
ジョジョ・ラビット
スウィート17モンスター
スプリット
そして人生はつづく
ゾンゲリア



〈た行〉
タイタニック
ダンケルク
チェイシング・エイミー
ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌
チャイルド・マスター
天気の子
ドッグヴィル
ドグラ・マグラ
友達のうちはどこ?
トラフィック
トリプルヘッド・ジョーズ
ドント・ブリーズ



〈な行〉




〈は行〉
ハイテンション
バッファロー'66
HOUSE
パラドクス
バリー・リンドン
フォレスト・ガンプ/一期一会
フォロウィング
冬の怪談 〜ぼくとワタシとおばあちゃんの物語〜
ザ・フライ
ブルーバレンタイン
ベイビー・ドライバー
ボヘミアン・ラプソディ



〈ま行〉
マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり
マンダレイ
ミッドサマー
ムーンライズ・キングダム



〈や行〉



〈ら行〉
ラースと、その彼女
ルチオ・フルチの新デモンズ
ルビー・スパークス



〈わ行〉
若者のすべて
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド





〈映画特集記事〉

失恋の傷口に塩を塗る恋愛映画7選
【閲覧注意】極私的、ランク別どんでん返し映画紹介
好きなゾンビコメディ15選
My Favoriteホラー映画10選のリスト〜〜。





〈今月のふぇいばりっと映画〉
2018/9
ジャンゴ 繋がれざるもの/レディプレイヤー1/P.S.アイラブユー/禁断の惑星/巨大クモ軍団vs GoGoダンサーズ

2018/10
サタデー・ナイト・フィーバー/ニュー・シネマ・パラダイス/カビリアの夜/プールサイド・デイズ

2018/11
エンドレス・ポエトリー/君の名前で僕を呼んで/マルホランド・ドライブ/ストレイト・ストーリー/早春 (DEEP END)

2018/12
柔らかい殻/普通の人々/フィールド・オブ・ドリームス/メッセージ/時計仕掛けのオレンジ/ブロンド少女は過激に美しく/ドライヴ/エド・ウッド

2019/1
お熱いのがお好き/リバディ・バランスを射った男/ストレンジャー・ザン・パラダイス/ソナチネ

2019/2
アクアマン/新婚道中記/道

2019/3
夜の大捜査線/ヤコペッティの大残酷/タワーリング・インフェルノ

2019/4
暗殺のオペラ/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/地球に落ちてきた男/地上より永遠に

2019/5
search サーチ/怪怪怪怪物!/クーリンチェ少年殺人事件/ヘレディタリー 継承

2019/6
ブルー・ベルベット/パターソン/ライフ/11:46/カランコエの花

2019/7
トゥルーマン・ショー/スリザー/ラストベガス/セブン/メリーに首ったけ/愛と青春の旅立ち/ネクロノミカン

2019/8
ベンジャミン・バトン 数奇な人生/とらわれて夏/孤独なふりした世界で/メイクアップ 狂気の3P/世界一キライなあなたに/トイストーリー4/チャイルドプレイ(2019)

2019/9
アス/イングロリアス・バスターズ/サスペリアpart2

2019/10〜11
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで
/ふたりの5つの分かれ路/ことの終わり/ワンダーランド駅で/マローボーン家の掟/映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

2019/12
ハッピー・デス・デイ/ハッピー・デス・デイ2U/スクリーム4

2020/1
死霊の罠/死霊の罠2 ヒデキ/ミスト/悪魔のいけにえ/要塞警察/サマー・オブ・84

2020/2
ウォールフラワー/undo/来る/グエムル 漢江の怪物

2020/3
ウィッカーマン(1973)/アメリカン・サイコ/DAGON/処刑山2 ナチゾンビvsソビエトゾンビ/桐島、部活やめるってよ

2020/4
ビルとテッドの大冒険/スラムドッグ・ミリオネア/捜索者

2020/5
スターマン/未来世紀ブラジル/インビジブル/ブラックブック

2020/6 ①
グレート・ウォリアーズ 欲望の剣/スターシップ・トゥルーパーズ/ショーガール/トリック

2020/6 ②
ブラックシープ/ロスト・イン・トランスレーション/UFO少年アブドラジャン/ネクロマンティック/ネクロマンティック2

白井智之『少女を殺す100の方法』感想

実は初読の白井先生。

少女を殺す100の方法 (光文社文庫)

少女を殺す100の方法 (光文社文庫)


誇張表現かと思いきや、本当に20人×5話で100人くらいの少女が死ぬというめちゃくちゃな一冊。
噂には聞いてたけど、エログロナンセンスを極めながらも切れ味鋭いロジックでミステリファンをしっかり快感絶頂させてくれる手腕はやっぱり只事ではなく、最近はこういう尖った作風に前ほど魅力を感じなくなってしまったものの他の作品も読んでみたくなるには十分の素敵な短編集でした。

前半の2話と、箸休め的な第3話をはさんでからの後半の2話とでガラッと余韻の質が変わり、信じられないことにこんだけ酷い内容なのに読後感はポジティブとさえ言えるものでエモかったです。

以下各話の感想。





「少女教室」

とある女子校のとあるクラスの生徒20人が殺されるお話。

本書のコンセプト自体が常軌を逸していることを思えば、本作のクラス(ほぼ)皆殺しという発端はわりとオーソドックスなもの。

ただ、内容はなかなか捻りが効いています。
かなり早い段階で事件の真相の大きな一つが明かされてしまい、かと思えば21人の容疑者を消去法していくガチガチのロジカル本格推理が始まるからキョトンとしちゃいます。
しかしこのロジックがほんとに話の内容とは正反対に王道どストレートでうんうんなるほどなるほどといちいち納得しながら読まされてしまいました。
かと思うと、ドロドロの人間ドラマが始まったり、名探偵が登場したりブラックユーモアテイストのオチが待っていたりと、色んな仕掛けや小ネタがてんこ盛り。
もちろん事件現場のスプラッタな残虐さも最高!

1話目にしてがっちりハートを掴まれてしまいました。





「少女ミキサー」

生きた少女が5人溜まると作動する"フードプロセッサ"に閉じ込められた少女たちのお話。

映画の『マーターズ』、乙一の短編『SEVEN ROOMS』とかを彷彿とさせるソリッドシチュエーションスリラー。
また、メインの謎は法月綸太郎の傑作『死刑囚パズル』を思わせます。
いずれにせよ、その辺の異様な作品群を意識していそうな、こちらも異様な一編。

主人公たちにあまり感情移入出来ないからスリラーとしてのハラハラ感は薄いですが、恐らくそれは作者も織り込み済みで、その分特殊設定でこそ活きる異様なトリックと切れ味の鋭いロジックこそが見所。
(ネタバレ→)犯人がぬけぬけと推理を披露するのが前話と被るところはご愛嬌。
ラストシーンのその先に、私は『マーターズ』の前半を視てしまうんですよね。





「『少女』殺人事件」

ミス研の先輩が書いた実名犯人当てに後輩が挑むお話。

エグい話が続いたので箸休め......みたいな感じの、ミステリのお約束をおちょくった遊び心ある一編。
とはいっても、昭和の探偵作家みたいな名前の先輩のキャラの濃さをはじめ、作中作のメチャクチャさ、うんこって言いたいだけのうんこ描写、あまりにも酷い(褒)犯人当ての解答などなど、こんだけ軽い話でもアクの強さは他のお話に引けを取らないあたりはさすがですね......。
このネタ、ミステリファンなら一度は考えたことくらいはありそうなものですが、かと言ってこれで一本書くのは相当なバカだと思いますよ。もちろん褒め言葉ですけど。
結果的に一編でまるっきりルールの違うゲームを2回遊べるような楽しさがあってお得感満載でした。





「少女ビデオ 公開版」

"クソオヤジ"から娘に向けてのビデオメッセージの体裁で語られる、"猿の肉"を食わされる少女のお話。

前話で箸休めしといてからの、本書でも1番エグいこの作品です。
商品として好事家に売られる少女たち。使い物にならなくなった少女を引き取り"猿の肉"を食わせることで生計を立てる主人公。彼の元にやってくる肛門から腸が飛び出た条治......。
描かれる全ての出来事がとにかくグロテスクで、耐性のなくはない私でもちょっと嫌な気分になるくらい。
しかし、思わぬ描写を伏線として駆使し、この異様な舞台設定だからこそなんとか説得力が保たれるあまりにもあり得ない"真相"の数々は圧巻。
そして、グロテスクを超えた先にある情愛が!汚れすぎていて逆に光を放っている様は平山夢明の作品なんかを思わせたりさえします。
なんにせよ、この異様な物語を、ミステリとしても面白くしながら描き切ってしまえるのは著者だけではないでしょうか。





「少女が町に降ってくる」

旧弊な村に住む叔母の家に居候することになった主人公だが、村には、年に一度大勢の少女が空から降ってくるという秘密があり......というお話。

意外にも超常現状的な設定は本書でも(作中作を除けば)このお話だけ。
墜落する少女というグロテスクにして幻想的な設定が、横溝正史風でありながらも全く違った異様さを醸し出してきます。
さらに地名や人名がふざけているようで、ちゃんと世界観としては統一されてる感じも上手いですね。
ミステリとしては、設定があまりにも入り組んでいるために真相とかどうでもよくなっちゃうところがなきにしもあらず。
とはいえ、この世界だからこその異様なトリックとロジックにはやはり驚かされるし、まさかそういう感じになるんだ......という映画みたいなラストシーンは印象的。
トリを飾るに相応しい力作です。

エラリー・クイーン『エラリー・クイーンの新冒険』感想

悲劇四部作を読んだ後、『ローマ帽子』のとっつきづらさに一度挫折していたエラリー・クイーン
しかし『文学少女対数学少女』を読んでなんだか無性に正統派の本格ミステリを読みたくなったので、読みやすそうな短編集を読んでみました(新訳出たし)。
ちなみに『冒険』は近所の本屋になかったので新から読みました。順番あんま関係ないしね。




さて、本書は中編『神の灯』と、『新たなる冒険』の連作4編、『スポーツミステリ』4編を収録した、タイトル通りエラリー・クイーン(作中の探偵の方)が活躍する作品集。

全体に思ってたよりお話自体が面白く、各話で事件のシチュエーションもガラッと変わり、エラリーを中心としたキャラ文芸としても楽しめる贅沢な一冊。
もちろん、ミステリとしても各話にアイデアがたっぷり詰まっていて、今読んだら分かりやすい部分があったりはするもののつまらない作品は1つもない素晴らしい短編集でした。

以下、各話の感想を。





「神の灯」


奇妙な老人の遺産が隠されているという"黒い家"に、老人の令嬢アリスと共に向かったクイーン。
同じく奇妙な親族達と共に、向かいに建つ"白い家"で一夜を明かすと、翌朝、"黒い家"は忽然とその姿を消してしまっていた......。


まずは一軒の家が一夜にして跡形もなく消えてしまうという謎そのものがとにかく魅力的。殺人なんかよりもよっぽど唆られます。
加えて、謎を引き立たせる雰囲気作りも完璧。
何も知らされないままいきなりエラリーが呼び出されて事件に巻き込まれるというある種の強引さが、読者をも有無を言わせず作品世界に引き込みます。
消失が発覚する場面はどこか神々しさすら感じさせ、異様なまでに降り続く雪の描写と、ノイローゼになりかかった登場人物達の言動も相俟って世界の終わりのような空気が醸造され、ただでさえ不可思議な謎をより魅力的に見せてくれます。

謎があまりにも魅力的すぎて、トリックはまぁそんなところだろうなとは思ってしまうのですが、しかし細やかな伏線と雰囲気で、こんな不思議な事件なのにちゃんと納得させてくれます。
何より、(ネタバレ→)家の消失という派手な事件を隠れ蓑に、殺人まで企てられていたというところは完全に盲点でやられました。あからさまなヒントに気付かせない物語の展開の仕方が上手い......。
(ネタバレ→)雪の降りしきる灰色の世界から一気に突き抜けるような、ハッピーエンドの爽快なラストも良いですね。
世評の高さにも納得の傑作です。


「宝捜しの冒険」


バレット少将の家でのパーティーで、少将の娘のネックレスが盗まれた。
エラリーは招待客たちに宝捜しゲームをしようと提案し......。

ネックレスの盗難という事件自体は陳腐なものの、犯人探しではなく"隠し場所捜し"をメインに据えることで一風変わった読み心地を味わえます。
さらに、エラリーの仕掛ける宝捜しゲームも牽引力となり、一息に読ませてくれます。
ゲームの謎解きはそう難しくない且つその場にいないと分からないものなので特に面白くもないんですが、それを仕掛けるエラリーの意図が、本題のネックレス盗難とどう絡むのか......?というのが興味をそそります。

解決の方も、ネックレスの在処、エラリーの意図、という2つの謎の答えはそれぞれ面白いし、さらに細かな仕掛けもあったりして、この短さでみっしり詰め込まれてて楽しいっす。

ただ、最後の事後処理はあれでええんかいと思っちゃいます。いやまぁ、うーん、いいことなんだけど、それを言い出したらキリがなくないっすか......。





「がらんどう竜の冒険」


日本人の老人の邸宅で、住み込みの看護師が殴られ、竜が彫り込まれたドアストッパーが盗まれた。
屋敷を訪れたエラリーだったが、さらに家の主人が失踪し......。

「カギワ・ジト」なる名前の日本人の老人が出てきて、どういう名前やねんと突っ込んでしまいます。
また、屋敷の中が甘ったるい香の匂いだったり竜の模様のドアストッパーを常用してたり、「ほんとに合ってる?」と思うような日本観が逆に面白くて、日本人だけど東洋の神秘的な異国情緒を感じました。

事件の方はというと、とある嘘を見抜くことで色んな出来事が一つのシンプルな真相に収斂していくのが面白いです。
ただ、ちょっと知識が必要だったりするのと、シンプルすぎて意外性が薄いのは惜しいところ。





「暗黒の家の冒険」


平日昼間のがらんとした遊園地で、暗闇からの脱出アトラクション『暗黒の家』に入ったエラリーとジューナ。
しかし、自分の手も見えないほどの真っ暗闇の中で殺人事件が起こり......。

今だとなんらかの法律的にアウトそうな激ムズ暗闇迷路に悪戦苦闘するエラリーたちがまず面白く、その中での殺人というクローズドな事件も魅力的。
また、トリックはシンプルにしてよく考えられていて面白く、取ってつけたようだけど最後の最後のオチもちょっと笑えちゃいました。
ただ、エラリーが(一応→)真っ暗なのに遠距離から撃てるわけない!という推理ともいえない当たり前すぎることを言っただけで周りのみんなが「なるほど」「君は賢い」とか言い出すのはおかしいと思う。
あと、トリックから一発で犯人が分かってしまい、怪しい容疑者たちがただのモブでしかなくなってしまうのは物足りないところ。





「血をふく肖像画の冒険」


画家のグラストンの家に伝わる、先祖の肖像画が血を流すという伝説。
彼の妻とそのストーカーの間の緊張関係がピークに達した時、伝説の通りに肖像画が血を流し......。

とりあえずこれだけめっちゃ読みづらかったです。地名と人名が勝手にたくさん出てくるので把握しきれなくて、最初のうちは誰が誰で何をしててここはどこで何が起きているのかさっぱり分かりませんでした。
それでも読み進むうちにだいたいのことは分かってくるんだけど、ヒントがあからさますぎて肖像画の血の謎は謎にすらなってないくらい分かりやすいし、その後の解決も特に面白みがなく、全体に「ふーん」という感じの作品。
ただ、そんなに美しい背中というのは一度拝んでみたいですね。これまで女性の背中にあまり注目したことがなかったので。





「人間が犬を噛む」


ヤンキースジャイアンツ戦を観戦しに行ったエラリー。
観客席には、元野球選手のビルとその不倫相手、ビルの妻とその元カレ、そしてビルに恨みを持つギャンブラーが勢揃いしていた。
大観客の興奮の中に不穏さを滲ませながら試合が始まり......。

私は運動が出来ないので自分がやったことのあるスポーツはだいたい嫌いで、中でも野球はやる機会が多かったし野球部が気に食わないのでこの世で虫と牛乳の次に嫌いなものです。
だから本作の結構な部分を占める野球に関する描写は全部読まなかったですが、謎解きにはあまり関わらないので問題なかったです。

真相はまぁ予想付いちゃうんですけど、不穏な関係者たちを尻目に野球観戦に夢中で、なるべく謎解きに関わらないようにするエラリーたちの態度が面白いです。
あと、煌びやかなスターに混ざってちゃっかりサインをねだられてる人気作家っぷりも見せてくれます。

一方では関係者たちのドロドロした人間関係も読ませます。被害者がクソ野郎なので殺されてラッキーくらいの気持ちでサラッと読めるのが良い。
そして、そんな男女の愛憎劇の後の、ポーラのラストの行動も味わい深い(笑)。




「大穴」


競馬映画の脚本を依頼されたエラリーは、競馬について学ぶため競走馬を育てる牧場主のスコット老人の元を訪れる。
スコット老人と娘の恋人との間の諍いを宥めたエラリーだったが、レース当日に事件が起こり......。

前話でもちょっと思ったけど、ポーラの登場によってエラリーが急にやれやれ系主人公に成り下がって気に食わねえ。
それはさておき、スポーツ連作第2弾は「競馬」で、これも個人的にはあまり興味がないものの、競走馬を育てる牧場が舞台でレース自体はそんなに関わってこないので面白かったです。ロケーションが良い。

これも真相はちょっと分かりやすい&トリックがさすがにざっくりしすぎな感じがしてミステリとしては面白みに欠けますが、父親と娘とその恋人の間の人間ドラマの面で楽しめる作品で、短編ながらきっちりとお話も作ってるあたり流石やなぁと思います。
出来過ぎな結末もこのライトさなら許せちゃうし、最後の1行もばっちりですね。めっちゃラブコメで笑う。





「正気にかえる」


ボクシングのチャンピオン戦を見に来たエラリーたち。チャンピオンは実力を発揮しないまま挑戦者に敗れ、スポーツ記者は八百長だと看破する。
しかし試合後、敗れた元チャンピオンが滅多刺しされた遺体で見つかり......。

これもラブコメっぽくて萌えます。

ミステリとしては、シンプルにして説得力のあるロジックが決まった良作。
殺人事件とエラリーのコートの盗難とを結び付けることで、犯人特定の条件を浮かび上がらせる手際は鮮やか。
長編のような細かい消去法ではなく、条件から即犯人が分かるという短編ならではの切れ味の鋭さが楽しめます。
『神の灯』は別格として、短編では本書の私的ベストかも。





トロイの木馬


ローズボウルのチケットを取り損ねたエラリーは、出場チーム"トロンジャーズ"の後援者パップを介して大会を観られることになる。
試合後にはパップの娘とチームのエースとの結婚式も控えており、パップはサプライズプレゼントにサファイアを用意していた。
しかし、試合直前にサファイアが盗まれてしまい......。

登場人物のキャラが濃く、彼らのドタバタに引っ張られながら一気に読み進められました。パップはオタクが金持ってるとヤベえ......という典型だし、怪しすぎて本当に怪しいのか悩んじゃう人たちも良い味出してます。彼らが濃すぎて今夜結婚する若者たちがあんま印象に残らなかったくらい......。

ミステリとしては、トリック自体はそこまで目新しくはかったです。ただ、犯人特定のきっかけと決め手が、それぞれよく出来た伏線によって鮮やかにキマってます。これも短編ならではの切れ味。
ただ、個人的に(ネタバレ→)ボールの構造をよく知らなかったのでいまいちピンと来なかったところはあります。

寂しい(藍色熱)

indigo la Endのことがこんなに好きなのに身の回りにハマってくれる人が1人もいないからすごく寂しい。親と彼女に向かって毎日indigo la Endのことを延々と喋り続けて鬱陶しがられる日々。
でもTwitterとかでファンの人探してもなんかアイドル的に追っかけてる奴ばっかで仲良くなりたくないんですよね。とか言ってるからいけない。ロクに何も分からないくせに選民思想が強いからね。

あと全然関係ないけど部屋のエアコンのリモコンで入タイマーと切タイマーを同時に使えないんだけど、こういう時ってもうずっと夜の間中かけっぱなしの方が電気代かからないんですかね?でもかけっぱなしも乾燥するし、冬なんか嫌いです。夏に帰りたい。

はてなブログのアプリがうんこなので人のブログに☆も付けれないしコメントも出来なくて困っています。

ブログにコメントをくれたファンの方、ありがとうございます。
Twitterはやめてもブログはやめないので何卒よろしくお願いします。
あとブログ更新しましたツイートが出来ないので私のブログが更新されたらTwitterで呟いといてください。なんて図々しいお願いでしょうか。ごめんなさい。あとindigo la Endの新曲がこれからちょいちょい配信されて2月にはアルバムが出るので買ってくださいお願いします。